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コロナ禍真っ最中の発売だったのに、なぜ「ファンタ プレミアグレープ」は3か月で1900万本も売れたのか?

2020.06.13

2020年3月2日、コカ・コーラ社から新商品「ファンタ プレミアグレープ」が発売された。実はこの製品、コロナ禍に発売されたにもかかわらず売行きが好調だという。

そこで今回、同社の「ファンタ」ブランド担当者に製品の特徴やヒットの理由、開発秘話などについてオンラインインタビューでお話を伺った。

ファンタ プレミアグレープはこれまでのファンタと何が違うのか

日本コカ・コーラ株式会社 「ファンタ」ブランド担当 河野公紀さん

――ファンタ プレミアグレープの特徴やターゲット層について教えてください。今までのファンタとは何が違うのでしょうか?

ファンタ プレミアグレープは、「30~40代の大人世代に、もう一度ファンタを手に取ってほしい」という思いから生まれた製品です。若い方向けにはファンタグレープとオレンジを提供、棲み分けをしつつ、より幅広い層の人たちにファンタを手にとってもらいたいとの狙いがあり、普段と違う”リッチさ”を打ち出しました。ボトルは通常の500mlのものよりも小さめの380ml。それでいて従来のファンタよりも価格は高く、敢えてプレミアムな価格設定にしています。

もちろん、価格に見合うようしっかりと味わいにこだわっています。「味の厚み」を出すため、24時間以内に絞ったフレッシュな”すり潰しピューレ”を使用しているのがこの製品の最大の特長です。時間が経つとボトルの下にピューレが沈殿して、上としたで色が大きく変ってきます。

――大人向けのファンタということですが、消費者からすると従来のファンタは、やはり「若い人の飲み物」とのイメージが強いのでしょうか?大人になるとあまり飲まなくなる傾向に?

そうですね、やはりフルーツ炭酸は「子供向け」「若い人が飲むもの」という印象があり、年々30代以上の方の消費量は減少傾向にあります。その背景を受けて、「年齢層が高い方に再びフルーツ炭酸を手に取ってもらうために何かできないか」と考えていたんです。

一つ手掛かりになると思ったのが、10代の方々に比べると30代以上の層は「価値を認めたものに対しては少し割高でもお金を払う」という傾向が見られたこと。あとは、日々仕事でストレスを感じている時や「ちょっと疲れたな」という時に甘いものが欲しくなる時って、30代以上の方でもあると思うんです。子供だけじゃなくて大人にも「おやつタイム」があって、甘いものを飲んだり食べたりするタイミングがある。こういったシーンに向けたファンタの製品を作れないかということで開発を始めました。

――製品の構想はいつ頃からあったのでしょうか?

実は、構想は2016年から始まっていたんです。ちょうど「プレミアム」という商品が目立ち始めた時期でした。ファンタは歴史あるブランドですので、”守らなくてはいけない価値やルール“があります。それを崩さず「ファンタから出す”プレミアム”とはどのような製品なのか」を試行錯誤してきました。

翌2017年から実際の開発が始まり、その後2年近くかけて、味の開発やパッケージの開発、ターゲットの選定などを行い、試作品の数は60ほどに。かなり考え抜かれた製品です。発売まで長い道のりでした(笑)。

コロナ禍でも5月末時点で出荷本数1900万本を達成 その要因は?

――発売時期の2020年3月というと、日本でもコロナの影響が出始めてきた時期かと思います。それでも5月末時点までに1900万本を売り上げられたのは、どのような要因が考えられますか?

新型コロナウイルスの影響は少なからずありましたが好調に売り上げを維持できたのは、まず同製品が「プチ贅沢」をコンセプトにしていたことが考えられます。車を買ったり、高級なブランド品を買ったり、良いレストランで食事をしたりという「本当の贅沢」のニーズは昔から変わらずありますが、それに加えて「日々の生活の中でささやかな贅沢をしたい」というニーズが、ここ10年〜20年で継続的に高まっている傾向にあります。

仮説にはなるんですけれども、新型コロナウイルスによる社会的な不安を抱え、在宅勤務でストレスが溜まっている中、「ちょっとだけお金を出して、贅沢な気持ちを味わってリフレッシュしたい」というニーズがあったのではないでしょうか。「炭酸を飲んでリフレッシュしよう」といった気持ちの面でのニーズがあったのだと思います。

――たしかに、ずっと自宅にいると少しいいものを食べたい、飲みたいという気持ちになりますよね。偶発的なものかもしれませんが、その時期に発売開始したのも注目を集めた要素になっているのかもしれませんね。

そうですね。それと大前提ですが、純粋に「美味しい」と感じていただけたことと”新しさ”も要因かと思います。80%以上の方が「一度はファンタを口にしたことがある」とわかっているのですが、ファンタでありながら、今までと顔つきが違うような出で立ちで登場して「なんだろう?」と思わせる力があったのかなと。

その興味からトライアルしていただいて、味が美味しかったからリピートへ繋がった。実は飲料の新製品は、リピートがないと2~3週間で市場から無くなってしまうことも少なくありません。本当に私たちが毎年頑張って活動してきても、発売してから10週間以上残る製品ってなかなかで出てこないんです。在宅時の「プチ贅沢」と「確かな美味しさと新しさ」、このダブル効果が、好調な売れ行きを維持できた要因かもしれません。

――在宅でのプチ贅沢需要と美味しさ、新しさ。ターゲットにしっかりと届いたのですね。ちなみに、アレンジ方法などおすすめの飲み方はありますか?

やはり「そのまま飲んでいただく」のが一番美味しいと思います。回答になっていないかもしれませんが(笑)。

ボトルの下にピューレが溜まっていますので、一度ゆっくりひっくり返して、ピューレを全体に行き渡らせて飲んでみてください。あと、よりプレミア感を味わっていただくため、ワイングラスで飲んでいただくのも楽しみ方の一つです。

――貴重なお話、ありがとうございました。

【取材協力】

日本コカ・コーラ
マーケティング本部 炭酸カテゴリー フレーバー炭酸グループ シニアマネジャー
河野公紀さん

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