目次
定期的な健康診断は、健康を維持するため欠かせません。頻度で言えば、年1、2回の受診というパターンが多いとされますが、気になるのが費用負担です。会社員であれば会社負担ですが、自営業であれば自己負担が原則となります。過度に負担することがないよう費用の相場感や注意点を把握しておきましょう。
「健康診断に行ったら、受け付けから大行列」ではテンションが下がってしまいますよね。ストレスなく、スムーズな健診受診には待ち時間も考慮したスケジュールが大切です。...
健康診断にかかる費用相場
会社員であれば、健康診断にかかる費用は会社負担なので、オプション検査を申し込まない限り、あまり金銭的な部分を気にすることはないかもしれません。
一方で、自営業者は自己負担が原則となります。健診のコースによって、料金に開きがあり、『一般的な健診』の場合の相場はつかみづらい面もあります。まずは負担額の幅を確認しましょう。
費用は医療機関により異なる
健康診断にかかる費用は医療機関によって異なり、基本料金は5000~1万5000円で幅広く設定されています。また、受診者の年齢によって料金が変わることがあるので、事前の確認が必要です。
費用を低く抑えたいなら、必要な項目だけを検査する選択もあります。基本的に、身長、体重や血圧測定、胸部X(エックス)線、尿検査といった基本コースであれば、5000~6000円ほどで済ませられることが多いです。
ただし、自分の健康状態がどんな現状にあるかを、的確に把握するには基本項目だけでは検査が不足気味です。病気のリスクが低い若い世代であれば、懐事情との相談もありえますが、中高年世代に差し掛かってきたら自分の健康を把握するためにも、項目を増やして総チェックしておくことが大切です。
健診項目追加ごとに費用が発生
日常生活で違和感を感じる部位やここ半年から1年の間に何か気になる症状があれば、健康診断の項目を追加を検討したいところです。
医療機関によって追加できる項目やその金額は異なるので、対応可能な追加検査項目とその費用を勘案しながら、オプションの検査を組み立てていきましょう。
例えば、内臓脂肪CTなら6000円ほど、頭部MRIなら1万7000円ほどで追加できる場合が多いですが、個別に追加検査を申し込むよりも、総合的な健診をしてくれる人間ドックの方がトータルで安くなるケースもあるので、見比べて申し込むのがおすすめです。
健康診断と人間ドックの違いとは
健康診断と人間ドックは混同されがちですが、それぞれ違った特徴があるので解説します。
健康診断の特徴
まずは、健康診断の特徴は以下の通りです。
- 検査結果は送付されるだけのケースが多い
- 保健指導はないことが大半
- よくある病気をおおまかにチェックする
次に、人間ドックの特徴は以下の通りです。
人間ドックの特徴
- 医師による検査結果説明がある
- 結果に基づく保健指導体制が整っている
- 精密な検査をより多くの臓器に行う
以上のように、医師からの検査結果説明や受診後のフォローなどに違いがあります。人間ドックの方が病気の早期発見や早期治療につながることも多いので、金銭的、時間的な余裕があれば、人間ドックで総合的にチェックしてもらうことも検討しましょう。
健康診断の結果で表示される「再検査」「精密検査」「経過観察」の違いは?
会社員であれば年に1回は健康診断を受けられます。健康診断の結果は、数日~数週間後に届くのが一般的ですが、もし再検査を告げられたら、速やかに受診したいところです。...
会社員の健康診断費用は会社負担
会社員であれば、入社前の健康診断や毎年の定期健康診断を受診しているのではないでしょうか。実は労働者の定期健康診断は、労働安全衛生法により従業員に健康診断を受診させることは義務付けられています。
参考:労働安全衛生法 第7章 健康の保持増進のための措置(第64条-第71条)|安全衛生情報センター
従業員に健康診断を受診させることは義務
『労働安全衛生法』では、従業員に対し、会社は健康管理を行う義務があると定められ、健康診断は福利厚生の一環として設定されています。
もし、労働安全衛生法に背き、健康診断を実施しなかった場合には、労働基準監督署からの勧告や指導があるだけでなく、50万円以下の罰金が科せられます。
さらに、健康診断をした結果で得た情報を漏えいした場合、罰金だけでなく6カ月以下の懲役を課せられる場合があるのです。
ちなみに健康診断には、全職種に対して必ず年1回行う『一般健康診断』と法定の有害業務に従事する従業員に対してのみ行う『特殊健康診断』があります。
健康診断で受けられる項目
労働安全衛生法に基づく健康診断で受けられる項目を解説します。全11項目です。
- 既往歴及び業務歴の調査
- 自覚症状及び他覚症状の有無の検査
- 身長・体重・腹囲、視力及び聴力の検査
- 胸部エックス線検査及び喀痰(かくたん)検査
- 血圧の測定
- 貧血検査
- 肝機能検査
- 血中脂質検査
- 血糖検査
- 尿検査
- 心電図検査
11項目のうち、身長、体重などの測定や胸部エックス線、喀痰検査などは、医師の判断により省略が可能となっています。
健康を維持するために、健康診断受診者は、何か自覚症状があれば、つぶさに医師に伝えることをおすすめします。
参考:労働安全衛生法に基づく定期健康診断等の診断項目の取扱いが一部変更になります|厚生労働省
健康診断は会社と従業員両方の義務って知ってた?受けないとどうなる?
会社勤めしている人であれば、毎年1回は健康診断を受診しているでしょう。会社の決まりだからとなんとなく受診している人もいるかもしれません。ですが、実は、健診は会社...
人間ドックとの違いは?自費での追加健診は可能?覚えておきたい会社の定期健康診断で検査できる内容
会社で定期的に実施される健康診断の検査内容は、法律で決められています。しかし、必要に応じてオプションとして検査項目の追加も可能です。健康診断の検査内容、費用、追...
自営業者は自費での健診が必要
自営業者が健康診断を受ける場合、料金は自費になるので要注意です。「自費だと健康診断を受けるのを止めよう」という声があるかもしれませんが、公的な支援制度により、500円程度で受診できることもあります。
健康診断は自費診療
日本では何か病気の症状があって検査をするのは保険診療ですが、何も自覚症状がなくて健康診断を受ける場合、任意での受診となるため、料金は自己負担となります。
健康診断の結果、何らかの疾患が見つかった場合、その再検査や精密検査、治療における料金は健康保険の適用範囲です。
自営業者は健康診断が自費診療なので、定期的に受診している人は少ないかもしれません。とはいえ、自分の健康を維持するための基礎部分なので定期的なチェックをするのが望ましいです。
自治体が実施している健康診断を活用しよう
自営業者が低予算で健康診断を受診したいのであれば、自治体が実施している制度を上手に利用しましょう。
職場や学校などで健康診断を受ける機会がない個人のために、市町村などが実施してる市民向けの健康診断があります。無料または500円ほどで受診できることがあるので大変おすすめです。
実施主体である市町村によって、対象年齢や条件、金額が異なるので、詳しくは各自治体のHPを確認しましょう。労働安全衛生法に基づく健康診断で受けられる全11項目の他、うつスクリーニングや食事調査などが実施される場合もあります。