政府が新たに定めた1億人総活躍社会の実現のための「働き方改革」。勤務時間の短縮、労働条件の改善のために様々な動きが各会社で見られる中、注目されているのが「在宅勤務」と呼ばれる業務形態だ
また、昨今の新型コロナウィルスなどの影響もあり、企業経営に必須となりつつある。
今回はそんな働き方改革を進める、在宅勤務について解説していく。
在宅勤務ってどういう雇用形態なの?
まずは、在宅勤務とはどのような雇用形態で、実際にどのように働いていくのかを説明していこう。
ズバリ! 在宅勤務とは
在宅勤務とは、その名の通り「自宅で仕事をする働き方」を指す。数年前までは、フリーランスと呼ばれる自由業の人以外にはあまり見られなかった形態ではあるが、近年はこの働き方が徐々に広まってきている。
在宅勤務のメリットとは
在宅勤務のメリットとして挙げられるのは、まず通勤時間を短縮できるという点。人によっては片道1時間以上かかるこの通勤時間をカットできるため、仕事の効率化はもちろん、プライベートに割ける時間も増えるだろう。浮いた時間は、家事や子供のお世話に充てられるため、女性の社会進出が進み、共働きの家庭が増えた現代に適しているといえるだろう。
また、住む場所を選ばないというメリットもある。自宅のみで仕事が完結するため、会社の近くに住む必要がないのだ。首都圏への人口集中が問題視されている昨今だが、自宅勤務であれば地元、実家で作業できる。極論をいえば、海外で仕事してもいいのだ。
在宅勤務はなぜ注目されている?
昨今は人材不足が多くの業界で嘆かれている。その要因の1つとして挙げられるのが、女性の結婚や出産による早期退職。しかし、在宅勤務を採用すれば、今まで自身の気持ちとは関係なく早期退職を余儀なくされていた 人たちに新たな選択肢を与えられる。
また、在宅勤務を採用すると、支店や営業所の縮小が可能となり、オフィスコストの削減にもつながのだ。
将来的に心配される人材不足対策となるか!?
少子高齢化が進む現代、将来的には大規模な人材不足が予想される。企業としては、今後人材の流出を防ぐために様々な対策をしていかなければならない。その1つとなるのが在宅勤務であり、今後企業にはそういった柔軟な発想で、従業員が働きやすい環境の整備が求められるだろう。
「在宅勤務」と「テレワーク」の違いとは?
在宅勤務が徐々に広まっていく中、よく耳にするようになった「テレワーク」という単語だが、この2つを混合している人が多いように感じる。テレワークとは、インターネットなどを活用して勤務時間や勤務場所にとらわれずに柔軟に働く方法の総称を指す。つまり、在宅勤務とは、テレワークの一種というわけだ。
ちなみにテレワークは、アベノミクスの成長戦略にも記載されており、国を挙げて導入を推奨している。
在宅勤務を採用している企業
現在すでに在宅勤務を採用している企業は多くある。中には大企業もみられるので、何社か名前を挙げていく。
日本航空株式会社(JAL)
日本航空は、2014年に約4000人ものグループ社員を対象に在宅勤務のトライアルを開始。2015年には制度として取り入れた。さらに翌年には自宅以外での業務も可能とした内容となっている。
導入直後には100件程度だった在宅勤務だが、2016年ごろには約4000件になるほど社内に浸透したという。2017年には一般社団法人日本テレワーク協会より「第17回テレワーク推進賞」の「会長賞」を受賞した。
カルビー株式会社
大手お菓子メーカーのカルビーは、2010年にダイバーシティ委員会が発足、在宅勤務制度をスタートさせた。当時の内容は、在宅勤務実施日前日までに、当日の業務内容を上司に報告、終業後に進捗をメールで報告するというシステムだった。
2017年には、経済産業省・東京証券取引所が共同で選定する「なでしこ銘柄」に、女性活躍推進に優れた企業として選ばれた。
日産自動車
日産自動車では、2014年に全社員対象とした在宅勤務制度を導入。テレビ会議やチャットツールを活用し、在宅勤務でもスムーズに業務が行える環境を整えている。
在宅勤務中には、パソコンの画面に顔が映るようになっており、連絡を取りたい相手が「連絡可能、」「取り込み中」「応答不可」「一時退席中」と表示されるシステムになっている。
在宅勤務の懸念点
もちろん、在宅勤務にはまだまだ懸念点がある。 会社がなかなか勤務方法を変えられなかったり、現在よりも勤務時間が柔軟になったために働きすぎてしまう懸念もある。社内で顔を合わせて簡単に会話できていたものが、効率的に連絡を取りにくくなってしまうのもデメリットといえるだろう。
まだまだ発展途上である在宅勤務だが、今後環境の整備が進み今よりも社会に浸透していくだろう。自分が勤めている会社にいつ導入されてもおかしくないと考えてもいいかもしれない。
※データは2020年2月下旬時点での編集部調べ。
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文/佐藤 文彦