★今日のうんちく 〜旨み〜
今回の料理では、肉の旨みを閉じ込めて〜、という工程がありました。では、「旨み」とは一体なんなのか?そのあたりに注目してみたいと思います。“旨み”というのは、5大基本味のひとつで、「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」「旨味」なんですが、この5つの中で、「旨味」だけが味覚としてハッキリと分からない物なんですよね。言うなれば、“深い味わいや、コクがある”と感じるものが「旨味」なんですが、やっぱりどうしても感覚的なもので、なかなか説明が難しい所ではありますね。
旨み成分として代表なのが、「グルタミン酸」「グアニル酸」「コハク酸」があり、これらが多く含まれた食材には「旨味」が感じられるのですが、具体的な食材だと、昆布、鰹、シイタケ、貝などで、だし汁によく使われる食材達が、多く旨味を含んでいます。という事から、料理というものは、この「旨味」をベースにした上に味を乗せているものばかりなんだと言うのがよく分かりますね。
この「旨味」という味覚、実は後から追加された味覚なんです。西洋では古くから、「旨味」を除いた4つの味覚で味を表現していたのですが、20世紀始めに1人の日本人が「旨味」の成分を発見し、今や世界的に認められて5大基本味と認識されるまでになったんです。
さらには、21世紀に入ってから、今度はアメリカで「カルシウム味」なる物が発見されて今話題を集めているようです。これが加われば、6大味覚という事になるようですが、現時点での研究では、ネズミや鳥にしか味の認識が出来ないのだそうですね。やはり我々人間としては、カルシウム味と言われても、…う〜ん、難しい所です。なんとなく分かるような気もするんですが、それよりも、あんまり美味しそうな味のイメージしないところが辛いんですよね(笑)
文/ 藤田晋也