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SNSで話題の「10-3-2-1-0睡眠法」で本当に睡眠の質は高まるのか?

2023.02.01

【10】…就寝の10時間前にはカフェインの摂取をやめる…効果あり

安達氏よると、「10-3-2-1-0睡眠法」は、多くの専門家がきちんとしたデータをもとに検証した厚生労働省の『健康作りのための睡眠指針12ヶ条』のの内容とも合致しており基本的には全て科学的な根拠があるそうだ。

「例えばカフェインの影響は個人差が非常に大きいのですが、多くのデータから、眠りを浅くしたり、入眠を妨げたり、睡眠時間を短くすることがわかっています。摂取後、30分から1時間で血中のカフェイン濃度がピークになります。そして“半減期”と言って半分の量になるのに3時間から5時間、完全にカフェインが排出されるには約10時間かかるんです。ですから、例えば23時に就寝する人なら、13時以降はカフェインを含むコーヒー、紅茶、緑茶などは控えたほうがいい、ということになります」(安達さん)

ずいぶん厳しいと感じてしまうが、実はカフェインは私たちのイメージ以上に習慣性も覚醒作用も強いのだという。安達さんも以前はカフェラテが好きで毎日飲んでいたが、3日間のファスティング(断食)をすることになり、その前後3日間はカフェインを断った。その期間は安眠できたが、ファスティング終了後は朝食でコーヒーを飲んでも夜眠れなくなったという経験があり、カフェインの覚醒効果を実感したとのこと。千利休の時代の茶事は、お茶の覚醒作用をドラッグのように楽しむ場だったという説もあるそうだ。

「カフェインを含む飲料は習慣性が強いので、急にやめるのはつらいかもしれません。緑茶なら二煎目、三煎目のカフェインがあまり残っていない物を飲む、カフェインが含まれない麦茶やデカフェ、ハーブティーにするなど、ストレスなくできる方法を選びましょう」(安達さん)

■「眠る前のホットミルク」も、睡眠効果はない?

眠る前にホットミルクを飲むと良く眠れると聞くが、これは本当だろうか?

「そう言われるようになったのは、ミルクには鎮静作用のあるカルシウムや安眠効果のあるトリプトファンという成分が入っているから。でも、それらの効果を得るにはミルクをドラム缶いっぱい飲まないといけないことがわかっているんです(笑)。ホットミルクで身体を温めると眠りに入りやすいということはありますが、ミルクに含まれる脂肪には消化を妨げる働きがありますので、体を温める目的ならノンカフェインのホットドリンクのほうがおすすめです」(安達さん)

■寝酒の力で眠るのは、「睡眠」とは呼べない!?

お酒の力を借りて眠る「寝酒」を嗜む人の割合は、世界でも日本人が一番多いそうだが、これもじつはよさそうでよくない。お酒には利尿作用があるので、トイレに行きたくなって夜中に目が覚めてしまい、その後の眠りは浅くなる。しかも安達さんによると、お酒の力を借りた睡眠は、睡眠ではないのだという。

「酩酊したまま眠るのは、パソコンでいえば強制終了と同じ。睡眠ではなくて『昏睡』なんです。お酒に酔って昏睡している人は、名前を呼んでも、揺らしても起きないですよね。正常な睡眠の場合、起こされたら目が覚めるもの。なぜなら生物として、何か異変があった時に目を覚ますことができないと、命を守ることができないからです。それにアルコールを摂取すると、眠っている間も交感神経が優位な状態がずっと続くので、これも眠りの質が低下する要因のひとつになります」

【3】…就寝の3時間前には食事や飲酒をやめる…効果あり

では「就寝の3時間前には食事や飲酒をやめる」というのはどうだろう。

「“食事” について、前述の厚生労働省の『健康作りのための睡眠指針12ヶ条』では、『夜食は寝つきを悪化させ、睡眠効率を下げる』との記述があります。一般的には重い食事なら3時間、軽い食事でも2時間前後は消化にかかると言われています。食べ物が胃に留まり消化活動が行われている時間は脳が『活動時間』と誤解してしまうので、体が睡眠モードにはなりにくいんですよ」(安達さん)。

体は睡眠状態の時は、代謝が下がっている。なぜなら生物として、眠っている間はエネルギーを摂取できないから、代謝を下げて生命活動エネルギーを節約しないと非効率だからだ。冬眠する動物が冬眠中に体温を極限まで下げているように、眠っている時には私たちの体の温度は下がっているのが自然なリズム。脳の温度が下がると、深い眠りを誘発するホルモン・メラトニンが分泌される。そして起床時間が近づくにつれ脳の温度が上昇して活動モードになるため、副腎皮質ホルモンが分泌され、浅い眠り(レム睡眠)に移行していく。

しかし就寝時間直前に食事をとると、脳は体温を下げて眠りのリズムに乗ろうとしているのに、内臓部分では胃が消化活動を盛んに行っているために温度が上昇していく。これでは深い眠りに必要なホルモンも分泌されにくくなり、眠りにくくなるし、眠れても眠りの質は悪くなる。

脳の温度(=体の深部の温度)と眠気を促すホルモンの相関関係。自然なリズムでは就寝時間になると脳温が下降し睡眠を促すホルモンが分泌される。
※出典:厚生労働省 e-ヘルスネット

■仕事で帰宅が遅くなる人は、早い時間に軽食をお腹に入れておく

「私のところに相談に来られたOLさんで、食生活にも睡眠環境にもすごく気を遣っていて、それでも眠れないという人がいました。話を聞くと、食事に気を遣っているので、残業で遅くなっても外食せずに、自炊しているそうなんです。夜遅く帰ってそこから作り始めるので、どうしても食事の時間が11時とか12時になってしまって、食べ終わるともう寝る時間になる。それでは眠れなくて当然です」(安達先生)

仕事で帰宅が遅くなる人は、午後6時か7時の早い時間に、空腹を黙らせることができるようなものを食べておき、消化活動をある程度終わらせておくといいそうだ。そして帰宅後は早めに、お粥やクラッカーのような消化のいいものを少し食べるようにすれば、胃に負担をかけず、眠りのリズムも妨げられにくくなる。

【2】…就寝の2時間前には仕事をやめる…効果あり

気持ち的にわかるような気がするが、2時間というのも長すぎるような…。しかし安達さんによると、眠いのを我慢して仕事に集中している状態というのは、動物で言えば「今寝たら死ぬから絶対に寝たらダメ」といわれている状態と同じなのだという。そのために体に覚醒のスイッチが入ってしまい、就寝に向かって整ったリズムが乱れてしまう。

イライラしていたり、ストレスがたまったりしている状態からリラックスした状態に移るには1~2時間はかかる。したがって単に仕事をやめるだけでは不十分で、「就寝時間の2時間前から何もしない」というのがより正確なのだそうだ。1~2時間何もしないというのも難しいが、それだけ、就寝時間にちょうど眠くなるようなリズムを作るには、長い助走が必要ということなのだ。

「眠る1時間前はとにかく安心に繋がるようなもの、ちょっと幸せ感を得られるようなものが必要。何でもいいので、『自分はこうすれば安眠できる』と思える条件を見つけ、その環境を整えましょう」(安達さん)

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