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職場でいつの間にか損をしている人の処方箋

2021.05.11

■連載/あるあるビジネス処方箋

今回はこんな人にぜひ、お伝えしたくて書いてみたい。例えば、職場でいつの間にか損をする。懸命に仕事をするのだが、気がつくと不利な立場に追いやられる。

3ヵ月前にリーダーシップを研究する学者にインタビュー取材をした。その時の発言の一部を紹介したい。深い意味を持つ指摘だと思う。ぜひ、お読みいただきたい。他のメディアで紹介したことをご了承いただきたい。

私の質問は、以下の通り。

「部下が失敗を恐れることなく、トライアルができる安心感を職場に植え付けるためには、どうしたらよいのですか?」

学者の回答は、以下の通り。


「そのような心理的安全性を職場に根付かせる場合、業績向上については一時期的に目をつぶることが必要かもしれません。一方で、例えばリーダーが「失敗をたくさんしていいが、業績を上げて来い」と指示をしているならば、無茶があるでしょうね。

心理的安全性がフォロワー(部下たち)の意識に浸透すると、ある意味でのわがままを職場で受け入れなければいけない場合があります。自由に意見が言えるのと同時に、自分の事情を通そうとする人も増えてくるのです。

例えば、部署全体の仕事が忙しい日に「家庭の事情があり、午前3時に退社したい」と申し出る人がいるとします。それを受け入れ、その人の仕事を引き受ける人が現れるようになるのです。中には、一手に引き受けざるを得なくなる場合もあります。お人よしで、気の弱い人が大量に仕事を抱え込み、疲れてしまい、精神疾患になるケースもあります。

リーダーは、このような事態にならないように想像力を働かせないといけない。これまでの経験の中から、想像力を働かせ、どうしたらいいのかと解決策をたぐり寄せてくしかないのです。」


私が特に気になったのは、次のくだりだ。

「一手に引き受けざるを得なくなる場合もあります。お人よしで、気の弱い人が大量に仕事を抱え込み、疲れてしまい、精神疾患になるケースもあります。」

新聞やテレビ、ネットニュースでうつ病など精神疾患になるケースが報じられる場合、定番と言える報じ方がある。例えば、「成果主義のもと、ノルマが厳しく、精神的に滅入り…」「会社の労働時間の管理がずさんで残業が増え、心身が疲れ…」などだ。

私は、この報道とは異なる立場だ。取材を通じての観察では、うつ病など精神疾患になる社員が現れる部署では部署全体の仕事は比較的スムーズに進んでいるケースが多い。労働時間の管理もできている。人間関係もおおむねよく、上司と部下とのあつれきは少ない。世間相場するからすると「いい職場」の場合が大半だ。

実は、それは特定の人の犠牲に上に成り立っている可能性がある。ところが、その人への配慮や敬意が払われない。学者が指摘するところの、一部のわがままな人の声や意見、考えだけが認められる傾向がある。例えば、「育児があるから今日は早く帰る」「介護があるので、明日は休む」などだ。これらは就業規則や人事規定、部署のルール、上司の了解を得られているならば問題ない。

しかし、一定水準以上の会社員ならばさらに広く、深く考える必要がある。例えば、早く帰る人の仕事は何らかの形で他の社員にまわされていないだろうか。そこに部署全体や当事者、関係者の合意が本当にあるのか。特定の人に「あなたは仕事ができるから」などとまかせることはあってはならない。そうでないと、公平で民主的な職場とは言わない。

また、通常は他人の仕事を請け負うのは上司であり、管理職である。そのために、管理職手当を受け取っている。一般職に請け負わせるならば、上司はその社員に丁寧な説明と負担をかけることへのお詫びが必要になる。少なくとも低姿勢でお願いをするべきだ。

前述の学者のこの言葉で終えたい。

「リーダーは、このような事態にならないように想像力を働かせないといけない。」

読者諸氏の上司に、この想像力はあるだろうか。私の観察では、こういう管理職は少ないように見える。

文/吉田典史

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