昔に比べて遅延が少なくなったBluetoothイヤホン。しかしゲームや動画を見ていると、わずかな音ズレも気になるもの。そこで今回は、遅延しにくいBluetoothイヤホンの紹介や、遅延の原因となるポイント、遅延への対処方法を解説していこう。
遅延なしのBluetoothイヤホンってあるの?
無線を使っている以上、まったく遅延しないBluetoothイヤホンはない。しかし遅延を最小限にとどめたイヤホンが続々と登場している。そこでおすすめ商品を紹介していこう。
AndroidでもiPhoneでも使える限りなく遅延しないBluetoothイヤホン
SONY ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン WI-1000X
【参考】SONY ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン WI-1000X
対応コーデックはSBC、AAC、LDAC、aptX、aptX HDのため、AndroidでもiOSでも高音質で再生が可能。しかも遅延が少ない。3つのノイズキャンセリングモードがあり、ヘッドホンが騒音を分析し自動的に最適なモードを選択する。ネックバンド付きなのでイヤホンを落とす心配が少ない。ケーブルはネックバンドの溝に収納できるので、ケーブルをしまうストレスがない親切設計だ。Amazon販売価格は2万5489円。
iPhoneで遅延が少ないBluetoothイヤホンなら「AirPods 2」以降がおすすめ
AirPods with Wireless Charging Case
【参考】AirPods with Wireless Charging Case
iPhoneならAirPods第2世代以降がおすすめだ。従来のイヤホンは、端末からのBluetooth信号を、左右どちらかのイヤホンに伝達し、そこからさらに反対側のイヤホンにリレー方式で伝達していた。これだと接続状態が不安定になりやすい。しかしAirPodsは左右それぞれに信号を同時に送る「左右独立伝送」に対応しているので遅延が少ない。Appleでの販売価格は2万2800円(税別)。
さらば遅延! 快適にゲームをできるBluetoothイヤホン
BGMをただ聞いているだけだと、多少の遅延はあまり気にならない。しかしゲームのように、操作した音が遅れてやってくるとストレスが溜まり、最悪プレイが億劫になる。
そこでオススメなのが、さきほど紹介したAirPodsだ。iOS端末やMacでのゲームなら、このイヤホンなら遅延を抑えられる。Androidの場合は、コーデックがaptXや、そのさらに上位互換のaptX LL、aptX HDに対応しているイヤホンを選ぼう。
なお、無線伝達できないテレビなどの場合は、下記のようなトランスミッターを使うといいだろう。
WSKY Bluetooth 5.0 トランスミッター レシーバー
【参考】WSKY Bluetooth 5.0 トランスミッター レシーバー
これはテレビの音声を無線で飛ばせる装置だ。テレビ→トランスミッター→イヤホンという形で音声が届く。紹介している商品は、高音質かつ低遅延のものなので、スマホから一度これを経由させてイヤホンで聞く方法もある。気になる人は試してみてほしい。
遅延なしを目指したSONYの完全ワイヤレスイヤホン
ソニー ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン WF-1000XM3
【参考】ソニー ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン WF-1000XM3
SONYが2019年7月に発売した製品。左右独立伝送で、接続状態が安定し遅延も最小限に抑えたモデルだ。対応コーデックはSBCとAAC。ハイレゾ対応で、SONYが独自開発した「高音質ノイズキャンセリングプロセッサーQN1e」を搭載。周囲の音を取り込むモード付き。音楽をじっくり楽しんだり、環境音を取り入れながらBGMを楽しんだりできる。Amazon販売価格は2万5800円。
【参考】コスパの高いBluetoothイヤホンの選び方のポイントとおすすめ機種8選
ワイヤレスイヤホンで起きる音ズレの直し方
遅延が少ないといわれているイヤホンを買ったのに音ズレが激しい……ということはないだろうか。そんな時は、次に紹介することを試してほしい。
Bluetoothイヤホンの遅延なくすためにチェックしたいこと
まず、Bluetoothは無線通信のため、スマホとイヤホンの間に障害物がないか確認しよう。スマホから離れすぎても遅延が起きることがあるので、なるべくスマホの近くで無線の障害がない状態かをチェックしてほしい。
Bluetoothイヤホンが遅延する時はコーデックも見直せ!
Bluetooth接続は、コーデックと呼ばれる音声圧縮変換作業を行う。主なコーデックにSBC、AAC、aptXなどがあり、たいていの端末で利用できるSBCは圧縮率が高いため、遅延が大きくなったり音質が劣化しやすい。もし対応コーデックがSBCなら、AACやaptX対応のイヤホンに切り替えると、不満を解消できる可能性が高いはずだ。
注意点として、AACが対応するデバイスはiOS、aptXが対応するデバイスはAndroidと異なる。イヤホンがAAC対応でも端末がAndroidだと標準搭載されているSBCになってしまうので、イヤホンと端末のコーデックを揃えよう。
音ゲーの音ズレを回避! ゲーム中のBluetoothイヤホンの遅延を直すには?
音ゲーなどの場合、音の遅延は致命傷になる。音ズレを直すには、以下のことを試してほしい。
・コーデックがSBCじゃないか確認
・イヤホンとスマホのコーデックに違いがないか確認
・電波障害を起こすものが近くにないか確認
・イヤホンを初期化して再ペアリングする
【参考】なぜかペアリングできない!そんな時に役立つBluetoothイヤホンの接続トラブル解消法
映画を快適に見たい…動画視聴中のBluetoothイヤホンの遅延を直すには?
動画の場合も、チェックするのは音ゲーの場合と同じだ。まれに動画自体が音ズレしている作品もあるので、まずはイヤホンをしていない状態で動画をチェックしよう。
iPhoneでBluetoothイヤホンの遅延が起きる時は?
コーデックも問題なく、イヤホンも遅延が少ないものを選んでいる。それでも遅延が起きるなら「設定」の「Bluetooth」から登録しているイヤホンを削除し、スマホを再起動しよう。その後、再度ペアリングしてみよう。
PCで遅延が起きる!Bluetoothイヤホンの対処法は?
PCの場合、インストールされているコーデックを確認しよう。もしイヤホンに対応するコーデックがなければ、PC側にインストールする必要がある。それが難しい場合は、さきほど紹介したトランスミッターを接続して対処しよう。
Bluetoothイヤホンの遅延は、理論上ゼロにはできないが、今回ご紹介したことに気をつければより音ズレしにくい環境で音楽やゲーム、動画視聴を楽しめる。テレビやPCも、トランスミッターを経由すればワイヤレス環境でストレスなく聞けるので、ぜひ試してみてほしい。
※データは2019年11月上旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
※製品のご利用、操作はあくまで自己責任にてお願いします。
文/ねこリセット