学校に校則が存在するように、会社にも社則が存在する。言うまでもなく社則はその企業にて働くうえで必ず守らなければならないものだが、中には納得できないものもあるだろう。
そんな「社内ルール」に関する意識調査がこのほど、20歳~59歳の有職者1,000名を対象に行われたので、紹介していきたい。
普段、仕事をするときの服装は?「制服」44.3%、「市販のスーツを含む私服」47.0%、「TPOで異なる」8.7%
全国の20歳~59歳の有職者(パート・アルバイトを除いた被用者)1,000名(全回答者)を対象に、仕事をするときの服装を尋ねる調査が行われたところ、「制服」は44.3%、「私服(市販のスーツ含む)」は47.0%、「TPOに応じて異なる」は8.7%だった。
業種別にみると、「制服」が最も高い割合を占めたのは[宿泊業,飲食サービス業](83.3%)、[医療,福祉業](64.8%)、[製造業](59.4%)、[運輸業,郵便業](59.3%)で、「私服」が最も高い割合を占めたのは[教育,学習支援業](73.1%)、[金融業,保険業](71.4%)、[公務](63.9%)、[情報通信業](61.9%)、[卸売業,小売業](50.9%)、[サービス業](48.8%)、[建設業](47.9%)だった。
服装や身だしなみについての規定方法 TOP3「就業規則」「服務規程」「服装規定」
続いて、服装や身だしなみの決まりについて質問が投げかけられた。
全回答者(1,000名)を対象に、自身の勤め先では、服装や身だしなみについて決まりはあるか尋ねる調査が行われたところ、「ある」は57.1%、「ない」は42.9%で、決まりがあるという人が多くなった。
業種別にみると、服装や身だしなみについて決まりがあると回答した人の割合が高くなったのは、[宿泊業,飲食サービス業](86.7%)や[金融業,保険業](71.4%)だった。
仕事で社外の人に会う機会の有無別に、決まりがあると回答した人の割合をみると、機会がある人では60.5%と、機会がない人(52.9%)と比べて高くなっていた。
勤め先で、服装や身だしなみについての決まりがある人(571名)を対象に、その決まりは何で規定されているか尋ねる調査が行われたところ、「就業規則」(45.7%)が最も高く、以降、「服務規程」(26.3%)、「服装規定」(20.8%)、「口頭説明」(18.0%)、「慣習」(10.0%)が続いた。
また、勤め先の就業規則を見たことがあるか尋ねる調査が行われたところ、「ある」は76.7%、「ない」は23.3%で、見たことがあるという人が多数派だった。
「男性は長髪NG」「女性はシャツ色ピンク」「女性はパンプス」など、男女で異なる決まりが多数
次に、勤め先で、服装や身だしなみについての決まりがある人(571名)を対象に、具体的な決まりの有無について尋ねる調査が行われた。
決まりがあると回答した人の割合は、【髪に関する決まり】で41.9%、【入れ墨、タトゥに関する決まり】で40.3%、【ヒゲに関する決まり】で33.1%となった。
「ある」と回答した人の割合を男女別にみると、【髪に関する決まり】では女性が45.0%と、男性(38.9%)と比べて高く、【入れ墨、タトゥに関する決まり】では男性が44.7%と、女性(35.6%)と比べて高くなった。
次に、男女で異なる決まりがあると回答した人の割合は、【服装に関する決まり】で22.6%、【服装の色に関する決まり】で9.1%、【靴に関する決まり】で16.8%だった。
「ある」と回答した人の割合を男女別にみると、【服装に関する決まり】では女性が25.3%と、男性(19.8%)と比べて5ポイント以上高くなっていた。
また、男性または女性のみの決まりがあると回答した人の割合は、【男性はスーツを着用しなければならないという決まり】で19.4%、【男性はネクタイをしなければならないという決まり】で19.6%、【男性はピアスをしてはならないという決まり】で32.9%、【女性は化粧をしなければならないという決まり】で15.1%だった。
男女別にみると、【男性はスーツを着用しなければならないという決まり】が「ある」と回答した男性は22.5%、【男性はネクタイをしなければならないという決まり】が「ある」と回答した男性は25.3%、【男性はピアスをしてはならないという決まり】が「ある」と回答した男性は36.5%だった。他方、【女性は化粧をしなければならないという決まり】が「ある」と回答した女性は21.9%となった。
具体的な決まりがあると回答した人を対象に、その決まりの内容を尋ねる調査が行われたところ、【髪に関する決まり】については、「男性は長髪NG」や「男性は黒色、女性はあまり派手ではない茶色」といった回答が挙げられた。
また、男女で異なる決まりのうち、【服装に関して男女で異なる決まり】については、「男性は作業着かスーツ、女性は私服」や「男性はネクタイとジャケット必須、女性はジャケット着用任意」、【服装の色に関して男女で異なる決まり】については、「制服のシャツの色が男性は水色、女性はピンク」や「男性にはネイビー、女性にはシルバーの制服を貸与」、【靴に関して男女で異なる決まり】については、「男性は革靴、女性はパンプス」や「男性は革靴、女性はヒールのあるもの」といった回答がみられた。
そのほかの決まりについて、勤め先で、服装や身だしなみについての決まりがある人(571名)を対象に、女性が履くパンプスについても尋ねる調査が行われたところ、ヒールの高さに『決まりがある』は19.4%、「決まりはない・決まりがあるかわからない」は80.6%だった。
男女別にみると、『決まりがある』と回答した人の割合は、男性20.1%、女性18.7%という結果に。
服装や身だしなみの決まりに従わないときの扱い 「何らかの処分がある」19.4%、「何もない」30.5%
では、定められた決まりに従わない場合、どのような扱いを受けることになるのだろうか。
勤め先で、服装や身だしなみについての決まりがある人(571名)を対象に、服装や身だしなみの決まりに従わない場合はどのようになるか尋ねる調査が行われたところ、何らかの処分がある人の割合は19.4%となり、「何もない」は30.5%だった。
処分の内容をみると、「始末書提出」(9.8%)が最も高く、以降、「降格、減給」(5.6%)、「解雇、契約打ち切り」(5.4%)と続く。