その日の運命を変えた調理時間15分!
例の宣言が解除される前日!
近所のスーパーに生活物資を買いに行った帰りのこと。
たしか1年くらい前に開店したけど、未だ入ったことのない居酒屋の前を通ると『テイクアウトできます』という大きな張り紙。
その時、なにかピンときたんだろうね。それまであまりテイクアウトをしたことはなかったのに、なぜかその店のテイクアウトは利用しなきゃいけない気がした。
メニューを見ると『イカプレス焼き(フル/580円)』なんてのがある。あ! これってイカをギュウギュウ押しつぶして焼くヤツじゃん。家じゃ作れないヤツじゃん。それはテイクアウトして消えで食べる価値あるなァ~と気付いた瞬間に、
「すいませ~ん!」
と頼んでいた。
普通、このご時世のテイクアウトというと、店の前に小さなテーブルかなんか出して、そこにできた料理並べて売ってる店が多いけど、その店『MD(仮名)』はちょっと違った。
厨房の道路に面した部分に大きな窓が開いてて、そこがカウンターのようになってる。で、そこで注文を受けてから調理するスタイルだった。
「すいません、できるまで15分くらいかかるんですけど」
店の主人らしき人から、道路に面したカウンター越しにそういわれ、一度家に戻ってから料理を取りに来ようかと一瞬思ったが、カウンターから覗けた店内を見て気分がグラグラっと変わった。
店内、何人かの客が酒呑んでるんだよね~。まだ午後4時くらいだったろうけど。ほら、この時期の飲食店の営業って8時までしか許されてないから、昼のランチもやって、そのまま通しで8時まで営業して、すこしでも営業時間を長くしたいっていう作戦なんでしょうね。
で、その店内の様子は? っていうと、カウンターは一人一人のスペースごとに隣客との間にビニールシートを垂らしてシールドみたいにしている。
かなりのコロナ対策を講じた店ですよ。で、そんなの見たら呑みたくもなるよォ! こちとらもう2カ月近く外で呑んでないからさ。
そろそろ経済も動かさないと、なんていわれだしてたし。でも店内で呑むと、店内の先客の皆様方の密を促進させちゃうもんなぁ~と思って、自分が今面しているカウンターを見てふと気付いた。
「ここで呑めるんじゃねェか?」