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正月飾り「しめ縄」はいつからいつまで飾るのが正解?処分方法も解説

2023.12.29

正月に玄関や神棚などに飾るしめ縄について、いつごろ処分すればよいのか迷う人も多いでしょう。年始の縁起物として、最後まで丁寧な扱いを心掛けたいものです。しめ縄を飾るべき期間や、地域ごとの違いなどを紹介します。

しめ縄(注連縄)の役割

しめ縄とは、どのような意味をもつものなのでしょうか。役割や由来などを解説します。

年神様を迎えるために飾る

正月行事は、新年の神様である『年神様』(歳神様)をお迎えするための行事です。年神様とは、人々の幸福や生きる力を授けるために、各家庭へやってくる神様のことをいいます。

玄関の中央などに飾るしめ縄は、正月を迎えるにあたり、年神様を迎え入れる家を清めたり、不浄なものの侵入を防ぐ結界を張ったりする役割をもつとされるものです。

しめ縄の由来は、天照大神が天の岩戸から出た際に、再び戻ることがないようしめ縄でふさいだという神話にあるとされています。『しめ』には、神様が場所を『占める』という意味が込められているそうです。

神社や神棚の「しめ縄」にはどんな意味がある?

しめ縄を飾るのはいつまで?

 

門松やしめ縄などを飾る期間を『松の内』といいます。全国的に、松の内の期間が過ぎると門松やしめ縄などを外し、七草がゆを食べる風習が残されています。

松の内は、地域により期間が異なるため、しめ縄を飾る期間も地域によりさまざまです。自分が住んでいる地域の松の内を理解し、しめ縄を外すタイミングを知っておきましょう。

しめ縄はいつからいつまで飾るのが正解?

年末年始によく聞く「松の内」とは?正しい意味とその由来

松の内はいつまで?地域によって異なる正月飾りの基本マナー

これも常識!関東と関西で異なるお正月飾りの飾り付け期間

北海道の場合

北海道の松の内は1月1日から1月7日までとされます。したがって、1月7日の夕方、日没後までしめ縄を飾るのが一般的な風習です。

一方、鏡餅は1月11日の鏡開きまで飾る風習があるため、しめ縄と鏡餅は飾る期間が異なります。

なお、札幌では1月8日頃から、しめ縄などを持参して神社に参拝するのが一般的ならわしです。1月15日前後に焼納祭が開催され、どんど焼きでしめ縄を燃やします。

関東の場合

関東地方の松の内は1月1日から1月6日の夜または1月7日までです。門松やしめ縄は1月7日の朝まで飾り、外した後に七草がゆを食べるのがならわしとなっています。

東京をはじめとした関東地方では、徳川三代将軍家光の命日が慶安4年4月20日だったことから、月命日が20日となりました。そのため、月の20日は祝い事などを避ける配慮がされ、松の内が1月7日までになったとされています。

また、正月は元々1月15日までを小正月としていましたが、関東では1月7日に松の内を切り上げるという決まりが江戸時代になされたため、1月7日に片付けることが習慣化されたともいわれています。

なお、玉飾りはしめ縄と異なり、関東地方では1月15日まで飾るのが一般的です。鏡開きは1月11日で、江戸幕府の蔵開きが1月11日であったことに由来しています。

関西の場合

関西地方での一般的な松の内は、小正月である1月15日までです。門松やしめ縄は、1月14日の夜か15日まで飾ります。四国地方も関西と同様です。

関西地方では、1月1日から1月7日までを『男正月』、1月8日から1月15日までを『女正月』と呼びます。

男正月の期間、女性はお正月の準備や接客の対応などで忙しいものです。男正月が終わった後にゆっくりとお正月気分を楽しんでほしいという願いから、女正月が生まれたともいわれています。

関西の鏡開きは1月15日です。全国的に、松の内が1月7日までの地方は鏡開きを11日に、松の内を15日までとする地方では鏡開きも15日に行います。

例外として、京都の鏡開きは1月4日に行われます。しめ縄を外す前に鏡開きをするのは、全国でも珍しい風習です。

名古屋の場合

日本には、東日本と西日本を分ける明確な境界線が存在しているわけではありません。したがって、ちょうど中間に位置する名古屋が関東か関西かという議論は、しばしば行われています。

名古屋では、門松やしめ縄に関しては関東方面に合わせて、松の内を1月7日までとしている地域が多いようです。この場合、鏡開きは1月11日に行います。

しかし、関西地区と同様に、小正月の1月15日までを松の内としている地域もあります。この場合は、鏡開きを1月15日または20日に行っているようです。

九州の場合

九州地方の松の内は、1月7日・8日・10日・15日までと、地域によって異なります。江戸や関西から距離があるため、それぞれの文化を踏襲しつつ、独自の文化が発達したとされています。

福岡では、毎年1月7日に、久留米市の大善寺玉垂宮で『鬼夜(おによ)』と呼ばれる火祭りが行われています。鬼夜とは、大みそかから1月7日までの鬼会(おにえ)と呼ばれる期間の最終日に行われる行事のことです。

これに合わせて、九州では松の内を1月7日までとする地域が多いともいわれています。

また沖縄の松の内は、1月7日までと15日までの地域に大きく分かれているようです。独自の文化が発達していた沖縄では、旧暦でさまざまな行事や神事が行われていました。したがって、現在でも正月の風習にさまざまな文化が残っています。

しめ縄を飾る場所

しめ縄にはいくつかの種類があり、それぞれに適した飾り方や飾る場所があります。一般的な知識を理解しておきましょう。

種類で違う、飾るべき場所

玄関先や神棚に

しめ縄は、外から不浄なものの侵入を防ぐという意味で、玄関や門によく飾られます。入り口に飾ることで、年神様をお迎えするための目印にもなるといわれています。

神が宿り、神の世と俗世を隔離する結界を作り出すものともされていることから、神棚にもよく飾られています。神棚に飾る場合は、お札が隠れないようにしなければいけません。

また、神様は水場に宿るともいわれています。風呂やお手洗いの入り口、台所の周りなど、水を扱う場所に飾る家庭も多いようです。

昔は車のフロント部分に飾っている人を多く見かけましたが、近年は少なくなっています。以前ほど車が特別なものではなくなったことや、交通安全系のお守りが増えたことなどが、理由として挙げられるでしょう。

種類別の飾り方

片方が太くもう片方が細い『ごぼうしめ縄』は、縁起物などを付けて飾られます。正月に飾る場合は、通常のねじり方と異なり、左方向に細くなったものを使います。神棚にふさわしい飾りです。

ごぼうしめ縄にわらの前垂れなどを付けたしめ飾りは、西日本でよく見られ、玄関への飾りに向く飾りです。正月には左にねじったものを使用します。

太い縄を輪っかにし、さまざまな縁起物を一緒に飾ったものが『玉飾り』です。主に関東地方でよく使われ、華やかな見た目であるため玄関飾りに向いています。

細いしめ縄を丸く輪の状態にしたものが『輪飾り』です。縁起物は少なめで、玉飾りに比べて比較的小さなものが多く、いろいろな場所で使われます。

しめ縄の処分方法

しめ縄の処分に関しては、家庭のごみと一緒に捨てるのは気が引けるという人も多いでしょう。一般的に行われている処分方法を紹介します。

正月のお飾りはいつからいつまで飾るのが正解?

2つの正しい処分のやり方

どんど祭りで

小正月とされる1月15日には、多くの神社で『どんど祭り』『左義長』などと呼ばれるお焚き上げが行われます。1月15日が平日にあたる場合は、前後の休日に行われることもあります。

お焚き上げは、不用となったものに感謝の気持ちを込めて、天に返すための儀式です。しめ縄だけでなく、お守り・お札・写真など、気持ちが込められたものを燃やします。

当日に神社へ持参する場合は、松の内が終わった後、和紙や新聞紙などに包み、自宅で大切に保管しておきましょう。

また、多くの神社では、事前に預かってくれる『古札納所』を設けています。古札納所に集められたものは、後日お焚き上げによって処分してもらえるのです。

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自宅で処分するなら

どうしてもどんど祭りなどに行けないような場合は、自宅で処分しても問題ありません。

自宅で処分する場合は、燃えるごみとして出しましょう。塩でお清めをしてから手を合わせ、半紙などで丁寧に包んで捨てれば、気持ちよく処分できます。

門松やしめ飾りなども、分解した後にお清めをし、燃えるごみとして出せます。他の一般ごみと袋を分ければ、縁起物としてきちんとした処分をしたことになります。

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文/編集部

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