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パワハラを受けていると感じた時に有効な3つの対処法

2019.12.01

■連載/あるあるビジネス処方箋

企業にパワーハラスメント(以降、パワハラ)防止の取り組みを義務付ける「パワハラ防止法」が成立し、職場の人権を考える機会が増えてきた。私の会社員の頃を振り返っても、取材で知り得たことを思い起こしても、パワハラをする人はそれが「パワハラ」と正しく理解していない可能性が高い。むしろ、「部下への指導、育成」などと捉える場合のほうが多いように思う。

だからこそ、被害を受けた時には、早いうちに「パワハラだと私は受け止めています」と強い口調で言ったほうがいい。曖昧な態度のままでいると、ついには退職に追い詰められたり、精神疾患になってしまう場合も考えられる。今回は、パワハラへの私の考える対処法を紹介したい。ぜひ、参考にしていただきたい。

1、抱え込まない

黙ったままでいると、相手に間違ったメッセージを送ることになりかねない。つまり、パワハラをする上司の側は「俺の指導、育成をおとなしく受け入れている」「こいつは何も反論をしない」と思いがちだ。だからこそ、何かを言わなければいけない。だが、部下のあなたはその勇気がなかなか湧いてこないのではないだろうか。まして、相手が上司だとすると、「自分の側に問題があるのかな」と思ってしまう場合すらあるのではないかと思う。

まずは、周囲の社員に話をしてみることを勧めたい。できれば、同じ部署の社員や同期生に打ち明けてみよう。おそらく、早いうちに上司の耳に入るはずだ。すぐにパワハラを止めないかもしれないが、「うかつなことはできない」と感じ取るのではないか、と思う。このように思わせるように仕向けるのが、大切なのだ。

2、被害や状況をできるだけ早く、くわしく伝える

パワハラをする側は必ず、相手のことを見ている。例えば、キャリアや実績、仕事力、周囲の社員との関係、反撃できる力を備えているかを確実に観察したうえで、攻撃をしている。さらにいえば、パワハラをした後、相手の態度や表情、反応、精神面の弱り具合をじっと見ているはずだ。

だからこそ、自分が受けている被害や状況をできるだけ早く、くわしく伝えたい。他部署でもいいし、企業内労組や人事部に話を持ち込むことでも構わない。大切なのは、騒ぐこと。騒げば騒ぐほどに、攻撃をしてくる相手は何かを感じるだろう。あなた1人しかいないならば、単独行動でもいい。1人で人事部やほかの部署の管理職に話をしてもいいだろう。もちろん、上司にまずは伝えるべきなのだが、上司がパワハラをする本人ならば止むを得ないのではないだろうか。

本来はこのような行為は避けるべきだが、残念なことにパワハラを繰り返す人は自らを変えようとしない傾向が強い。「常に自分が正しい」と信じ込んでいる場合すらある。何らかの歯止めをしないと、止まらないのが現実なのだ。放置をしておくと、周囲の社員にも悪影響を与え、職場が疲弊してしまいかねない。

3、反撃を繰り返す

反撃は相手が止めない限り、繰り返したほうがいい。避けるべきは、「いつか、上司は私に配慮し、止める」と思い込むこと。部下としてそのように思い込みたいのもわからないでもないが、私の観察では、パワハラをする人が自ら進んで止める可能性は相当に低い。そもそも、「自ら進んで止める」人はある意味で常識を心得ており、このような行為をしないのではないだろうか。

心得るべきは、媚びないことだ。パワハラは社会常識を逸脱した行為であり、民法の損害賠償の請求対象行為になりうる場合もある。それほどに深刻なもので、人権侵害ともいえる行為だ。パワハラをする加害者に媚びてしまうと、社会の秩序が崩れてしまうと捉えることもできる。いかなる場合でもパワハラは常に否定されるべきであり、被害を受ける側が反撃をするうえで譲歩や妥協はいらない。

反撃をすると、「相手が傷つくのではないか」と気を使う必要もない。相手は不当な行為をしているのだから、遠慮はいらない。すでにあなたは卑劣な攻撃を受け、重大な損害を被り、人権を著しく侵害されている。そのことを起点に考えるべきではないか。私は、屈しないあなたを支援し続けたい。

文/吉田典史

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