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回収業者に聞く、コロナ禍でお世話になった飛沫防止パーテーションの行方

2023.05.24

中小企業魂と豊かな社内環境が名機を生んだ 

ところで、パーテーションの材質にはどんな種類があるのかご存知だろうか。一見、素人目には違いが分からない透明の薄い板。どれも同じように見えてしまうが…

「パーテーションの材質には、PMMA(アクリル)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PVC(塩化ビニル)、PC(ポリカーボネート)等があります。マテリアルリサイクルするためには、材質ごとに選別したのち、破砕(均一化)→リペレット(原料化)→成型(再製品化)を行わなければなりません」

「その際、大事なのが最初の「選別」です。再製品化の用途が材質に依存するため、どんな材質なのかを判別する最初の工程が大切なんです」(正成さん)

ちなみに、パーテーションは汚れが少なく透明なため、どんな材質でもマテリアルリサイクルに適しているとか。汚れがひどかったり、材質不明のものは別の方法(サーマルリサイクル)でリサイクルされるという。

–「ぷらしる」がこれだけ話題になった要因はなんだと思われますか?

「SDGsという概念の普及や、前述の「プラスチック資源循環法」の施行などから、材質ごとに分けることの意味合いが高まってきていることが主な要因だと思います。加えて、ハンディタイプのシンプルで安価な材質判別装置が無かったことも要因の一つかもしれません」

–話題の製品を開発できる秘訣とは?

「一番の理由は、組織のパーパスがハッキリしていることでしょうか。これによりブレない製品開発ができていると思います。また、社内で環境関連機器事業に関わる人員は少数ですが、皆がそれぞれの職種を跨いで自由に意見できる雰囲気にあり、心理的安全性も高く、情報共有から製品企画まで柔軟に対応できる点も挙げられると思います」

「『大手にはできないことを中小企業で実践する!』『中小企業でも、ものづくりの力で世の中をワクワクさせたい!』という意識の高い人材が揃っているからというのもあるかもしれません」

リサイクルの本質を伝え、業界の底上げを目指す

東北山形の地から、全国にその名を轟かせている山本製作所。モノづくりを通してマテリアルリサイクル率を高めるSDGs活動にも力を注いでいるというが…

正成さん「太田さんは『プラスチック・チャイナ』というドキュメンタリー作品をご存知ですか?」

–いえ、恥ずかしながら。

「世界中から輸入したプラスチックのゴミをリサイクルする中国の小さな町工場の物語なんですが、弊社も数年前にその作品同様、中国で海外から集まってきたゴミのようなプラスチックくずの山を目の当たりにして衝撃を受けた経験があります」

「弊社では、かねてから単に廃棄物を処理できればいいというのではなく、円滑な資源循環を実現しなければ受け入れられない時代が来るはずだと考えていました。そのため、廃棄物の有効活用を実践し、ごみの量をゼロに近づけるゼロエミッションの取り組みなどを実践し、未来の人々の生活も持続できるイノベーションを目指したモノづくりを心がけています」

「資源の乏しい日本において、未利用資源を有効利用し、そこに生まれる経済合理性を高めることに向き合っていくべきと我々は考えます」

–今後の展望、「ぷらしる」の今後の展開などを教えてください

「これからは日本国内はもとより、世界中で愛される『ぷらしる』を目指したいと考えています。また、これまでお付き合いのなかった産廃・リサイクル以外の方々と『ぷらしる』を通してつながることで、これまでとは切り口の異なる潜在的なニーズを掘り起こし、次の製品開発に生かしていきたいです」

「『ぷらしる』が世間に浸透し、次世代を担う子供達やプラスチックに意識の向かなかった人々にも、プラスチックリサイクルの本質に触れてもらい、業界自体の底上げに微力ながら貢献できればと思っています」

そんな山本製作所は、5月24日から東京ビッグサイトで開催される「2023NEW環境展/2023地球温暖化防止展」に出展予定。目の前で「ぷらしる」を見られるチャンスだ。気になる方は是非!

取材協力
株式会社山本製作所

文/太田ポーシャ

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