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仕事をする上で欠かすことができないのが、説明することだ。プレゼンほど大げさなものでなくても、説明しなければいけない場面は、数えきれないほどあるだろう。
説明下手で伝えたいことが上手く伝わらないと、仕事がスムーズに進まないこともある。今回は、説明が下手と感じる人の共通点と、改善方法を紹介する。
説明が下手な人に共通する特徴とは
説明が下手と感じる人には、実は、共通する特徴がある。説明が苦手と感じている人は、「あっ!やってしまっているかも」と思う部分もあるかもしれない。確認してみよう。
■自分本位で相手への思いやりがない
説明したい内容、自分が話したい内容ばかりを優先し、相手のことを考えていない。そんなことはないと思うだろうが、説明しなければならないことに緊張したり、経験不足であったりすることで、相手への配慮が欠けてしまうのだ。
説明しなければいけないという思いばかりが先走ってしまうことは、誰にでも起こりうる。気づかぬうちに自分本位の説明になっている可能性が高い。
■要点がまとまっていない
説明をする内容の要点がまとまっていないまま話してします。一番伝えたいポイントがぼやけてしまうと、結局なにが言いたかったのかがわからなくなる。中には、自分自身でもなにを言っているのかわからなくなる人もいる。大量の情報を一度に説明するのも焦点がぼやけやすいので注意したい。
■主語がない話し方をする
説明が下手な人の中には、主語がなく、伝わりにくいということもよくある。日本語の文法として、主語がなくても話ができるため陥りやすいが、説明するときは、「だれが」「なにについて話しているのか」を明確にしないと、話が進むにつれ混乱をまねきかねない。
■内容が抽象的
説明の内容が抽象的過ぎると、誤解を生じさせる。具体的な数字があれば、説明を受けた全員の認識を一致させることができるが、抽象的な説明では、個々に認識にずれが生じる可能性がある。
例えば、イベントで試食用の取り皿を準備するとしよう。説明した本人は、オードブルが3つ程度のせられる小皿のつもりが、豆皿タイプをイメージする人もいれば、もう少し大きめのお皿をイメージする人もいるかもしれない。「直径15cm程度の取り皿の準備を考えています」と、説明すれば、後に大きなトラブルに発展することはないだろう。
説明下手を改善する方法
社内の上司や部下、取引先など、相手によって説明の仕方や構成を変えるのが基本。基本の考え方として気をつけたいポイントを紹介しよう。
■主語を明確にする
説明をする上で、話者=話している内容の主語が自分とは限らないにもかかわらず、主語を省略することで伝わりにくくなっていることが多い。わかり切っていると感じても、主語を入れて話すことを心がけよう。顧客に話す場合は、「御社」「弊社」を明確に、「社」なのか「者」なのかも明確に話すように心がけたい。
■優先順位を決める
説明したい内容が、いくつかある場合は、優先順位を決めておく。並列であれば、3点あることなど、最初にどれくらいの説明になるかを相手に伝えよう。
また、必要以上の補足説明をするのもNGだ。情報が多い方がいい場合もあるだろうが、話が長くなるばかりか、本来重要なポイントがぼやけてしまい、相手に伝わりにくくなる。説明したい内容の優先順位を意識しながらシンプルに要点を伝えるようにしよう。
■説明の目的を明確に
まず、何について説明したいのかを明確にしよう。当たり前だと思うかもしれないが、ある事柄に対して、説明したのち相談したいのか、報告なのかを明確にすることで、相手の聞く姿勢も変わる。
「A社へのプレゼンの件で相談があります」と内容を説明すると、アドバイスを考えながら聞くことができる。逆に、「プレゼン内容ですが、○○を考えていて……」と話が続くと、報告なのか相談なのかがわかりにくい。説明する目的と、その範囲を明確にしておこう。
5W1Hを具体的に
数字など具体的なことを共有するときに意識したいのが、5W1Hだ。When(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どのように)にそって説明を進めることで、誤解が生じにくく、自分自身も内容を整理しやすくなるだろう。
説明下手の中には、頭がよく、天才肌の人もいる。頭の回転が速いがゆえに、アウトプットする前に考えが先に進み、言葉を省略してしまうことがあるからだ。
そのような天才は例外として、自分が理解しきれていないことは無理やり説明しようとせず、内容を事前にまとめて準備する習慣をつけ、相手の反応を見ながらシンプルに要点を伝えることを心がけていこう。
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文/林ゆり