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7割の企業が残業対策を実施しているにもかかわらず、残業時間の減少幅はマイナス0.3時間にとどまる

2024.02.19

「隠れ残業」の経験は26.3%

併せて、出勤前や退勤後、または休日など、申告をしない、または申告よりも長くはたらく「隠れ残業」の実態を確認した。

「隠れ残業」を行なったことがある個人は26.3%で、実施する理由は図4の残業理由と近しい「労働時間と業務量があっていないため」が41.4%で最多に。

また、年代ごとに確認すると、20代は「隠れ残業が職場の文化として習慣化しているため」、30代は「評価する風潮があるため」、40代は「残業の申請が面倒なため」といった理由が、全体平均より10ポイント以上高い結果を示しました(【図6】参照)

個人の残業実態を紐解いてみると、残業はシンプルな業務量と人的リソースの不均衡さに加え、長時間労働が評価されやすい風土、また賃金上昇を求める経済的理由からも発生していると推測できる。

どちらも、対策成果が早急に表れづらく、対策を講じる企業割合に対して残業の減少幅が小さい背景の一つと考えられる(【図4】【図6】参照)。

■20、30代の6割は「残業時間の多さが転職を検討するきっかけ」になる

最後に、残業時間の多さをきっかけに転職を考えるかを尋ねたところ、計55.5%が「考える(考える 18.9%、やや考える 36.6%)」と回答した(【図7】参照)。

特に20、30代で顕著となっており、20代(計62.0%)、30代(計65.0%)と60%を超える結果が見られた。

残業の多さを理由に転職を考える理由としては、「ワークライフバランスが崩れるから」「体に負担が多いから」「残業がある会社は人手が足りない。人手が足りない会社は財政が良くないから」など、ワークライフバランスや自身のヘルスケア、会社へのロイヤリティ観点の声が寄せられた。

転職を考える残業時間は、「40~60時間未満(12.9%)」が最も多く、次いで「10~20時間未満(11.5%)」が並んだ。

「10~20時間未満」は、図3で示した平均残業時間「14.5時間」が含まれる回答分類。平均的な時間であっても、転職検討のきっかけになることがわかる。

一方で、「残業がない」も18.0%と高い割合を示した。図4の結果の通り、残業代を賃金の一部と考え、まったく得られないことへの懸念もあるようだ(【図8】参照)。

調査概要
個人対象者/全国の従業員規模10名以上の企業ではたらく20~60歳代男女、会社員(正社員・契約社員)※人事担当、取締役相当、代表取締役・社長相当、その他管理職、管理職ではないが管理職相当を除く
集計対象数/1000名(性年代均等割付)
企業対象者/全国の従業員規模10名以上の企業ではたらく20~60歳代の人事担当者
集計対象数/500名
調査手法/インターネット調査
調査期間/2023年12月28日~2024年1月5日

関連情報
https://doda.jp/

構成/清水眞希

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