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会社で昇進した際、ビジネスマナーとして行う昇進の挨拶。これまでに先輩社員の挨拶を見聞きした経験はあるものの、いざ自分が挨拶をする立場になると、どのように挨拶をするべきかわからずに困ってしまう方も多いのではないだろうか。
昇進の挨拶は、伝える場面や手段によって使うべき言葉が異なる。そこで本記事では、昇進の挨拶に含めるべき基本的な内容、シチュエーション別に使える例文を紹介したい。ぜひ本記事を参考にしながら昇進の挨拶の基本をマスターして、新たなスタートを切ってほしい。
ビジネスで使える!昇進挨拶に含めるべき内容は?
まずは、昇進の挨拶における基本の型から見ていこう。昇進の挨拶では、周囲への感謝と今後の意気込みを語るのが一般的だ。
周りの人への感謝
昇進ができたことは少なからず周囲のサポートを受けた結果でも。そのため、まずは上司の方や同僚、部下への感謝の言葉で始めるようにしよう。まずは、お世話になった方への感謝の気持ちを伝える謙虚な姿勢を示すことで、好印象にも繋がるはずだ。
今後の目標
昇進の挨拶の際には、新たに任命された役職で何を成し遂げたいかといった展望や今後の意気込みを述べるようにしよう。同じチームで一緒に働く部下や同僚にも、仕事に対する想いがしっかりと伝えられる内容にするのがポイントだ。
協力のお願い
新しく着任した役職でスムーズに仕事をしていくには、一緒に動くチームメンバーからの支持が欠かせない。特に新しいポジションに就任して間もない頃は、上手くいかないこともあるはずだ。その際に周囲から「協力してあげたい」と思ってもらえるよう、最後に協力のお願いを添えるようにしよう。
昇進の挨拶で使える例文
ここからは、シチュエーション別で使える例文を見ていこう。時と場合によって、昇進の挨拶は使い分けできるようにしておきたい。
短い挨拶がコツ!飲み会でのスピーチ
例えば、昇進祝いの飲み会でスピーチをする場合、楽しい雰囲気を壊さないように、必要な情報を簡潔に伝えると良いだろう。その場の雰囲気にもよるが、以下の例のように、これまでの思い出話なども上手く織り交ぜながら、堅くなりすぎないスピーチを心掛けたい。
・先日の大きなプロジェクトでは、〇〇さんのおかげで大成功をおさめられました。
・部下の〇〇が入社したばかりの頃、毎日一緒に終電まで過ごしたことは、今となってはいい思い出です。
【例文】
この度、〇〇に就任いたしました△△です。これもひとえに、皆さまのサポートのおかげだと思っております。今の私には前任の〇〇さんのようには到底活躍できませんが、少しずつでも近づけるよう努力していく所存です。これからもみなさま、どうぞよろしくお願いいたします。
朝礼での挨拶
朝礼での挨拶は、慌ただしい雰囲気で行うことも多いことから、なるべく簡潔にまとめたい。シンプルでありながらも、しっかりと気持ちが伝わるよう、事前に練習を重ね落ち着いて発言できるようにしよう。
【例文】
本日、〇〇(役職)を拝命いたしました△△です。この度の人事に関しましては、ひとえに皆様の日頃からのご支援の賜物だと、心より感謝申し上げます。まだまだ若輩者ではございますが、今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。
社内向けの挨拶メール
社内に向けた昇進挨拶のメールの場合、送る相手によっても適切な内容が変わってくる。ここでは、全社に向けて一斉送信するメールを想定した例文を紹介する。
【例文】
お疲れさまです。本日付にて〇〇を拝命いたしました△△です。
この度の人事に関しましては、大変光栄に思っております。ひとえに皆様のご支援の賜物だと心より感謝申し上げます。若輩者のため至らぬ点も多く、皆様にはご迷惑をおかけすることもあるかと思います。
皆様のお力添えを頂きながら会社の発展のために尽くしてまいります。変わらぬご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。なお、ビジネスでよく使われる「ご鞭撻」の意味は、以下の記事を参考にして押さえよう。
『ご鞭撻』はビジネスシーンをはじめ、重要な場面で使うことが多い表現です。使い方を誤ると、相手に不快感を与え、今後の関係に悪影響を及ぼすことも考えられます。正しく...
社外向けの挨拶メール
社外の人へ向けたメールでは、これまでの感謝を最初に述べた上で、今後も良好な関係を続けられるように後任の紹介をして終えよう。
【例文】
貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
私事ですが、この度△月△日付にて□□を退き、〇〇に就任いたしました。
□□在任中××様よりひとかたならぬご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。
後任は●●が着任いたしました。
私同様、ご支援を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
また、近日中にご挨拶の機会を頂戴できますと幸いです。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。
ちなみに、「ご高配」も、ビジネスシーンでよく使う言葉だ。正しく使えるよう、意味や例文をチェックしておこう。
知ってる?ビジネスシーンでよく使う「ご高配」の意味と正しい使い方
取引先とメールのやりとりをする際などに、『ご高配』という言葉が使われることがあります。比較的よく使われる表現ですが、実は意味や使い方を把握していない、という人も...
昇進挨拶時のシチュエーション別の注意点
次に、昇進挨拶時に押さえておきたい注意点を解説する。シチュエーションごとに異なるポイントをしっかりと理解しておこう。
スピーチ
昇進の挨拶は今後の仕事への熱意を周囲に伝えるものであるため、スピーチを行う際には話すスピードや抑揚に気をつけたい。なるべく落ち着いて、一人ひとりに語りかけることを意識しよう。
社内の人へのメール
昇進の挨拶はできる限り直接伝えるのが良いとされている。メールで簡単に報告をした後は、なるべく直接挨拶することを心掛けたい。
また、どうしてもメールだけでの挨拶となる場合には、以下のようにメールだけになってしまうことに関するお詫びの一言を添えるようにしよう。
「本来であれば直接ご挨拶するべきでありますが、このメールをもってご挨拶とさせていただきたく思います」
社外の人への挨拶
昇進の挨拶時によく使われる「拝命された」という言葉は「任命される」の謙譲語であり、社外の人には使用しない。自分の会社や役職を敬っている印象を与えてしまうことになるため、注意が必要だ。
上司や取引先から昇進の挨拶をもらったら?お祝いするための返信方法
昇進はキャリアの中で大きな節目となる瞬間だ。上司や取引先から昇進の挨拶をもらった際には、感謝の気持ちをしっかりと伝え、今後の関係をより良いものにするための適切な返信が求められる。ここでは、昇進の挨拶に対する返信方法と、その際に注意すべきポイントを解説する。
上司の役職就任などへのお祝い
上司が役職に就任した際には、これまでの指導に感謝するとともに、今後のさらなる活躍を期待するメッセージを贈ることが重要だ。例えば、「◯◯部長のリーダーシップのおかげで、これまで多くの成果を上げることができました。今後もご指導のもと、さらなる成長を目指してまいります」といった内容が適している。
具体的な実績や上司とのエピソードを交え、感謝の気持ちを具体的に伝えることで、上司との信頼関係をより強固なものにすることができる。適切なお祝いの言葉は、上司に対する敬意を示すとともに、自身の意欲や姿勢をアピールする機会にもなるだろう。
取引先など社外へのお祝い
取引先や社外の関係者が役職に就任した際には、ビジネスパートナーとしての関係性を強化する絶好の機会だ。「この度のご昇進、誠におめでとうございます。これまでのご尽力とご指導に感謝するとともに、今後ますますのご活躍をお祈り申し上げます。引き続き、貴社との協力関係を深め、共に事業を発展させていければと存じます」といった内容が好印象を与える。
具体的に、これまでの取引を通じて得た信頼や成果を言及しつつ、今後の連携に向けた意欲を表明することで、相手との絆をさらに強めることができる。お祝いの言葉に真心を込めることで、相手に対する敬意と信頼を示し、長期的なパートナーシップの構築を目指そう。
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文/編集部