ダイソーの「スマートフォンレンズセット」は、110円という低価格で魚眼、マクロ、広角の3種のレンズをセットにした商品です。実際に使ってみたところ、マクロレンズは期待以上の性能を見せたものの、魚眼と広角レンズには限界が見られました。価格を考慮すればマクロレンズはおすすめです。
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スマホのインカメラが、年々性能を向上させているのにあわせ、外部に装着するレンズも様々なものが出ている。中心の価格帯は2~3千円台で、高機能なものだと1万円近いものもある。
そんな相場感をあっさり崩し、110円という驚きの低価格で販売しているのがダイソーだ。 商品名は「スマートフォンレンズセット」。魚眼レンズ、 マクロレンズ、広角レンズがセットになった注目の一品。
正直な話、ミラーレスカメラで数万円のレンズを使う筆者からすれば、実用性に半信半疑の目を向けてしまう。が、はたしてどうなのか。実際に購入して試してみた。
中身はシンプルでコンパクト
「スマートフォンレンズセット」は、ダイソーのモバイル用品の売り場で販売されている。比較的大きな紙箱の中には、ブリスターパックに収まった3種のレンズ、レンズキャップ(蓋)、クリップ、収納袋がある。説明書はなく、代わりに紙箱の裏に使い方が書かれている。
購入時は、マクロレンズに広角レンズが接合された状態になっている。接合部をくるっと回して引っ張ると分離するが、最初はそれが分からず「欠品か?」と勘違い。
また、分離するには、指がレンズ面に触れないように注意しつつ、若干力をこめる必要があり、やや面倒に感じた。ちなみに、レンズ面に指紋など汚れをつけてしまったら、メガネ拭きのような柔らかい布で拭けばよい。
クリップをスマホに挟むだけで即撮影
さて、使い方は意外と簡単。まず、レンズをクリップに回して装着。そのクリップを、スマホ内蔵レンズの位置に合わせて挟むだけだ。あとは、ふつうに撮影する。
スマホにレンズを装着したところ
さっそく、魚眼レンズから写りを確かめてみよう。歪みが大きいため、通常の撮影業務ではまず使用しないが、趣味の写真では割と人気。以前、ペットの犬・猫を魚眼レンズで撮ったものが可愛いと、ブームを巻き起こしたおかげで認知度が高いレンズでもある。
まず、近景から。スマホの画面には以下の写真のように見える。
そして、撮った写真がこちら。
魚眼レンズらしいデフォルメ感がそこそこ出ているが、古い機種のインカメラ(広角のレンズが使われている)で撮った写真のようにも見える。また、魚眼レンズの内部の一部が上下に写り込んでしまっているのは、110円プライスの限界といったところだろう。
今度は外に出て、遠景を横に撮ってみた。
風景はしっかり撮れてはいるものの、魚眼レンズ特有の歪みは際立たず、また周囲の黒スペース(レンズ内側の写り込み)がかなり広くなってしまった。
マクロは合格点だが、広角は厳しい
次は、マクロレンズで撮ってみる。マクロレンズとは、被写体にほとんど接するように撮影することに特化したレンズ。一般的に、花や昆虫の接写に使うことが多く、肉眼では捉えられないディテールを写真に収めることができる。逆に、風景やポートレートには不向きで、ピンボケにしかならない。
撮影した写真が以下となる。トマトにぎりぎりまで寄せてシャッターを切ったが、予想以上にきれいに撮れている。高価なレンズと比べると、鮮明に写る範囲が狭い印象はあるが、合格点だろう。
最後に、広角レンズで撮ってみる。広角レンズは、人間の視野より広い範囲を撮影できるレンズ。ダイナミックな自然や都市の景観を撮ると、迫力のある写真になる。
外の景色を撮ると以下のようになった。
広角で撮れてはいるが、魚眼レンズと同様のレンズ内部の写り込みが、とても気になる結果となった。被写体に対してのスマホの傾きを微調整すれば、この映り込みは若干軽減できるかもしれないが、厳しいものを感じる。
以上総括すると、110円という超低価格だけに、魚眼・広角レンズは難ありだが、マクロレンズは期待以上の機能を見せてくれた。このレンズだけを目的に購入するなら、おすすめしたいと思う。
■商品詳細
商品名:スマートフォンレンズセット
価格:110円
原産国:中国
材質:ABS樹脂、ポリエチレン、ポリエステル、アクリル、スチール
商品サイズ:魚眼レンズ径2.5cm、広角レンズ径2cm、マクロレンズ径1.8cm
種類:―
商品ページ:https://jp.daisonet.com/products/4549131890549
撮影・文/鈴木拓也
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