豚毛のブラシを使いスタッフの方が一生懸命に洗ってくれる
ひと通りの説明を受けたのち、いよいよ筆者のスニーカーを手洗いしてもらうことになった。コースによっては靴紐を付けたまま洗濯するのだが、今回は「紐外し」もメニューに含まれていたので、初めに、スニーカーの本体と靴紐をバラしてもらった。
手洗い用のシンクの周辺には、スニーカーの洗濯に使うさまざまなグッズが置かれていた。左右に分かれたシンクの一方、ぬるま湯が張られた左側のシンクで本体をサッと水へ漬けてから、洗剤を付けた豚毛ブラシでひたすらゴシゴシと磨いていく。革靴やブーツのお手入れに使われる馬毛を使わない理由は「毛が柔らかく汚れが落ちづらい」ためで、豚毛の方が「固いので摩擦により汚れが落ちやすくなる」と末永さんは教えてくれた。
シンクを覗いているとみるみるうちに水が濁ってきて、自分のスニーカーがいかに汚れていたのかが伝わってきた。外側をひと通り洗い終わったら、スニーカーの中も棒の付いたブラシを使い入念に洗っていく。片足を洗い終えるだけでも10分強。クリーニングを担当してくれた末永さんが、一生懸命に洗ってくれている様子をみて、何だか申し訳なさも込み上げてきた。
洗濯が完了したら、右側のシンクに張られた水ですすいでいく。その時点では水に濡れいているのもありアッパーの違いが多少分かりづらかったが、ソールについては見違えるようにキレイになったのがひしひしと伝わってきた。末永さんは「ソールだけでもキレイにしておくと、スニーカーの見映えもよくなる」と話してくれたが、その言葉を受けて、日頃からの自分のズボラさもちょっぴり反省した。
スニーカーの両足を洗い終えてから、靴紐にも丁寧に洗剤を染み込ませていく。ここでも凹凸の付いた手袋で洗うという工夫があり、繊維の中にまで浸透してしまった汚れを摩擦により洗い落としていく。