すべて猫モチーフで統一した「にゃんこキッチン」が大ヒット。その訳とは
4月中旬発売予定(※発売日は変更になる場合がございます)のにゃんこキッチンDX3
――本当に様々なカプセルトイがありますが、一番ヒットしたものは何ですか?
佐藤さん:「にゃんこキッチンシリーズ」です。2014年12月に「にゃんこキッチン第1弾」を発売してから、家電、マートなど4シリーズ展開しています。
――そもそも、なぜ「猫」と「キッチン」に注目したのでしょうか。
佐藤さん:昔からある遊び「おままごと」からインスピレーションを得て、「おままごとのミニチュア化」というコンセプトでキッチン雑貨を選びました。また、「脱力猫」など猫仕草フィギュアが一時期弊社の主力商品になるほど人気で。「猫」に対する信頼感があったのが大きいですね。
――人気のポイントはどこですか。
佐藤さん:小物パーツはシリーズを通して大きさを合わせているのでシリーズをまたがっても違和感なく揃えて遊んでいただけるところでしょうか。
島本さん:あとは、やっぱり「可愛さ」ですね。すべてのキッチン雑貨や小物に猫の耳や肉球などのモチーフをつけているのですが、違和感なく馴染むかどうか徹底的に検証し、かわいいと思ってもらえるように工夫しました。
――開発時、苦労したことはありますか?
佐藤さん:1つ目は「クオリティ」です。すべてのラインナップにできるだけギミックを入れるということと、ままごととしてもミニチュアとしても納得のいくクオリティにすることはこのシリーズにおいてとても重要なポイントでした。
2つ目は「価格」です。こだわればこだわるほど、コストはかかるものですが、価格が高すぎるとユーザーからは嫌われてしまいます。コストをかけずにいかに工夫して良いものをつくれるか、日々試行錯誤しています。
――消費者の方からの反応はいかがでしたか。
島本さん:人気の猫モチーフということもあり、細かいデザインやギミックに感動している方がやはり多かったですね。
佐藤さん:弊社のシルバニアファミリーなどお手持ちのフィギュアやミニチュアと合わせて遊んでいる方も多いようです。
――今後の構想を教えてください!
島本さん:生き物が大好きなので、「この仕草、あるある!」というのをうまく突いた生き物のカプセルトイを出したいですね。仕草フィギュアの他にもシュールなものや、他社が商品化していないようなラインにも挑戦していきたいです。
佐藤さん:弊社のラインナップは「ディテールにこだわったもの」「ギミックもの」「たくさん集めたくなるノンキャラもの」が特徴なので、その部分はこだわり抜きたいです。「エポック社、何でこんな商品出してきたんだ!」と驚いていただけるようなものを常に開発し続けていきたいと思っています。
――本日はありがとうございました!
取材からわかったエポック社のカプセルトイ・ヒット要因3
1.ノンキャラクターな分、作り込みや仕掛けにこだわる
版権キャラクターを持たない分、「にゃんこキッチン」を例に挙げると、シリーズで揃えても楽しめるよう工夫を凝らしている。とことんこだわり抜いたディテールも魅力だ。
2.「わかる人にはわかる」を追求
猫あるあるの仕草を表現したカプセルトイ「脱力猫」や「ボロボロパイロン」など、「わかる人にはわかる」ツボをうまくついており、発見したとき思わずSNSにアップしたくなる導線となっているように感じる。このワクワク感があるからこそ、「次はどんな商品が出てくるのだろう?」と楽しみになってしまい購入をやめられないのだ。
3.日常生活における着眼点
ただ単に人々の会話を聞くのではなく、「気になるフレーズを拾う」「ターゲットの会話からトレンドを拾う」など、アイディア探しの際もエポック社ならではの鋭い着眼点があると感じた。この企画力は他社の追随を許さないと感じる。
取材・文/高橋まりな