裁判所のジャッジ
裁判所
「会社は慰謝料20万円を払え。動画も削除せよ」
―― なぜ名誉権の侵害だと判断しましたか?
裁判所
「具体的な事実を摘示してXさんの社会的評価を低下させたからです」
「謝罪イジメ動画は、Xさんが会社から注意を受けたにもかかわらず真摯に謝罪ができない人物との印象を与えています」
「半殺しにすんぞ動画は、Xさんが他の同性の従業員にわいせつな行為などをして迷惑をかけるという印象を与えています」
「体に落書き動画は、Xさんがウソつきであるという印象を与えています」
ほかに4つの動画もあり、慰謝料が20万円と認定されました。フォロワーが85万人もいて、一部の動画がX(ツイッター)で拡散されたことも考慮されています。
▼ 涙を飲んだ場面もあり
Xさんは勝訴したのですが、涙を飲んだ場面もあります。
Xさんは「社長が平手で顔面を殴ってきた」「10回くらい殴る蹴るの暴行を加えられた」「辞めたいと言った時に『次に辞めたいと言ったら社長の好きなようにしていいです』との誓約書を書かされた」と主張したのですが…。
裁判所
「これを認めるに足りる的確な証拠はない」
残念ながら一蹴されました……。
裁判は証拠が命です。録音は最強なので実践してみてください。被害を受けた直後に誰かにLINEするのも手です。裁判官が証拠採用するかは不明ですが、証拠採用してくれることもあります。
下記の事件では、セクハラ直後のLINEが証拠採用されました。
https://dime.jp/genre/1531143/
被害行為の積み重ねで慰謝料も上がっていくので、何とか頑張って証拠を集めてくださいね。
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取材・文/林 孝匡(弁護士)
【ムズイ法律を、おもしろく】がモットー。コンテンツ作成が専門の弁護士です。
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