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ちらし寿司、はまぐりのお吸い物、ひな祭りに食べるといいといわれる料理とその理由

2020.02.29

ひな祭りといえば菱餅(ひしもち)やひなあられが欠かせない食べ物ですが、意味や由来を考えてみたことはあるでしょうか。桃の節句とも呼ばれるひな祭りは、陰陽五行思想や日本の宮廷文化の歴史から生まれました。ひな祭りの由来や縁起物について解説します。

ひな祭りの由来を知ろう

33日のひな祭りは桃の節句とも呼びますが、なぜ『桃』なのでしょうか。また、『節句』も考えてみれば不思議な表現かもしれません。

縁起のよい食べ物の理解を深めるためにも、まずはひな祭りの由来から見ていきましょう。

桃の節句とも言われる

現代では33日に行う『ひな祭り』ですが、グレゴリオ暦を採用する明治時代以前には旧暦の33日(新暦の4月ごろ)に行われていました。旧暦の33日は桃の花が咲く時期であり、春の節目という意味で『桃の節句』と呼びます。

節句というのは、古代中国の陰陽五行思想による祓(はらえ)の行事を由来とする、季節の節目です。

33日は陽の数字である奇数が重なり、足すと偶数になり不吉であるとして『上巳(じょうし・じょうみ)』と呼んで厄祓いを行っていました。

桃が用いられる意味

日本の宮廷文化は、上巳を含めたさまざまな節句を取り込みました。

江戸時代になると幕府が『上巳の節句』を含めた『五節句』を祝日・行事として公認します。さらに、武家社会からひな祭りの文化も広がり、民衆の間で桃の節句とも呼ばれるようになりました。

桃は、旧暦の33日に開花するだけでなく、節句の儀式とも深い関連があります。不老不死の仙桃を管理する中国の『西王母』伝説や、日本神話で桃の実がイザナギの難を救うなど、桃は不老長寿や邪気を払う妙薬として知られていました。

明治時代に食用の品種が中国から輸入されるまでは、桃はおもに観賞用や薬用の植物です。ひな祭りにおける桃には、春の縁起物や娘の幸福を願うという意味があります。

縁起のよい食べ物と意味

ひな祭りにとって、春の節句の儀式という意味でも娘の幸福を祈願するという意味でも、桃は不可欠な植物です。

さらに、古代中国から日本の宮廷文化へ、武家社会から民衆へという流れの中で、さまざまな食べ物がひな祭りに関連付けられています。

ここでは、日本独自の文化であるひな祭りにとって、縁起のよい食べ物とその意味を見ていきましょう。

菱餅

『菱餅』は、ひな人形の供物としても欠かせない、菱形をした3色の餅です。一般的には、緑・白・赤(桃)の順で3段に積みます。緑は春や豊穣、白は残雪や清浄、赤(桃)は桃や魔除けを意味する縁起物です。

伝統的な製法では、緑には造血効果があるとされるヨモギ、白には血圧降下作用があるとされる菱の実、赤(桃)には解毒作用があるとされるクチナシの実を入れます。

ひなあられ

『ひなあられ』は、うるち米の乾飯(かれいい・かれい)や、もち米に味付けをして作る節句菓子です。緑・赤・黄・白の4色は春夏秋冬を表しており、1年を通して娘の幸せを祈るという意味を込めているといわれます。

3色のひなあられもありますが、この場合は菱餅と同じく緑・白・赤(桃)が一般的です。菱餅を食べやすくするために砕いたのが始まりという説があり、ひな祭りの供物という意味で共通しています。

ちらし寿司

『ちらし寿司』は、ひな祭りに限らず、ハレの日に好んで食べられるご馳走です。地域によっては五目寿司やバラ寿司などとも呼ばれ、スタイルもさまざまですが、酢飯に握り寿司の種などを乗せたり混ぜたりする点では共通しています。

よく使われる具材は、長寿や出世を祈願する『海老』、穴から先を見通すことを連想させる『れんこん(ハス)』、健康でマメに働くという験担ぎの『豆』などです。

はまぐりのお吸い物

『はまぐりのお吸い物』は、ひな祭りには欠かせない料理です。はまぐりは、ひな祭りの風習が始まる以前から、結婚と関わりの深い歴史があります。

平安時代には貴族の間で『貝合わせ』という遊びが行われ、金箔や源氏絵などで豪華に装飾したはまぐりの貝殻を『貝桶』に入れておくことが嗜みの一つでした。

江戸時代では大名家の婚礼でまず『貝桶渡し』の儀が行われ、上流社会の嫁入り道具として必須とされます。こういった歴史から、はまぐりのお吸い物を娘の幸せな結婚を願って振る舞う文化が生まれました。

ひな人形や飾り付けについて

ひな祭りは、複数の異なる文化の集大成という性格があり、縁起物の考え方もルーツを探ってみなければ分かりくい部分があります。ここでは、上述のひな祭りや桃の節句のルーツを意識しながら、ひな人形の飾り付けについて見ていきましょう。

ひな人形は嫁入り道具のひな形

平安時代には、京の宮廷の子女が『ひいな遊び』に興じたり、天皇の御所を模した『屋形』を作ったりしていました。この文化が江戸時代に入って武家社会に伝わり、ひな人形を嫁入り道具として持たせる風習が広まります。

ひな人形は『一人ひと飾り』といって、姉妹間の共有や親からの引き継ぎは好ましくないという認識が一般的です。

ひな人形をいつまで飾るのかを気にする人もいますが、現代でも旧暦の33日にひな祭りを行う地域もあり、明確な基準はありません。飾り始めについては『雨水』の期間の初日、2020年であれば219日がよいとされます。

飾り付けの花には桃や菜の花

ひな人形の飾りに最も相応しいのは『桃の花』です。新暦の33日は桃の開花時期より早いのですが、温室栽培の桃の花が手に入ります。

ほかには、春を象徴する『菜の花』をはじめ、スイートピーやチューリップ、キャンディタフトやレースフラワーもおすすめです。

構成/編集部

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