
今さら聞けない「抱負」の意味とは?本記事では、職場で好感度がアップする抱負の述べ方や例文をご紹介します。
目次
「今年の抱負は何ですか?」などと尋ねられたら、どのように答えればよいのでしょうか。適切な抱負を述べられる人は、堅実できちんとした人という印象を与えられます。抱負の正しい意味や使い方を知り、聞く人の心に残る抱負を伝えましょう。
抱負の意味と使い方を解説
新年や新しいシーズンを迎える際、よく耳にするのが『抱負』という言葉です。特に、社会人になると尋ねられる機会が多く、時には人前で抱負を含めたスピーチを求められることもあるでしょう。
もしも抱負を述べよといわれたら、どのように答えるのがよいのでしょうか。聞く人を満足させられる抱負を述べられるよう、まずは抱負の意味や使い方を理解しておきましょう。
「抱負」は心の中に抱いている計画
抱負とは、心中に持つ決意・計画などを指します。ですから、「○○になりたい、したい」だけで終わるのは、正しい抱負とはいえません。
抱負を述べる際は「○○になれるよう、△△する」と、具体的に述べることが大切です。目標を達成するためにどんな努力をするのか、どんな行動をとるのかというプロセスこそが、抱負では重視されるのです。
「負」は負けるわけではない
抱負という言葉を見たとき、『負』という一見ネガティブな言葉に違和感を覚える人もいるでしょう。しかしこれは『背負う』『請け負う』などの際に使われる『負う』という意味で、『負ける』という意味ではありません。
抱負という漢字は、心の中の決意・計画をしっかりと抱き、負っているということを示しています。決してネガティブな意味はないので、ぜひ前向きに抱負を語りましょう。
「目標」はゴールを設定すること
一方、新年の目標を聞かれた場合は「○○になりたい、したい」だけでも問題ありません。目標というのは、あくまでもゴール・目指すべき地点です。そこに到達するまでのプロセスは問われず、ゴールをどこに置くかという点が重視されます。
抱負を尋ねられたら目標および目標達成までのプロセスを述べ、目標を尋ねられたら目指すゴールのみを返答する、と考えておけばよいでしょう。
「抱負」の類語やその違いとは?
「抱負」という言葉は、職場や新年の挨拶で使われることが多いですが、類語には「決意」や「目標」など、似ているけれど微妙にニュアンスが異なる表現がいくつもあります。それぞれの違いを正しく理解することで、自分の考えをより的確に伝えられるようになります。ここでは、「抱負」と関連する言葉の意味や特徴、使い方の違いについて詳しく解説します。
「決意」
「決意」は、物事をやり遂げるという強い意思を固めた状態を指します。「抱負」が漠然とした希望や方向性を含むのに対し、「決意」は具体的な行動や覚悟を伴う点が異なります。
たとえば、「今年はプロジェクトを成功させる」という抱負に対し、「絶対に成功させるために努力を惜しまない」という決意は行動への強い覚悟を示します。
「志」
「志(こころざし)」は、人生を通じて実現したい夢や大きな目標を表します。「抱負」が比較的短期的な希望や目標を含むのに対し、「志」は長期的かつ崇高な目的を意味します。
たとえば、「社会に貢献したい」という抱負に対し、「社会課題の解決に尽力する」という志は人生全体の方向性を示します。
「理想」
「理想」は、こうありたいと願う最上の状態や未来像を指します。「抱負」が現実的な計画や希望を含むのに対し、「理想」はより抽象的で、実現が難しい場合もあるのが特徴です。たとえば、「チームで成果を上げたい」という抱負に対し、「誰もが働きやすい職場環境を作る」という理想は、ビジョンとしての側面が強いです。
「志望」
「志望」は、自分が目指している職業や立場、環境への希望を指します。「抱負」が自己宣言に近いニュアンスを持つのに対し、「志望」は特定の対象に対する望みや選択を表します。たとえば、「キャリアアップを目指す」という抱負に対し、「営業職に転職したい」という志望は具体的な目標への希望を示します。
「目標」
「目標」は、達成を目指す具体的なゴールや成果を指します。「抱負」が目指す方向性や願望を含むのに対し、「目標」は明確で測定可能な形で設定される点が異なります。たとえば、「成長したい」という抱負に対し、「今期は売上を20%増加させる」という目標は、具体的な成果を求めています。
抱負を立てるとどうなるの?メリットは?
新しいスタート地点に立ったとき、印象的な抱負を発表できれば、周囲からの評価も高まります。特に、ビジネスシーンで抱負を求められた際は、仕事へのやる気や姿勢が測られているケースが多いので注意が必要です。
望ましい抱負を持っていると、それが生活によい効果を生み出すといわれます。目標を設定し、プロセスまで見通しておくことに、どのような有益な意味があるのでしょうか。
周囲から信頼される
抱負をきちんと語れる人は、周囲に信頼感や安心感を与えます。
まず、目標を正しく設定できる人は、現状を適切に理解して、きちんと反省ができる人です。何事に対しても真摯に取り組み、冷静な分析ができる人と考えられるでしょう。
また、目標達成までのプロセスを述べることができれば、計画性があることもアピールできます。目標に向かって着実に歩もうとする姿勢は多くの人に好感を与え、結果として大きな信頼を得ることにつながるのです。
周囲からの理解が深まれば、目標達成までの協力も得やすくなります。社会的信用の高さが、ピンチの際の助けとなる場面もあるでしょう。
収入アップにつながることも
新年あるいは新しいシーズンに仕事に関わる抱負を立てれば、収入アップにつながる可能性も秘めています。
まず、具体的な目標やプロセスが決まっていれば、どんな行動をとるべきか分かりやすくなります。目標達成までのモチベーションを維持しやすく、目標に邁進することが可能です。
また、目標やプロセスを抱負として口に出すことで「自分はできる」とイメージしやすくなるでしょう。苦難や困難に当たっても、ゴールがきちんと見えていれば、ぶれずに進めるはずです。
絶え間ない努力の結果目標を達成できれば、周囲からの評価も上がります。信頼に足る人物と認められ、昇進や昇給も夢ではありません。
抱負の立て方と実行
非現実的な抱負は、立てても意味がありません。抱負を立てる際は、実現できそうなもの・モチベーションを持って取り組めそうなものがよいでしょう。
抱負の内容を実現できる、具体的な立て方と実行方法を紹介します。
なりたい自分像を書き出してみる
具体的な内容が思い浮かばない場合は、『どんな自分になりたいか』を考えることから始めましょう。新年の抱負なら、昨年の自分を振り返ってみれば、「今年はこうなりたい」というイメージが湧いてくるのではないでしょうか。
また、周囲に仕事ができる人・信頼できる人などがいる場合は、その人をモデルにしてもかまいません。重要なのは、あいまいではなく『具体的になりたい姿を思い浮かべること』です。
イメージが整ったら、それをそのまま紙に書き出してみます。実際に紙面に書くことで頭の中のイメージが整理され、抱負の内容が記憶に残りやすくなるのです。
書いたものを目にしやすい場所に貼っておけば、常に抱負の内容を意識して行動することができるでしょう。
数字で表すなど具体的な内容にする
抱負をより明確にするために、内容には具体的な数字や期限などを盛り込みます。
たとえば、「痩せるために運動したい」という抱負なら、「5kg痩せるために毎日10分走る」という抱負のほうがより目的がはっきりとしています。
抱負を実現するために行動を起こしやすいうえ、達成できた・できないのラインも明確です。数字に具体性があるため、目標達成までのペースや方法が見えやすくなり、抱負がより身近なものに感じらます。
ただし、明らかに実現不可能な数値を目標とするのは、避けたほうが無難です。抱負の内容のハードルを上げれば、その分モチベーションが下がります。結果、抱負の実現が遠のいてしまうかもしれません。
決めた抱負は毎日意識できるように
抱負を決めたら、毎日意識して生活しましょう。紙や手帳に抱負を書き、日々何度も抱負の内容に目が向くようにします。
こうすることで抱負の内容が潜在意識に深く残り、常に「抱負を達成するにはどうすべきか」と考えるようになります。自身の行動を検証したり振り返ったりする機会が増えれば、抱負実現への道筋はより確実なものとなるでしょう。