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女の子の健やかな成長を願う桃の節句には、雛あられを食べる習慣があります。雛あられのかわいらしいカラフルな見た目には、何か意味があるのでしょうか?雛あられをはじめ、桃の節句の食べ物について紹介します。お祝いをするときの参考にしてください。
桃の節句・雛祭りとは
そもそも、桃の節句にはどのような意味や由来があるのでしょうか?お祝いに欠かせない雛人形についても解説します。
〝桃の節句〟の起源や意味、知ってる?雛人形の置き方、縁起の良い食べ物、正しいお祝いの方法を解説
桃の節句の由来
桃の節句はもともと『上巳の節句』と呼ばれていました。今は3月3日ですが、かつては3月の最初にくる巳の日を指していたからです。
端午や七夕と並ぶ五節句に上巳の節句が加わったのは、江戸時代のことでした。男の子の節句である5月5日の端午の節句と対になるように、3月3日の上巳の節句は女の子の節句とされ、親しまれてきたのです。
桃の節句と呼ばれるようになったのは、桃の花が咲く頃の節句であることや、桃に魔よけの効果があると信じられていたからだとされています。
また、『雛祭り』と呼ぶのは、雛人形を飾ることから呼ばれるようになり、定着した名称です。
雛人形を飾る理由
雛人形には、子どもが健やかで幸福な人生を送れるように、という思いが込められています。
厄除けのために水に流した『ひとがた』を立体にしたものが、雛人形の原型である『立ち雛』といわれています。そのため、ひとがたを水に流すように、かつては上巳の節句に雛人形を川へ流す風習もありました。
しかし、雛人形は次第に豪華に飾られるようになったため、川へ流して厄落としをするという風習はなくなっていったのです。そのかわり、雛人形を飾ることで厄落としするという形に変化しました。
雛あられを食べる意味
桃の節句の定番お菓子というと『雛あられ』でしょう。なんとなくカラフルであることは知っていても、何色が入っているか、色にどのような意味があるかは知らない人が多いのではないでしょうか。
雛あられってどんな食べ物?
かつて桃の節句では、雛人形を川辺や野原に持ち出すという習慣がありました。そして、人形に春の景色を見せてあげたのです。
『雛の国見せ』と呼ばれるこの風習のときに食べるお菓子として、雛あられは誕生したといわれています。
雛あられに込められているのは、子どもの健康を祈る気持ちです。雛人形を飾るのと同じように、健やかに子どもが育つことを願って食べられるようになりました。
関西と関東で味や形が違うって本当?
同じように雛あられと呼ばれていても、関西と関東では中身のお菓子が違います。関東の雛あられは、うるち米で作る小さな甘いポン菓子で、関西の雛あられはもち米で作られる、塩などで味付けされたあられです。
そのため、見た目も形も味も違います。両者の共通点は、あられがカラフルに色分けされているという点です。
雛あられがカラフルな理由
雛あられのカラフルな色には意味があります。
4色で色分けされているものは、赤は『春の桜』、緑は『夏の新緑』、黄色は『秋の紅葉』、白は『冬の雪』をイメージしていて、四季を表しています。
赤・白・緑という3色の雛あられもあります。『魔除け』と『生命』の意味がある赤、『雪と大地』を意味し『清浄』を表す白、『健康や長寿』を願い『木々』を意味する緑です。
どの色の雛あられも、自然のエネルギーを取り入れることで、1年間ずっと健康でいられますようにという願いが込められています。
他にもある!桃の節句の食べ物
端午のかしわ餅や、七夕のそうめんのように、節句にはそれぞれ縁起のよい食べ物を食べる風習があります。桃の節句にも、雛あられ以外の食べ物があるので、チェックしましょう。
ちらし寿司、はまぐりのお吸い物、ひな祭りに食べるといいといわれる料理とその理由
縁起のよい具材を使ったちらし寿司
ちらし寿司の始まりは、平安時代に食べられていた『なれ寿司』に具をのせて、彩りを加えたものだといわれています。これが、より見栄えよく進化したのが、私たちの食べているちらし寿司です。
縁起のよい具材をたくさんのせるのが、桃の節句で食べるちらし寿司の特徴です。
長生きできるようにという願いを込めた『エビ』や、先が見通せるようにという意味の『レンコン』、健康でまめに働けるようにという『豆』などをのせます。
良縁を祈願するはまぐりのお吸い物
ちらし寿司とセットというイメージのあるはまぐりのお吸い物は、「夫婦一緒に永遠に仲良く過ごせますように」という意味があり、女の子の良縁を願う食べ物です。
はまぐりが仲のよい夫婦を表すのは、二枚貝だからです。対の貝でなければぴったり合わないという特徴を夫婦仲になぞらえて、ずっと仲良くいられる相手とご縁が結ばれることを願う食べ物となりました。
見た目もかわいい菱餅
雛祭りの起源である上巳の節句とともに中国から伝わってきた食べ物に『草餅』があります。この草餅を起源として食べられるようになったのが菱餅です。
菱餅は、『健康や長寿』を意味する緑、『清浄』を表す白、『魔除け』の赤の3色の餅を、菱形に切って重ねたものを指します。
春らしい色合いがかわいらしい、雛祭りならではの食べ物です。
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構成/編集部