ライフスタイルの変化により自宅で過ごす時間が増えたいま、新しい趣味を探している方も多いことでしょう。エレキギターは年齢を問わず気軽に始められる上に、エフェクターなどを使って音作りができたり、探求心がくすぐられるのでおすすめです。今回は、これからエレキギターを始める方に向けて、選び方やおすすめ製品を紹介します。
ギターを選ぶポイントとは? 初心者が知っておきたいエレキの選び方
ギター選びのポイントは、ルックスや演奏性、音色、予算など。重視するポイントは人それぞれですが、実はプロでもルックスが最も大切という方は多いです。お気に入りのギターを選ぶことでモチベーションがアップして、より練習に励むことができるからです。同様の理由で、好きなギタリストと同じタイプを選ぶのも良いでしょう。
エレキギターの主な種類
エレキギターは、ボディに内蔵したピックアップという装置で弦の振動を電気信号に変換し、ケーブルを通してアンプに送り、アンプで信号を増幅してスピーカーから音を出すという仕組み。そしてエレキの種類は、ボディの形状やピックアップの構成(種類や数)で分かれています。
なお、ピックアップの主な種類は、歯切れのいい音で幅広いジャンルに合う「シングルコイル」と、温かくパワフルなサウンドの「ハムバッカー(ハムバッキング)」があります。
【エレキギターの種類】フェンダーが生んだ王道エレキ「ストラトキャスター」
エレキギターの王道といえば、フェンダー社が生み出した「ストラトキャスター」です。
通常、3基のシングルコイルピックアップと、ピックアップの組み合わせが切り替えられる5種類のレバースイッチを搭載しているので、幅広い音色を実現し、どのジャンルにも合います。また、アームバーで音程を変化させるシンクロナイズドトレモロも装備しています。
【エレキギターの種類】ギブソン社が生み出した骨太サウンドの「レスポール」
ギブソン社が開発した「レスポール」(左)は、ストラトと並ぶエレキの王道。ハムバッカーを搭載した重厚かつ骨太なサウンドはロックにピッタリです。
なお、ダブルカッタウェイの「SG」(右)もレスポールの仲間。レスポールは音がパワフルなぶん重量ありますが、SGはレスポールより軽量で高音の抜けが良いです。
【エレキギターの種類】ボーカリストにおすすめの「テレキャスター」
ストラトと同じく、フェンダー社が生み出した「テレキャスター」。2基のシングルコイルを装備したシンプルな構造で、硬質で歯切れの良いサウンドが魅力です。
コードバッキングと相性が良いため、バンドのボーカル&ギターで愛用している人が多いです。
【エレキギターの種類】個性的なサウンドが魅力の「ジャズマスター」「ムスタング」
ジャズマスターやムスタングは、ピックアップセレクター以外にも音色を切り替えるスイッチを装備しています。ほかのタイプと比べると使いこなすのが大変かもしれませんが、そのぶん個性的なサウンドが魅力です。
「ジャズマスター」(画像)は太く甘い音色が特徴で、兄弟機種に「ジャガー」があります。「ムスタング」はショートスケールのため弾きやすく、初心者や女性にも人気。
【参考】Fender「MADE IN JAPAN TRADITIONAL 60S JAZZMASTER」
【エレキギターの種類】渋めのオトナギターを求めるなら「セミアコ」
セミアコースティックギター(セミアコ)は、ボディの一部が空洞になっていて、生音感のある低音域と渋い音色が魅力。
ジャズ、フュージョン系、ロックなど、幅広いジャンルで用いられます。
【エレキギターの種類】目立ちたい人におすすめの「変型ギター」
定番スタイルとは一線を画すボディ形状のギターを「変型ギター」と呼びます。
座ると弾きにくいという難点がありますが、圧倒的に個性あふれるデザインが人気で、プロでも愛用者は多いです。
“良いエレキギター”は値段に比例する?
ギターの値段は様々で、中には何十万・何百万円もする機種があります。値段が高いギターは良い木材を使っていたり、機能性が優れていたり、職人が手作業で作り上げているなど、それ相応の魅力があります。
かつて1万円前後の安いギターは質が良くないといわれていましたが、昨今では低価格でも質の良い機種も増えています。安かろう悪かろうとは一概にはいえないため、信頼できるメーカーの製品を選んだり、インターネットで口コミを確認してみましょう。
軽い、弦が押さえやすい、持ちやすい……エレキギター初心者には弾きやすいギターがおすすめ!
長く楽しく続けるために、はじめの1本は弾きやすいギターを選ぶことが大切です。弾きやすさのポイントとなるのは、以下の項目。
■フィット感……コンター加工やカッタウェイなど、弾きやすくするためボディが加工されていることも。
■重量……重いギターは長時間弾くと疲れてしまうので注意。
■スケール(長さ)……スケールが短いと、弦が押さえやすい一方で音のコシは弱くなる傾向に。
■ネックの握り心地……形状、厚み、手触り(塗装)などは要確認。
■弦高……弦とフレットの隙間。弦高が低いと弦が押さえやすくなるぶん音のコシは弱くなる。
■ブリッジのタイプ……チューニングのしやすさに影響。
■フレット数……テクニカル系の曲を弾きたい場合、フレット数が多くハイポジションが弾きやすいギターがおすすめ。
エレキギターがすぐに始められる! ビギナーには「初心者セット」もおすすめ
初心者セット(入門セット)は、ギターを弾くために必要なアイテムが一式揃ったセットです。
セットごとに内容は異なりますが、チューナー/ピック/弦/ストリングワインダー/手入れ用品/ギタースタンド/ギターケース/ストラップ/ギターアンプ/シールドケーブル/入門用教本などが付属します。
なおエレキギターを購入する際は、なるべくアンプとケーブルも一緒に購入しましょう。
中古のエレキギターは初心者にもおすすめ?
「欲しいギターがあるけど予算が足りない……」という方は、中古製品も検討してみましょう。ギターは弾き込むほど音が良くなるといわれているため、中古品には新品とは一味違う魅力があります。
ただし、前の所有者によって改造されていたり、弾き傷がついていることも。状態に問題がないか、実物を自分の目で確認したほうが安心です。
Amazonなどのインターネット通販でエレキギターを買う時の注意点
近年はインターネット通販でギターを購入する人も多いですが、ビギナーの方が通販を利用する場合は注意が必要です。
デザインや音の傾向はサイトに記載されている情報で判断がつくものの、“弾きやすさ”は実際にギターを抱え、ネックを握ってみないとなかなか判別しにくいです。できれば実際にギターに触れて、自分に合うかどうか確認したほうが良いでしょう。
初心者におすすめのエレキギター紹介
続いて、ビギナーにおすすめのエレキギターを紹介します。以下の記事もぜひ参考にしてください。
【参考】弾けたらかっこいい!王道ブランドからお手頃価格まで初心者におすすめのエレキギター19選
初心者におすすめのアコースティックギターとエレキギターのブランドは?
【初心者におすすめのエレキギター】オールマイティに使えるFender「PLAYER STRATOCASTER」
フェンダーのストラトキャスターは、エレキギターの王道。どのジャンルでも活躍します。そして今回おすすめするのは、お手頃価格で購入できる「PLAYER STRATOCASTER」です。
伝統を守るだけでなく、時代に合わせてアップデートを続けているのがフェンダーが長年愛されている理由でしょう。「PLAYER STRATOCASTER」の場合、クラシカルなサウンドを踏襲しつつも、現代の音楽シーンに合わせたエッジを効かせたトーンが魅力。リア側(ブリッジ側)のピックアップにもトーンコントロールを追加しているため、より細かなサウンドコントロールが可能です。
なお、フェンダーのギターでは予算をオーバーしてしまう……という方は、兄弟ブランド「Squier」をチェックしてください。ほとんどのギターが6万円以下で購入できます。
【参考】Squier公式サイト
【初心者におすすめのエレキギター】5万円以下で購入できるハムバッカータイプのピックアップ搭載モデル! Yamaha(ヤマハ)REVSTAR「RS320」
カスタムモーターバイク「カフェレーサー」から着想を得たREVSTARシリーズは、個性的かつ洗練されたデザインで人気があります。
REVSTARはサウンドにもこだわっていて、モデルごとに異なるピックアップを搭載しています。画像上の「RS320」が搭載しているYGD HH3ハムバッカーピックアップは、音抜けが良く明るいハイゲインサウンドが特徴。握りやすい薄めのネックを採用しているため、ビギナーでも弾きやすいです。セットネックながら4万6000 円(税抜き/希望小売価格)というお手頃な価格も魅力。
【参考】ヤマハ公式サイト製品詳細ページ
【初心者におすすめのエレキギター】伝統のサウンドが10万円以下で手に入る! Fender「MADE IN JAPAN TRADITIONAL 60S TELECASTER」
フェンダーの美学と日本の洗練されたクラフトマンシップを融合したのが、Made in Japan Traditionalシリーズです。
「Made in Japan Traditional 60s Telecaster」はスペックにこだわることで、ヴィンテージトーンと伝統的な演奏性を受け継いだ1本。ただし、ナット幅を細めに設計するなど、日本人プレイヤーでも弾きやすい仕様になっています。
【初心者におすすめのエレキギター】コスパ重視の人におすすめ! Yamaha(ヤマハ)のPacifica(パシフィカ)
パシフィカには大きく分けて4シリーズあり、それぞれデザインやピックアップの構成などに違いがあります。今回紹介する「PACIFICA112V」は、木材含め優れたスペックと機能性がありながら、なんと3万6000円(税抜き/希望小売価格)で手に入ります。
「PACIFICA112V」は、バンドの中でも埋もれることなくクリアで音抜けの良いアルニコVマグネットを採用したピックアップを搭載。ピックアップの構成はシングルコイル2基とハムバッカー1基です。また、ハムバッカーはコイルタップ機能(トーン調整ツマミのスイッチにより、ハムとシングルの切り替えが瞬時に行える機能)を装備しているため、幅広いサウンドを奏でることができます。
【参考】ヤマハ公式サイト製品詳細ページ
※データは2020年9月中旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。
文/bommiy