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テレワークの導入を成功させるために会社として許可するか否かを決める条件

2020.03.06

■あるあるビジネス処方箋

前回に引き続き、在宅勤務を始めとしたテレワークについて考えたい。働き方改革が進み、働きやすい職場づくりがキーワードになっている。その1つとして、在宅勤務を認めるケースが増えてきた。

最近は新型コロナウイルスの感染が拡大し、在宅勤務を始める動きがある。スムーズに導入するうえで注意すべきなのが、導入までのプロセスだ。ここで問題があると後々、トラブルになる場合がある。

今回は、私が2年前に取材したIT企業(正社員約250人)が2015年に導入した際の事例を紹介したい。

全員が申請できる

上司の許可のもと、会社が契約するコワーキングスペースやカフェ、自宅、育児や介護施設で仕事をすることができる。在籍年数や部署、職種、人事評価、役職に関係なく、申請が可能だ。

まず、希望する社員は、上司と次について話し合う。現在の仕事の現状、課題、問題点、今後の状況、希望する理由や目的、期間や週、月の日数、労働時間(就労時間)、仕事の進め方、上司との報告・連絡・相談、セキュリティや情報漏えいの考え、今後のキャリア形成など。場所や時間の制限は、設けていない。

認める基準

上司は主に次を重視し、判断する。

・仕事の報告・連絡・相談がふだんからできているか
・仕事の実績や成果などのパフォーマンスが、一定レベル以上であるか

認めた後でも、報告・連絡・相談が迅速に正確にできない場合やパフォーマンスが以前よりも低下する時には取り消すケースがある。

上司が認めた場合は、人事部に報告書を提出する。人事担当役員が報告書をもとに社長と話し合いのうえ、人事部内で決める。基本的には、承認する方法で検討する。過去には勤務態度に問題があり、「在宅勤務には向かない」と判断し、認めなかったケースがある。特に報告・連絡・相談が時間内で正確にできているか否か、がポイントになる。

会社として許可するか否かの条件

許可するためには、次に挙げた条件をすべて満たすことが必要になる。

A 本人及び配属部署の通常業務遂行に支障がないこと

B 状況いかんで次の命令が、在宅勤務日に本人に出される場合があるが、原則として迅速に応じること

・在宅勤務日変更
・在宅勤務中の急な出社・出張命令及び所定外労働命令

C 職務内容が在宅勤務に適していること

D 在宅勤務を行うことで、社員、配属部署、会社の生産性向上が期待できること

E 在宅勤務時間中に家族の育児・介護、自身の障害やそのほかの業務外の理由により、業務が中断することなく、集中できる環境であること

運営

会社として許可した場合、本人が社内のソフトを使い、上司に申請する。通常は当日、勤務開始時に「開始時間」、勤務終了時に「終了時間」を入力する。そのうえで、開始時と終了時に上司にメールを通じて報告する。

申請するタイミングは、原則として在宅勤務を希望する2日前までとしている。家族の看護などで事前申請ができない場合を考慮し、当日申請も通常は認めている。ただし、1か月に最大7日。それ以上になる場合は上司と話し合い、仕事の現状や課題、問題点、今後の解決策を共有する機会を設ける。人事部員が立ち会う場合もある。

在宅勤務の日は、上司と本人がテレビ電話会議システムやSkype(スカイプ)を通じて情報共有するケースもある。特に納期が迫っているような場合が多い。当日の成果物は、終了時に本人がメールに添付して上司に送るか、共有フォルダに保存し、その旨を報告する。

人事部が管理職を対象に実施したアンケート調査では、次のようなものがもっとも多かった。「部下が在宅勤務をする日の生産性は、総じて高い。特に入社数年以内の社員たちだ。社外からの電話の対応に時間をとられることがないからと思われる」。

会社として特に注意をしているのが、パソコンの持ち出しや情報漏えいだ。在宅勤務の社員は、会社が貸与するパソコンを自宅などで使用することが多い。情報やデータが外部に漏洩するのを防ぐために、全社員を対象に研修(1回1時間×5回)をした。環境整備や維持にかかる費用、光熱費は本人が負担する。

テレワークが浸透することは好ましいが、その導入に問題があると、社内で仕事をする際にもマイナスの影響を与えかねない。慎重に検証のうえ、大胆に確実に進めてほしい。

文/吉田典史

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