角が立たない「ドタキャン」の言い訳のしかたとマナー

どうしてもドタキャンをしなければならない場合、相手に負担を掛けない言い訳を考えることが大切です。どのような言い訳であれば、今後の関係に影響を与えることなく断れるでしょうか？ドタキャンの定義や、その後の心遣いについても紹介します。

どのタイミングからドタキャンになる？

急に予定をキャンセルすることを『ドタキャン』といいますが、どのくらいのタイミングからがドタキャンなのでしょうか？ドタキャンをどう捉えるかは、相手次第です。そこで、一般的なドタキャンのタイミングについて知りましょう。

当日キャンセルが一般的

約束をしていた当日にキャンセルの連絡をすると、一般的に『ドタキャン』といわれます。当日になってキャンセルされたら、ほとんどの人がドタキャンと感じるのです。

例えば、夜の予定を朝一番に「キャンセルしたい」と連絡をしても、当日の連絡であるため、ドタキャンだと受け取られてしまいます。待ち合わせの直前に連絡するケースでは、相手を怒らせてしまう可能性も否めません。

不測の事態で、急きょ予定を変更しなければならないケースもあるでしょう。しかし、相手も当日に向けて準備を進めているはずなので、「怒られても仕方がない」「申し訳ない」という気持ちを伝えることが大切です。

数日前からドタキャンと考える人も

2～3日前に余裕を持ってキャンセルの連絡をしても、ドタキャンされたと感じる人もいます。

自分では余裕を持って連絡したと思っていても、相手が同じだとは限りません。相手の気持ちに寄り添った誠意ある対応をしなければ、余計に怒らせてしまうこともあります。

旅行や結婚式、人気店の予定などは、数カ月前から決めていることが多いでしょう。忙しい合間を縫って決めたスケジュールの場合は、1週間前に連絡をしても「遅過ぎる」と考える人もいるのです。

キャンセル料が発生したり、代わりの人を探したりと、さまざまな手間や費用負担がある場合は、特に誠実な対応が求められます。

気まずくならないためにできることは？

楽しみにしていた約束を一方的に断ることで、『信用できない人』と思われてしまうかもしれません。せっかくの予定をドタキャンすると、「ないがしろにされている」と感じる人もいます。

このような印象を相手に与えることで、気まずい関係になってしまうことがあります。気まずい関係にならないために、できることはあるのでしょうか？

理由をきちんと伝える

まずやるべきことは、ドタキャンの『理由を伝える』ことです。理由を言わないまま「とにかく行けなくなってしまった」と伝えるだけでは、相手は納得できないでしょう。

関係性やこれまでの経緯によっては、「面倒くさくなったからドタキャンしただけだろう」と思われてしまうかもしれません。

ドタキャンにもやむを得ない理由があることもあります。そのようなときは、きちんと相手に理由を説明することで、納得してもらえるはずです。「それなら仕方がない」と感じてもらえれば、今後の関係が気まずくなることもないでしょう。

直接伝えるのがベター

ドタキャンの連絡は直接だと伝えにくいものです。簡単にLINEで済ませてしまう人もいますが、それでは誠意が伝わりにくくなってしまいます。

せっかくの約束をダメにしてしまう『申し訳ない気持ち』や、楽しみにしていたのに『行けなくて残念な気持ち』を伝えるためにも、LINEではなく電話で連絡を取りましょう。

短時間でも会える時間が取れるなら、直接会って事情を説明するのもよい方法です。じかに伝えることで、相手に理解してもらいやすくなり、お互いに気まずさが残りにくくなります。

キャンセル料について確認する

『キャンセル料』が発生する約束の場合は、その料金についても確認するとよいでしょう。旅行や飲食店などを予約をしている場合、キャンセル料が発生することがあります。

自分のドタキャンによる損害であると認め、「責任を持って支払う」と伝えれば、悪いと思っている気持ちが伝わるはずです。また、キャンセルの連絡やその他の手続きについても、「必要なことがあれば自分がする」という提案をしましょう。

加えて、埋め合わせについても自発的に言及するのがおすすめです。次の飲み会やランチでおごることを約束すれば、相手に納得してもらいやすくなるでしょう。

当日ドタキャンで使える言い訳

ドタキャンをするときに、何も理由を説明しないでいると、相手から不信感を抱かれることがあります。気まずい関係になり、その後誘ってもらえなくなることもあるかもしれません。

そのような事態を避けるためにも、きちんと説明できる『言い訳』を用意しておきましょう。ドタキャンしてしまうときに使いやすい、言い訳の例を紹介します。

王道の「体調不良」

『体調不良』はドタキャンしてしまうときの言い訳としてよく使われます。

本当に体調が悪いケースはもちろん、そこまで具合が悪いわけではないけれど「なんとなく体が重く行く気分になれない」というときにも使われる言い訳です。

もしもドタキャンの理由に体調不良を使うなら、約束の日には外出しない方がよいでしょう。具合が悪くてドタキャンをしたのに外出したのでは、万が一見つかったときに気まずい関係になるかもしれません。

仕事で外にいる場合にも、寄り道をせず真っすぐ自宅へ帰りましょう。

夜の予定に使いやすい「仕事の都合」

突然の残業が発生するケースは、仕事をしていればよくある話です。どのような業種や職種でも、多かれ少なかれそのような経験がある人が多いため、理由として納得してもらいやすいでしょう。

そのため、夜の予定をドタキャンするときに『仕事の都合』は使いやすい言い訳です。ただし、どのような内容で仕事が遅くなるのかによって、説得力がない場合もあります。

例えば、締め切りが特に設定されておらず明日でもできる仕事や、他の人でもできる仕事でドタキャンするという場合、相手に不愉快な思いをさせてしまうこともあるかもしれません。

相手次第で使える「予定を勘違いしたフリ」

約束の相手が親しい友人や恋人であれば、「今日だっけ？来週だと思ってた」と言い訳して、ドタキャンする方法もあります。

「すっかり勘違いしていて準備ができていないけれど、来週なら行ける」というように約束をスライドさせるのです。

ただし、この方法でドタキャンできるのは最初の1度きりと考えておきましょう。何度もやっていると、いつも約束を破る人という印象を与えてしまい、信頼関係が崩れてしまいかねません。

ドタキャンのこんな言い訳は絶対NG

ドタキャンをする際には、さまざまな言い訳や謝罪の方法があります。しかし、中には今後の関係に悪影響を与える、使ってはいけない言い訳もあります。使用NGの言い訳や謝罪方法として代表的なものを紹介します。

約束の時間後に連絡する

まず挙げられるのは『約束の時間を過ぎてからの連絡』です。ドタキャンするというだけでも相手に迷惑が掛かります。その上、約束の時間を過ぎてからの連絡では、相手を怒らせるためにやっているようなものです。

約束の時間を過ぎているということは、当然、相手は待ち合わせ場所にいるでしょう。もしかすると、連絡もなく時間に遅れているため、「途中で何かあったのかも」と心配をしているかもしれません。

そのようなタイミングでドタキャンの連絡をしてくる人と、今後も関係を続けていきたいと考える人はそういません。大切な友だちや恋人を失うことにつながる可能性もあるでしょう。

優先順位が低いことを匂わせる

先にしていた約束よりも、優先したい人やもののためにドタキャンする場合、それをストレートに言うと「ないがしろにされた」という気持ちを抱かせてしまう可能性があります。

例えば、「久しぶりに幼なじみと会えることになったから、今日の予定をキャンセルしたい」という言い訳の仕方は、正直ではあるものの、幼なじみよりも優先順位が低いからドタキャンしたいと言っていると、相手に捉えられます。

このようなドタキャンのされ方は、相手を傷つけることになり、関係性も壊してしまう可能性があります。

うそと分かる言い訳をする

明らかに『うそと分かる言い訳』も、してはいけません。毎回病気になったり、親戚や知人が亡くなったりしていると、待ち合わせの相手に「またか」と思われるでしょう。

信頼されなくなりますし、「どうせドタキャンされるなら誘わないでおこう」と思われる可能性もあります。次第に、友だち付き合いが希薄になり、一緒に楽しめる人が周りにいなくなるでしょう。

見え透いたうそをつくより、正直な気持ちを伝えた方がよいこともあります。例えば、疲れていてどうしても出掛ける気持ちにならないときには、そのことを伝えるのです。

ドタキャンをしてしまっても、状況を正直に伝えることで、角が立たずに関係を続けることが可能になります。

ドタキャンのデメリットは大きい

面倒くささからドタキャンしてしまう人もいるでしょう。しかし、ドタキャンはデメリットが大きいため、できるだけしない方が得策です。

相手に迷惑を掛け、傷つけることも

ドタキャンをすると相手に迷惑を掛けることは簡単に想像がつきます。せっかく空けてもらったスケジュールを無駄にさせてしまいますし、店を予約している場合にはキャンセルが必要なこともあるからです。

同時に、相手を『傷つける』こともあります。ドタキャンするくらい「嫌われているのかもしれない」と感じたり、「最初からドタキャンするつもりでいたのかもしれない」と傷つく人もいるでしょう。

1度のドタキャンが相手を傷つけ、信頼関係をマイナスにしてしまうこともあります。

アフターフォローを忘れずに

ドタキャンをする場合には、『アフターフォロー』といった心遣いを忘れないようにしましょう。急な予定変更を謝罪することや、楽しみにしていた気持ちを伝えることが大切です。

また、後日の埋め合わせをこちらから提案することで、相手との関係性をフォローします。埋め合わせのためにスケジュール調整をするときには、相手の都合に合わせましょう。

具体的な行動でアフターフォローができると、ドタキャンすることによって傷つけてしまった相手へ、誠意を伝えることができます。

構成／編集部