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説明できる?「ご鞭撻」の意味と正しい使い方

2020.11.25

『ご鞭撻』はビジネスシーンをはじめ、重要な場面で使うことが多い表現です。使い方を誤ると、相手に不快感を与え、今後の関係に悪影響を及ぼすことも考えられます。正しく使いこなすためにも、言葉の意味を理解しておきましょう。

鞭撻の本当の意味とは?

鞭撻は、『ご鞭撻』などの表現でよく使われます。では、どのような意味合いを持つ言葉なのでしょうか。ここでは鞭撻の意味について解説します。

強く励ます、懲らしめるという意味

『鞭撻』という言葉が持つ本来の意味は、『鞭(むち)で打つこと』です。そこから転じて、『強く励ます』または『懲らしめる』などの行動を表す意味として使われるようになりました。

現在は懲らしめるという意味で使われる機会は少なく、『努力するよう励ます』という意味で使われています。

「御」が付くことにより目上の人に使える単語に

鞭撻は、基本的には目上の人が下の人に対して使う言葉です。この言葉に『御(ご)』を付けることで、自分より目上の人に対して使える言葉になります。

御は、尊敬や敬意を表す言葉で、主に『接頭語』として単語の頭に付ける言葉です。「ご両親」「ご先導」「ご案内」のように使い、その単語を表す対象に尊敬や丁寧さを加えます。御を付けることにより、目上の人が使う鞭撻が、目上の人に対して使える単語に変化するのです。

誤用のケースで多いのが、敬意の対象が不適切な使い方です。この言葉を使うときは、くれぐれも『敬意の方向』に注意しましょう。意味を正しく理解しておけば、敬意の対象も分かりやすくなります。

よく使われる慣用句「ご指導ご鞭撻」

鞭撻は単一で使うよりも、『ご指導』とセットで使われることが多い言葉です。ここでは『ご指導ご鞭撻』の意味と、よく使われるシーンについて解説します。

指導は教え導くを意味

『指導』は、教え導くという意味です。鞭撻と組み合わせた『ご指導ご鞭撻』になると、目上の人に対する『叱咤激励してほしい』『厳しく、指導してほしい』という願いを表します。

鞭撻だけでは指導の意味が含まれていないため、単体で使われることはあまりありません。

「若輩者」と合わせて使うのが一般的

『ご指導ご鞭撻』は、自分を『若輩者』として謙遜表現で使うのが一般的です。「若輩者ではありますが」と前置き、「ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします」とお願いする形が好ましいでしょう。

ビジネスシーンで使えば、『今は未熟でも、努力を重ねて役に立ちたい』といった熱意が伝わります。ただし、使う相手によっては、皮肉や嫌味として受け取られることもあるので注意しましょう。自分より若い相手、もしくは地位が低い相手に対して使うことは誤解を招きます。

文書やスピーチの結びで使用

『ご指導ご鞭撻』は、日常会話ではあまり使われません。メールや文書のやりとり、スピーチなどで使われる言葉です。

書き言葉としては、メールや文書の文末などに差し入れて使います。今後の指導をお願いするような場面が適していますので、日常的なやりとりではなく、かしこまった挨拶文などに使用するのがベターです。

話し言葉で使う場合は、結婚式のスピーチなどが向いています。『未熟で周りに迷惑を掛けるかもしれないが、温かい目で見守ってほしい』という意味を込めて、挨拶の最後に使うのが一般的です。

くれぐれも、日常的会話や通常の連絡メールなどで『ご指導ご鞭撻』を使わないように注意しましょう。例えば、取引先へのメールに「何か問題などございましたら、ご指導ご鞭撻をお願いいたします」と使用するのは不適切です。この場合はご指導ご鞭撻ではなく、「ご指摘ください」や「お申し付けください」などと表現します。

ご鞭撻を使う相手と正しい使い方

ご鞭撻を使うときは、使う相手にも注意しましょう。尊敬の意味を込めた言葉なので、使い方次第では恥をかきかねません。ご鞭撻を使うときに注意したいことや、正しい使い方を解説します。

自分を主語にしない

ご鞭撻を使うときは、自分を主語にしないようにしましょう。鞭撻を振るうのは、自分ではなく相手です。主語を自分にしてしまうと、敬意の対象が自分になり、意味が通じません。場合によっては失礼に当たり、今後の関係にも影響を及ぼします。

部下を相手に使う場合は、『ご鞭撻』ではなく『厳しく指導する』などの表現が正解です。自分を主語にして「ご鞭撻を振るうので」などと表現しないように注意しましょう。

上司など身近な相手へ使う

『ご鞭撻』は、上司や目上の相手に対して使います。昇進や昇給の挨拶、転勤時や結婚式のスピーチであれば、身近で親しい人に対して使いましょう。親しくない関係の人に『指導』をお願いするのは、あまり現実的ではありません。

また、目上の人であっても、部下など『地位が下の人』に対しては使わないようにしましょう。部下に対してへりくだる意味となってしまいます。

取引先に若手を紹介する場合は、使っても大丈夫です。ただし、良好な関係を築けている相手に対して使うようにしましょう。「まだまだ未熟な部下ではありますが」と伝えることで、謙虚さも表現できます。

関係性が続くことを示唆

ご指導ご鞭撻は、『関係が続くこと』を前提に使う言葉です。転勤時や退職時など、別れのタイミングで使う言葉ではありません。

別れのタイミングでご鞭撻を使うと、『今後は会えないけれど、ご指導をお願いします』のような意味にとられ、おかしな表現となります。

そのため、ご鞭撻は相手と何らかのやりとりを必要とする、関係性が続く場合に使うことを覚えておきましょう。

例文と言い換え表現を紹介

ご鞭撻は、ビジネスシーンや結婚式など、重要なシーンで使われます。ここではご鞭撻を使った例文や、言い換えの表現について解説します。

ご鞭撻を用いた例文

ビジネスシーンでは、『ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします』とする定型文が、最も多い使われ方でしょう。新しい会社の入社日や異動日の挨拶、結婚式のスピーチでも使える表現です。『ご指導ご鞭撻』の前には、『今後とも』『これからも』『なにとぞ』と付け加えます。

既知の間柄の人に対しては、「これまでと変わりなく、ご指導ご鞭撻ください」のように使います。

新しい取引先などに対しては、かしこまった表現や、より丁寧な表現が適切です。「ご指導ご鞭撻を賜りますよう、お願い申し上げます」のように、『賜る』『申し上げる』などを付け加えるとよいでしょう。

ご鞭撻を用いた定型文は多く、言葉の使い方自体はそれほど難しくありません。『誰に敬意を払うのか』をポイントに、誤用バターンにだけ注意をしましょう。主語や目的語を意識して使い分ければ、誤用を避けられるはずです。

言い換え表現をチェック

ご指導ご鞭撻はビジネスシーンで使うことが多いので、言い換え表現も使えると便利です。ただし、言葉選びによっては『細かいニュアンス』が異なるため、違いについても正しく知っておく必要があります。

言い換え表現としてよく知られる『お導きください』は、ご鞭撻にある『厳しく』というニュアンスを含みません。しかし、誤用しにくい表現なので使いやすいです。少しくだけた『ご指導ください』でも問題ありません。

『ご指南』も指導と同じく、教え導くという意味があります。具体的なノウハウや技術に対して使う表現なので、教えてもらう内容がない場合には使いません。

『ご教授』は、専門性の高い高度な知識に対して使います。そのため、相手が教授や講師などの『教える立場にある人』に限定した表現です。

『教える』よりも『応援する』というニュアンスを強くしたい場合は、『ご支援ください』が向いています。ただし、本当に支援が必要なときに使う表現ではなく、形式上の結びの挨拶として使うことが多いでしょう。

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