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知られざるエピソードと共に振り返るサッカー日本代表の軌跡

2022.12.12

日本屈指のジョーカーが残した1ミリ

●1ミリ賞…三笘薫

2021年11月の最終予選・オマーン戦(マスカット)でA代表デビューした時から「戦術・三笘」と位置づけられ、切れ味鋭いドリブル突破で敵をキリキリ舞いさせてきた三笘。今年3月の最終予選大一番・オーストラリア戦(シドニー)でも終盤登場し、2ゴールをゲット。7大会連続W杯切符をもたらした。

まさに「日本屈指のジョーカー」と言える男は、カタールW杯でも異彩を放ち続けた。ドイツ戦では堂安の同点弾につながる精度の高いパスを南野拓実(モナコ)に供給。これが起点となって日本の反撃が始まった。

そして特筆すべきなのが、スペイン戦の田中碧の2点目につながるボールへの反応だ。ゴールラインを割るか割らないかスレスレのところで追いつき、折り返したボールを背番号17が詰め、日本は無敵艦隊を打ち破ることになった。三笘がライン上に1ミリ残したプレーがなければ、ラウンド16行きはなかった。「1ミリ賞」は大きな意味を持つのだ。

だからこそ、本人は誰よりもベスト8の壁を破りたかったに違いない。クロアチア戦でも流れを変える大仕事を期待されたが、老獪な前回準優勝国は彼の特徴を徹底分析し、対策を講じてきた。流れの中で仕事をさせてもらえなかった部分、彼はPK戦で責任を果たそうと2番手で登場したが、まさかの失敗。結局、8強進出はならず、三笘は取材陣の前で号泣した。

「代表でチームを勝たせる存在にならないといけない。W杯で活躍できる選手、ベスト8に導ける選手がいい選手。それを4年間もう一回、目指そうと思っています」という決意を必ず2026年W杯で結実させてほしい。

4年後にはエースになってほしい三笘(筆者撮影)

●盛り上げ賞…長友佑都

 2010年南アフリカ、2014年ブラジル、2018年ロシアと3度W杯に出て、ベスト16も2回経験した長友。36歳になった彼は日本をベスト8に押し上げるためならどんなでことでもやると覚悟して今大会にのぞんでいた。

 出発時にヘアスタイルを隠すためにハットをかぶり、11月11日の現地初練習時に前回と同じ金髪姿で登場。報道陣をあっと言わせただけでなく、ドイツ戦前日に赤髪にチェンジして気合を入れたことを見ても、その心意気がよく分かる。

「日の丸の赤っていうところと、あとは僕の情熱とチームメートみんなの情熱、燃え盛る思いというものを表現したんですけどね。何人かに何色がいいかって聞いたら、結構、赤っていう意見が出ていて、自分も赤だなと思っていたんですけど、そういう意見が出ていたんで。やっぱり彼らのW杯に対する思いは燃えたぎっているんだなと。だいぶ濃くしていますよ」と本人も目をぎらつかせながら語っていた。

 それだけではない。毎日の練習でも久保建英(レアル・ソシエダ)や鎌田大地(フランクフルト)を盛り上げ、自分が道化になってもいいからチームに勝てる雰囲気を作りたいと全力でアクションを起こし続けた。「ブラボー」「コラージョ」という流行語大賞になりそうな言葉のチョイスもナイスだった。そこまでやった36歳の代表選手は日本サッカー史をひも解いても過去にない。日本最多のW杯15試合出場という偉大な記録を作った長友に「盛り上げ賞」を授与したい。

長友・吉田の頑張りには敬意を評したい(筆者撮影)

南野には流した涙をムダにしてほしくない(筆者撮影)

●号泣賞…南野拓実

 クロアチアに敗れて悲願の8強への道が断たれた瞬間、多くの面々が涙を流したが、ピッチに突っ伏して微動だにできなかったのが、PK1番手に名乗りを挙げながら失敗した背番号10・南野拓実だった。

「ホント悔しいのと自分に対しての怒り。励ましてくれるチームメートの言葉が痛いというか、申し訳ないなと。前を向くことができなかったですね。間違いなく自分が生きてきた中で最悪の日だった。難しいですね…」と南野は自分を責め続けた。

 森保ジャパン最多出場・最多ゴールと4年間コンスタントに活躍してきた男にとって、今大会は不完全燃焼感が色濃く残る形になった。目に見える大仕事はドイツ戦の堂安の先制弾アシストだけで、スペイン戦は出番なし。コスタリカ戦とクロアチア戦は終盤ピッチに送り出されたものの、仕事らしい仕事ができなかった。だからこそ、PK戦では自分が1番に歩み出てチームを救いたいと考えたのだろう。その責任感の強さが南野らしい。

「絶対に4年後のW杯でリベンジしたいし、レベルアップしてこの場に戻ってきたい。モナコもいいチームですけど、欧州CLで決勝トーナメントに残るレベルのチームにまたチャレンジできるように頑張っていきたいと思ってます」と本人も新たな決意を口にした。人目をはばからず流した大粒の涙が次への糧になることを祈って「号泣賞」を贈りたい。

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