「ロットネスト島」で「奇跡の動物」に出合う
そしてぜひ訪れてほしいのがそのフリーマントルから船で約30分の沖合にある「ロットネスト島」だ。この島は国立公園に指定されており、本土と切り離されていることで独自の生態系を維持している。島のあちこちには気持ちのいい砂浜がある。サンゴ礁のあるビーチでは魚も多いので水温が高くなる時期にはシュノーケリングも楽しめる。
ジェットボートによるアドベンチャークルーズでは島に住むアザラシやペリカン、そして時期によってはホエールウォッチングも楽しめる。
だがこの島の最大の魅力はそうした大型動物ではないかもしれない。足元を見てほしい。小型の有袋類であるクオッカがちょこまかと動き回っている。
しかも船着き場の桟橋から上陸したところにあるカフェやショップのある通りに、「探す」必要などないくらいに多くのクオッカがいる!
彼らはまったく警戒心がない。とはいえ人間に媚を売って餌にありつこうとすり寄ってくるわけではない。人間のことなど眼中になく、ひたすら葉っぱをモグモグモグ。こんな小動物がいるなんて、まるで奇跡ではないか!
直行便の再運航で身近になったパース。あなたもぜひ一度訪れていただきたい。きっとこの街が好きになるはずだ。
文 君田亜礼
世界約115ヵ国350名の会員を擁する現地在住日本人ライター集団「海外書き人クラブ」会員。オーストラリア在住。「ビズリーチ」「Bizコンパス」「エクスペディア」など様々な媒体で執筆活動中。