目次
春の訪れをお祝いする日として、3月の春分の日があります。春分の日によく食べられるものが『ぼたもち』です。ぼたもちとおはぎの違いや、春分の日の概要と特徴、ぼたもちを家庭でつくるお手軽レシピを紹介します。
春分の日とは
春分の日とはどんな日なのでしょうか。春分の日がどのように決まるのか、どういう意味があるのかを解説します。
昼と夜が同じ長さになる日
春分の日とは、昼と夜がほぼ同じ長さになる日のことです。毎年3月20日か、21日のどちらかが、春分の日として祝日になります。
毎年、前年の2月1日に官報で発表され、暦の算出は国立天文台によって行われます。
お彼岸でもある
お彼岸は仏教の言葉ですが、日本独自の行事です。春分の日と秋分の日を中日として、前後の3日間を含めて合計7日間あります。なぜ春分の日がお彼岸の中日となったのでしょうか。
さまざまな理由があるとされていますが、一つは『中道』に由来するというものです。
仏教では『中道』という思想が重んじられており、どちらにも偏らない中立の立場であることを『中道』といいます。春分の日は昼と夜の長さが同じであるため、『中道』の象徴と考えられてきました。
また、西方浄土信仰にも由来があります。春分の日は昼と夜がほぼ同じ長さであるため、太陽は真西に沈みます。西の方角には極楽浄土があると伝えられ、春分の日は極楽浄土に近づく日とされてきたのです。
「春分の日」にはどんな意味がある?今さら聞けない起源、由来、過ごし方
春分の日の食べ物は?
春分の日によく食べられるもの、縁起のよい食べ物は何でしょうか。春分の日にふさわしい食べ物について解説します。
ぼたもちを食べるのが一般的
春分の日は、『ぼたもち』を食べるのが一般的です。地域によっては、だんごやのり巻きなどを食べることもあります。餅は、五穀豊穣を願う際に食べられるものであり、小豆は魔除けの象徴とされています。
甘いものは昔から貴重とされ、ぼたもちは高価な食べ物でした。お祝いごとや大切な客人、寄り合いなどで振る舞われ、法要の際にもお供えされていたのです。
ぼたもちとおはぎの違い
ぼたもちは春分の日に作られ、おはぎは秋分の日に作られます。ぼたもちは、春に咲く花である『牡丹』が由来とされ、『牡丹餅』と書いて『ぼたもち』と呼ぶようになりました。おはぎは秋に咲く花である『萩』をもとに、『御萩』と書いて『おはぎ』と呼びます。
そのため、ぼたもちは牡丹の形に似せて、丸い形で作られていました。おはぎは萩の花のように細長いだ円のような形で作られます。
ぼたもちとおはぎの原材料となる小豆は、秋に収穫されるものです。収穫したての小豆は皮ごと使えるため、おはぎは粒あんで作られていました。
春になると秋に収穫した小豆の皮はかたくなるため使われません。よって、ぼたもちのあんは、皮を使わないこしあんになったのです。
しかし、今では小豆を春秋関係がなく収穫できるようになったため、ぼたもちとおはぎに関わらず、あんの種類は好みに合わせて使用されています。
地域による違いも
地域によって、ぼたもちとおはぎの違いは、あんや形状で区別していない場合があります。
例えば、餅に使われる米が『もち米』であれば『ぼたもち』、『うるち米』が使われているのであれば『おはぎ』とされていることもあります。餅をあんで覆ったものを『ぼたもち』、きな粉をまぶしたものを『おはぎ』と呼ぶ地域もあるようです。
米をつぶす際に米の粒を残すことを『半殺し』、粒を残さずつぶすことを『皆殺し』という呼び方をすることがありますが、地域によっては米ではなく、あんをつぶす際に粒を残すか残さないかで『半殺し』『皆殺し』としています。
家庭で手軽に ぼたもちレシピ
家庭で手軽に作れるぼたもちのレシピを紹介します。
粒あんは市販でOK。必要な材料
ぼたもちを作るための材料は以下のとおりです。分量は16個分で、3色のぼたもちを紹介します。市販の粒あんを使用する手軽なレシピです。
- もち米:2カップ(米用カップ)
- 粒あん:500g
- きな粉:大さじ2
- 黒すりごま:大さじ3
- 砂糖:小さじ3(きな粉用に小さじ1+黒ごま用に小さじ2)
- 塩:少々
作り方・手順
下準備として、もち米を洗って水を切り、水を入れて1時間おきます。その後、通常通り炊飯器で炊きましょう。
さらに、下準備として粒あんを電子レンジにかけ、水気が飛ぶまで温めます。最初から水気が少ない粒あんの場合は加熱不要です。
また、きな粉・黒ごまはそれぞれ砂糖と合わせ、塊がなくなるまで混ぜましょう。塩は、味を確認しながら適量を両方に加えてください。
- 炊いたもち米をボウルに入れ、水で濡らしたすりこぎ棒でついてもち状にする
- できたもちを16等分にし、だ円状に丸める
- 粒あんを2等分にして、一方を6等分、残りを10等分して、それぞれを丸める
- 6等分に丸めたあんを一つ、ラップの上で平たくだ円状に伸ばす
- 伸ばしたあんの中央にもちをのせて包む(6個すべて同様に)
- 10等分した方のもちを平たく伸ばす
- 伸ばしたもちの中央に残りのあんをのせて包む(10個すべて同様に)
- 10個のうち5個にきな粉、5個に黒ごまをまぶす
これで、粒あんのぼたもちが6個・きな粉が5個・黒ごまが5個できます。簡単なので、春分の日にぜひチャレンジして、家族みんなで食べましょう。
構成/編集部