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メンタルコーチに聞く仕事がうまくいかない時に意識すべきこと

2020.09.21

■連載/あるあるビジネス処方箋

今回は、メンタルトレーニングの研究・指導で知られる西田文郎(ふみお)さんを取材する。西田さんが唱える「脳のコントロール」はビジネスの現場でも大いに役立つので、紹介したい。

西田さんは、経営者や会社員、プロ野球やサッカー、ゴルフなどのスポーツ選手、教育者の能力開発指導に長年たずさわってきた。大脳生理学と心理学を利用することで脳の機能にアプローチし、育成する手法(SBTスーパーブレイントレーニング)はよく知られる。現在は、株式会社サンリの会長として、経営者のための「西田塾」を主宰し、全国各地での講演を続ける一方、ベストセラー「ツキの大原則」(現代書林)などを書き著す。

事態を打開するヒントやアイデアは、考えたところで生まれない

私がメンタルトレーニングの研究・指導で関わる経営者や役員、管理職やスポーツ選手を観察していると、大きな成功をする人の多くは仕事上の失敗やミスについて反省しません。口ではそれらしいことを言ったとしても、本音はそうでないように見えます。

反省ばかりをしていると、脳は「自分はダメなんだ」と思い込むものです。本当にマイナス思考になり、さらに考え込む。そして自信を無くし、やる気を失い、打開に向けてますます行動をしなくなる。悪循環に陥るのです。管理職が会議で「反省すれば能力が向上する」と言わんばかりに、部下に「あれは間違い」「これがいけなかった」と指摘し、委縮させることがあります。

ご本人は「指導」のつもりなのかもしれませんが、私にはツキのない職場にしか見えません。反省をしたいならば、調子のよい時にしたらいかがでしょうか。スランプに反省をしても、抜け出すことはできません。

たとえば、プロ野球の打撃にも同じことが言えます。スランプに陥った選手に私が勧めるのは2つです。1つは、行動し続けること。たとえば、黙々とバンバンと打ち込む。必要以上に打撃フォームや相手が投げてくる球について考えるべきではない。「来たボールを打つだけ」と思えるほどに、ひたすら打ち込む。もう1つは、楽しいひとときを過ごす。脳の中を不快から快に変える。その意味で「遊ぶのは、脳の教育」と言えます。

事態を打開するヒントやアイデアは、考えたところで生まれません。多くは行動から生まれます。「行動しまくり、その変化から生じる」とも言えるでしょう。良好なイメージがあるから、行動をとることができる。反省をすると、マイナスのイメージしか湧いてこないから、動けなくなります。

私が知るトップセールスの営業部員はスランプの時、「どうして契約が取れないのか」と自分を追い詰めません。むしろ、ここは無理だと思えば、すぐに次の会社へ向かいます。この行動力こそが、不調を抜け出すために必要なのです。反省をするならば、絶好調のときに脳がヒートアップする傾向がありますから、問題点や今後の課題を確認する意味で振り返ればよいのではないでしょうか。

大切なのは、脳を錯覚させること。前述のスランプを克服する選手やトップセールスの営業部員のように、よい錯覚をするように黙々と行動をすることが必要です。ところが、大多数の人は反省を繰り返し、動かないようになり、自分をどんどんと追い詰めていきます。

「プラス思考になるための言葉と動作」

脳を錯覚させるのは、脳の中のソフトを変えてしまうことです。たとえば、以前、女子ゴルフの中島千尋プロを指導する機会がありました。当時、2勝していたにも関わらず、スランプとなり、引退を考えたそうです。まじめな性格ですから、不調の時に深く反省し、悪い方向にどんどんと考え込んでしまっているようでした。私は「2勝もしてきたのだから、引退を考えるのはまだ早いでしょう?」と言いました。2勝する力があるのですから、あのまま引退するのはあまりにも惜しい。その後、指導を本格的にするようになり、復活し、大活躍しました。中島さんは、見事にクリアリングに成功したのです。

マイナス思考ややる気を失う場合も、「失敗した」「できない」と繰り返し思い、反省してしまうところから生じるのです。そのような時に備え、私が助言するのが、「プラス思考になるための言葉と動作」です。言葉はたとえば「自分はこんな弱い人間ではない」などで、自らを奮い立たせるものを日ごろから意識して使うようにします。毎日、何度も何度も口にするようにしてほしい。

動作は、脳を錯覚させます。たとえば、私の場合、親指や中指で「パチン」と音を立てる時があります。妻とケンカをした時などに気分を変えるためにするのです。妻の前ではさすがにしませんよ。若い頃、妻にそのことを言っていなかったのですが、ある時に「クリアリングのためにしているんだ」と話してしまいました。どうも、クセだと思っていたようですね。それ以降、「また、クリアリングしているのね」とからかわれることがあります。これで、48年間の結婚生活が続いてきました(笑)。

クリアリングは、脳を錯覚させること。キリスト教の信者が十字を切ったり、仏教徒が手を合わせたりするのも意味合いは、同じようなものと考えることができます。軍隊が軍人に敬礼を繰り返しさせるのも、似たような効果があります。これらは、ある意味で脳をコントロールしているのです。

私は講演で「他人に脳を洗脳されるのではなく、自分の意志で錯覚させましょう」とよく言います。会社員も「プラス思考になるための言葉と動作」をすることで、マイナス思考やマイナスイメージをできるだけ早く、1つずつ潰していくことが大切です。言葉や動作は、なんでも構いません。ご自身が好きで、勇気が湧いてくるものがよいでしょう。あえて、みんなの前で動作をする必要はありませんよ…(笑)。

苦しい時に、「プラス思考になるための言葉と動作」はたしかに難しいでしょう。誰もが失敗すれば、落ち込みます。つい、前向きな言葉を発するのができなくなります。だからこそ、ふだんから反復し、習慣にしておくのです。最後に私なりのメッセージをお伝えするのならば、反省するよりも、あなたの未来や夢を信じてほしい。必ず、希望はあります。成功する人は、いいイメージを持つから行動を取る。ただ、それだけの差なのです。どうか、あなたの脳を錯覚させてあげてください。

文/吉田典史

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