ジェンダーギャップが理由で転職を考えたことがある女性は、男性の約2倍、女性は前年より4.5%、男性は5.9%上昇
【Q.4 ジェンダーギャップが理由で転職を考えたことある?】
ジェンダーギャップが理由で転職を考えたことがあるか尋ねたところ、男女ともに「ない」が多数派ではあるものの、「ある」と回答した人は女性が36.3%、男性が18.9%で、女性は男性の約2倍という結果となった。
また昨年、同様の質問をしたアンケートでは、「ある」と答えた女性は31.8%、男性は13.0%となった。男女ともにジェンダーギャップが理由で転職を考える人は増えているようだ。
転職活動で感じたジェンダーギャップ1位は、女性「面接官は男性が多い」、男性「とくにない」
【Q.5「女性(男性)である」ことが理由で、転職活動において経験したこと(感じたこと)は?】
「女性である」ことが理由で、転職活動において経験したこと(感じたこと)について尋ねたところ、最も多かったのは「面接官は男性が多い」が1位で35.8%となった。
年代別にみると、20代では「面接で結婚・出産の予定を質問される」が36.4%で1位、30代・40代では「子どもがいると転職活動しづらい」がそれぞれ43.1%、41.7%で1位となっている。これから結婚・出産を迎える世代であっても、すでに迎えた世代であっても、どちらも結婚・出産などのライフイベントが転職活動に影響を与えている状況が伺える。
その他のコメントとしては、「親の介護について聞かれる」「本当は男性を募集していると言われた」「女性としての立ち振る舞いや外見を判断基準にされる」などがあった。
男女別に見ると、男性は「とくにない」と回答した人が最も多く44.4%で、女性の18.1%と大きな差がある結果となった。「男性であること」が転職活動に影響を与えることは少ないようだ。
多くの項目で男性の回答率は女性より大幅に少ない結果だったが、「選考に通過しづらい」は男女差が少なく「男性であること」で選考に通過しづらいと感じる人もいることがわかった。
ジェンダーギャップ解消のために必要なことは「社長(経営層)の意識が変わること」、「男性の意識が変わること」
【Q.6 ジェンダーギャップがない企業かどうか見極めるために、求人情報の中で何に注目する?】
ジェンダーギャップのない企業かどうか見極めるために求人情報の中で注目する項目としては、1位「産休・育休活用例」(51.3%)、2位「従業員における女性比率」(47.7%)、3位「管理職における女性比率」(43.0%)と続いた。ライフスタイルの変化に対応できる職場か、実際に女性が重要ポジションに登用されているかどうかをデータで確認する人が多く見受けられた。
その他コメントとしては、「会社の雰囲気」「有給の取得率」などがあった。一方で、「結局働いてみないとわからない」というコメントもあった。
【Q.7 今の職場はジェンダーギャップ解消のために、どんな取り組みをしてる?】
今の職場がジェンダーギャップ解消のためにどんな取り組みをしているかを尋ねると、「とくにない」が男女ともに最も多く、女性が34.1%、男性が34.4%となった。
女性では「リモートワークや時短勤務などの導入」「女性の積極的な管理職への登用」が上位に上がった。男性では「男性の育休取得の奨励」が上位となっている。
フリーコメントとして「女性管理職を増やしているが、子どものいない人ばかり」「社内通報窓口があるが機能していない」などの意見があり、ジェンダーギャップ解消のための取り組みをしていても、本質的な解決につながっていないケースもあることがわかった。
【Q.8 職場のジェンダーギャップ解消のためには、何が必要だと思う?】
職場のジェンダーギャップ解消のために何が必要だと思うかを尋ねたところ、順位は異なるものの、男女ともに「社長(経営層)の意識が変わること」「男性の意識が変わること」「誰でも育児や介護の休暇が取りやすい環境にすること」が上位3つに入った。
一方で女性では「とくにない」と回答した人は3.5%しかいないのに対し、男性は16.5%と多い結果になった。また必要な施策についての回答も、ほとんどの項目において男性のほうが女性よりも20%程度低い状況だ。女性のほうがジェンダーギャップがあると感じる人が多いため、課題意識を持っている人も多いことが伺える。
<調査内容:第84回「ジェンダーギャップ感じてる?」 / データで知る「女性と仕事」>
・調査期間:2024年1月31日~2月12日
・有効回答数:1,188名
・調査対象:女性:女の転職type会員、男性:type会員およびFastaskによるWeb調査
・調査方法: Web上でのアンケート
出典元:女の転職type
構成/こじへい