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近畿地方の風習がルーツとされる「恵方巻き」。2月3日の節分に「恵方(えほう)」と呼ばれる方角を向き、太巻き寿司を無言で食べることで、無病息災や家内安全、商売繁盛を願う。
では、その「恵方」とは、どのように決まり今年はどの方角なのだろうか。本記事では、恵方の決まり方と2024年の恵方について解説する。
そもそも恵方とは?
恵方とは、その年の幸福・財産を司るとされる「歳徳神(としとくじん)」がいる方角のことを指す。日本には古くから、陰陽道で十干(じっかん)と十二支を組み合わせた24の方角が存在するが、その年ごとに歳徳神がいる恵方は異なるとされている。
由来、具材、正しい食べ方、知っているようで知らない「恵方巻」
十干(じっかん)とは
古代中国で考えられた十干が日本に伝わり、日本の陰陽道に用いられるようになった。十干の種類は、甲(こう)・乙(おつ)・丙(へい)・丁(てい)・戊(ぼ)・己(き)・庚(こう)・辛(しん)・壬(じん)・癸(き)の10種類がある。
恵方巻きを食べる時期はいつ?
節分は年に4回あることをご存知だろうか。元々節分は「季節の分かれ目」を指すとされており、立春(2月)・立夏(5月)・立秋(8月)・立冬(11月)の前日も節分にあたる。
地域によっては、それらの節分に恵方巻きを食べることもあるが、今日では2月3日の節分(立春の前日)に食べるのが一般的だ。
方角を向いて食べる由来は
恵方を向いて太巻きを食べる風習は、大阪が発祥と言われている。歳徳神のいる方角に向かって事を行うと「万事に吉」とされていることから、当時は商売繁盛などを祈願していたようだ。
今日では、恵方を向いて事を行う(恵方巻きを食べる)ことで、家内安全や厄除けなどを祈願するとされている。
恵方巻きの方角の決まり方は?
「恵方は誰が決めているの?」「どうやって決まるの?」と疑問に感じる方もいるだろう。実は、恵方には一定のルールが存在し、それを知っていれば誰でもその年の恵方を見つけることができる。
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方角は誰が決めている?
毎年の恵方は、誰か特定の人が決めているわけではない。先述した陰陽道の十干・十二支による方角を元に、一定のルールに基づき決まっている。
恵方は西南西・南南東・東北東・北北西の4種類だけ!?
恵方は「西暦の下一桁の数字」によって決まり、0から9までの10この数字が西南西・南南東・東北東・北北西の4つに振り分けられている。そのため、今年の西暦と数字が該当する方角さえ覚えておけば、自分でその年の恵方を調べることが可能だ。
庚(西南西):西暦の下一桁が0、5
丙(南南東):西暦の下一桁が1、3、6、8
壬(北北西):西暦の下一桁が2、7
甲(東北東):西暦の下一桁が4、9
2024年の恵方は?
先述した方法を当てはめてみると、2024年は下一桁が「0」のため、恵方は甲の方角つまり「東北東」とわかる。
来年2025年は、下一桁が「5」であるため恵方は「庚(西南西)」になる。恵方は年ごとに異なるものの、その方角は4種類しか存在しないことは、あまり知られていない。