メールや手紙で使う際の注意点
「ありがとうございます」という言葉をメールや手紙など、文章に書いて使用する場合、どのようなことに注意すればよいのでしょうか?マナー違反や文章の間違いにならないよう、気を付けたいポイントを紹介します。
漢字では「有り難う」と表記
メールや手紙を書く時、漢字にするかひらがなにするか迷う人がいるかもしれません。一般的には、『ありがとう』は、ひらがなで書くことが多い単語です。漢字で書く場合は、もとの形容詞の『有り難い』と同様に、『有り難う』という表記になります。
『ありがとう』を書き文字にする場合は、漢字でもひらがなでも誤りではありません。シチュエーションに応じて使い分けましょう。
「御座います」は誤用
『ございます』という言葉を漢字で書くと、『御座います』という表記になります。しかし、「ありがとうございます」という言葉には、この表記を使わないよう注意が必要です。
実は、『ございます』には、二つの使い方があります。まず一つは『ある』という動詞の丁寧語で、もう一つは『~である』という補助動詞の丁寧語です。動詞の丁寧語の意味で『ございます』を使用する時には、『御座います』という表記にしても問題ありません。
しかし、補助動詞として使用する際には、ひらがな表記にするのが正解です。「ありがとうございます」の場合は、補助動詞の意味で使われているため、『ございます』とひらがなで書くようにしましょう。
与えたい印象で配分を決める
「有り難うございます」と「ありがとうございます」では、読む人に与える印象が違ってきます。漢字を使用するか、ひらがなを使用するかは、相手に対して与えたい印象で決めましょう。
基本的に、漢字が多いとかっちりとした印象、ひらがなが多いとややくだけた・やわらかい印象になります。ビジネスメールのクライアント向けでは漢字を使い、親しい知人にはひらがなを使うなど、自分のルールで使い分けをするとよいでしょう。
その際は、「ありがとうございます」の前に付ける言葉の表記も含めて、考えるのがおすすめです。「誠に有り難うございます」「誠にありがとうございます」「まことにありがとうございます」の三つでは全て印象が変わるため、シチュエーションや相手によって選びましょう。
ビジネスシーンで使える例文を紹介
「ありがとうございます」をビジネスシーンで使う場合、どのような使い方があるのでしょうか?取引先など社外の場合と、上司へ送る場合に加え、お詫びの文章で使う時の例文を紹介しましょう。
取引のお礼を伝える場合
相手が取引先の場合は、次のような例が挙げられます。
- 新規のご契約をいただき、誠にありがとうございます
- 本日はお忙しいところ、貴重なお時間をいただき、ありがとうございます
- 遠いところご足労いただき、ありがとうございます
- 平素は格別のお引き立てを賜り、誠に有り難うございます
- 打合せ日程についてご調整いただき、ありがとうございます
このように具体的に感謝するポイントを明確にしておくことで、お礼の気持ちが伝わりやすくなります。また、漢字とひらがなの使い分けによって印象が変わる点にも注意して、どのような文章にするかを選びましょう。
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上司へ送る場合
上司に感謝の気持ちを伝える場合には、次のような例文が挙げられます。
- いつもお気遣いいただき、誠にありがとうございます
- 早速のご返信、ありがとうございます
- 資料についてご助言いただき、ありがとうございます
- ○○の件、ご教示いただき、ありがとうございます
日頃の気遣いや、仕事のサポートなどについて、このような例文を用いて感謝の気持ちを伝えていきましょう。
お詫びの文章で使う場合
「ありがとうございます」という言葉は、お詫びの文章を送る際にも使うケースがあります。例えば自社の製品に対してクレームがあり、お詫びする必要がある場合、単に謝罪の言葉を述べるだけでなく、次のような文章で感謝を伝えることも大切です。
- ○○の件、お問い合わせいただき、ありがとうございます
- この度は弊社のサービスについて貴重なご意見を賜りまして、誠にありがとうございます
- お忙しいところご連絡をいただきまして、ありがとうございます
- 平素より弊社の製品をご利用いただき、誠にありがとうございます
このように、意見をもらったことや問い合わせをもらったこと、そして日頃から自社の製品を使ってもらっていることに対するお礼を伝えましょう。
英語で丁寧な感謝を表現するには?
感謝を英語で伝えたい場合、「Thank youだけでは足りないのではないか」と迷うこともあるでしょう。そんな時は、どんな表現を使うとより丁寧に聞こえるのか、最後に英語表現を解説していきます。
■appreciate
「appreciate」は感謝を意味する英単語。動詞として使うことができます。
「Thank you」はカジュアルな表現ですが、「appreciate」を使うとより丁寧な印象を与えることができるので使ってみましょう。
【例文】
I really appreciate your kindness.(あなたの親切に本当に感謝しています)
I appreciate your help.(あなたの助けに感謝します)
■grateful
「grateful」も感謝するという意味を持ちます。以下の例文のように使ってみましょう。
【例文】
I am grateful for a hand.(手助けに感謝いたします)
I’m grateful.(私は感謝しています)
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構成/編集部