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ダイソーで買えるPD対応60wケーブルの性能を検証!充電速度がイマイチだったのはどれ?【100均】

2024.03.19

日本では、パソコンと周辺機器の接続やスマホの充電に使うUSBケーブルは、Type-Cの端子がほぼ主流となった。USB規格の普及では一歩先行くEUでは、本年度末頃にモバイル機器の充電ポートはすべてUSB Type-CかつPD仕様に準拠することになるという。その流れからすると、日本でもPDが当たり前になる日が、近いうちにやってくるはずである。

PDとはPower Deliveryの略で、USB Type-Cの給電規格のこと。これまでの充電力だと10Wに満たなかったのに対し、PDでは最大240Wと大電力を供給できるのが特徴。そのメリットは端的に言えば、スマホやノートパソコンに高速充電ができることだ。

それは、ワット数が高いほどより高速となり、240Wクラスになれば大きな電力を要するゲーミングPCも充電できるが、対応する製品はまだ少ない。普及度や価格の兼ね合いで、現在主流となっているのは100W以下のレベルだが、スマホを素早く充電するぶんには、それで十分。

そして実は、100円ショップのダイソーにも、(さすがに100円台ではないが)PD対応の商品が登場し始めている。今回は、これらを紹介しよう。

看板に偽りなしの充電速度を実現した「PD対応超速充電 タイプCケーブル60W(1m)」330円

最大60W(20V/3A)で通信速度最大480Mbpsという、USB 2.0のクラスでは標準的な性能のケーブル。ケーブル長は、たいがいの環境では困らない1m。これが330円で買えるのだから驚き。

購入する前に確認すべきは、スマホがPD対応であるかという点。スペック表を見て対応していなければ、買い損となってしまう。もう1点は、電気を供給してくれる機器もPD対応かどうか。

そうしたパソコンやモバイルバッテリーがない場合、家庭用コンセントに差すPD対応のACアダプタを別途買い求める手がある。それもダイソーで販売されており(下写真)、最大出力は20Wで価格は770円となっている。

ACアダプタやケーブルを買う決め手はやはり、どれだけ充電が早くなるかだろう。そこで、PDではないACアダプタ(最大出力1A)とPDではないUSBケーブルで充電した場合と、今回紹介したPD対応のものとで充電した場合の比較をしてみた。具体的には、電池残量が半分くらいのスマホを20分充電して、どれほど充電できたかを確認するやり方をとった。

まず、PDではない製品で充電したところ、20分後に電池残量は10ポイント増加(42%→52%)した。次にPDの製品で充電したところ、20分後に電池残量は20ポイント増加した。つまり、非PDの2倍の充電量となった。この充電量は、より高性能なACアダプタとの組み合わせでもっと早くなるだろう。

次に、著名ブランド「Anker」のケーブルとの比較をしてみた。製品は、「Anker 310 高耐久ナイロン USB-C & USB-C ケーブル」(最大60W、実勢価格800円)で、同じスマホ、同じACアダプタで充電20分後の電池残量を確認してみる。

充電量は14ポイントの増加であった。330円のダイソーのケーブルに負けたのは、かなり意外だ。Ankerの公式サイトを見ても明確な情報はなかったが、ACアダプタの低性能が足を引っ張ったのだろうか?

■商品詳細

商品名:PD対応超速充電 タイプCケーブル60W(1m)
価格:330円
原産国:中国
材質:ABS樹脂
商品サイズ:ケーブル長約1m
種類:-
商品ページ:https://jp.daisonet.com/products/4562380815903

■商品詳細

商品名:急速充電ACアダプタ
価格:770円
原産国:中国 
材質:ポリカーボネート
商品サイズ:高さ4.66cm ×幅2.83cm ×奥行4.54cm
種類:-
商品ページ:https://jp.daisonet.com/products/4550480137919

看板に偽りあり(?)の低い充電力の「充電・通信用ケーブル PD対応 最大60W」

ダイソーにはもう1つ、PD対応のケーブルがある。先に紹介した商品と比べると、最大60Wでケーブル長約1mである点は同じ。包装には、「過熱防止機能搭載」「強靭タイプ」と大きく書かれている。過熱防止機能とは、接続部が異常加熱した際に自動で充電を停止する機能を言う。

また、強靭タイプとは、ケーブルが折り曲げや抜き差しに強く、断線しにくい構造となっていることを指す。これは、大きな差別化ポイントだろう。それでいて、価格は220円と、110円安い。

では肝心の充電速度はどうか? 先ほどと同じやり方で計測してみたところ、充電20分後の電池残量は10ポイントしか増加しない。これでは非PDのケーブルとアダプタと同じだ。念のため、さらに3回この実験をやってみたが、やはり10ポイントの増加にとどまった。

これはちょっと謎だが、たまたま不良品にあたったのか、アダプタとの相性の問題か、もともとこの程度の性能しかないものなのか……。ひとつだけ言えるのは、充電速度のアップを求めるなら、110円高くても最初に紹介したケーブルのほうが確実だということだ。

■商品詳細

商品名:充電・通信用ケーブル PD対応 最大60W
価格:220円
原産国:中国
材質:不明
商品サイズ:ケーブル長1m
種類:-
商品ページ:-

撮影・文/鈴木拓也

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