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「人材淘汰」のしくみがない会社への就職は避けたほうがいい理由

2019.10.29

■連載/あるあるビジネス処方箋

 新卒にしろ、中途にしろ、会社を選ぶときに確認するべきなのが、「人材淘汰」の仕組みだ。この仕組みがない会社に入社するのは、絶対に避けたほうがいい。私の観察では、特に社員数100人以下の中小企業に目立つ。

「人材淘汰」とは、言動や仕事力に問題のある社員やトラブルが絶えない社員のやりたい放題を防ぐことを意味する。その結果として、退職勧奨をするなどして退職せざるを得ない状況に追い込むことも含む。いずれにしろ、全員が一定水準以上の人材でない場合、「人材淘汰」がある程度は行われないと、正直者がバカをみることになりかねない。そこから心身の不調になったり、失意の退職になってしまう場合もある。

 今回は、「人材淘汰」の仕組みが機能していない会社の特徴を私の取材経験をもとに紹介したい。

1. 中途採用がメインで、定着率は低い

 多くの中小企業の場合、中途採用がメインとなっている。中途採用を続ける場合、定着率を確実に上げる仕組みを早急につくる必要がある。多くの業界で中途採用者の定着率は概して低く、数年で退職する人が後を絶たない。慢性的な人材難となり、在籍年数が多いだけで管理職になる傾向が強い。マネジメント力に大きな難があろうとも、管理職になり、ついには役員になるケースも少なくない。

 例えば、問題行為を繰り返す社員への歯止めがきかない。本来、上司が指導するべきなのだが、問題が起きていることすら知らない。私も経験があるのだが、社員数100人以下の会社の担当者と仕事をすると、上司に正確に報告をしていないケースが目立つ。報告、連絡、相談を密にする仕組みがなく、1人で仕事をする傾向が強い。個々がバラバラに動く限り、周囲からすると互いに正確に見えない。いじめやパワハラ、セクハラにも鈍感な職場となる。ある意味で、やりたい放題の社員が増えてくる。

 中小企業では、大企業に比べてパワハラが多い。厚生労働省の調査でも明らかだ。この「1人で仕事をする空間」にメスを入れない限り、同じことは続くはずだ。

2. 新卒採用がうまくできていない

 新卒者は中途採用者に比べると定着率が高く、会社の文化や風土に染まりやすいために育成がしやすい。だが、小さな会社では、新卒採用を毎年することはあまりできていない。新卒採用を10∼20年と繰り返すと、会社全体に落ち着きができて、社員間の支え合う関係もつくりやすくなる。仕事の喜びや納得感を感じ取る社員が増えてくる。部署や部署間の関係は比較的良好となり、情報や意識、目標の共有が進む。これが隅々まで浸透すると、「1人で仕事をする空間」がしだいになくなる。

 前述のように、嘘の報告をして自分の身を守るような社員は冷ややかに見られたり、排除されやすくなる。いじめ、パワハラやセクハラが行われている場合は、周囲に伝わりやすい。上層部の耳に入る可能性も高くなる。これも、大切な淘汰の仕組みといえる。淘汰の仕組みは、個々がバラバラに動くのではなく、チームで、部署で、会社で機能させることである。社員数が100人以下の場合、こういうことを不得手としている場合が多い。

3. 自分を振り返る機会に欠しい

 1と2の状態が長く続くと、社員間の健全な競争や選抜が行われないので、自分を買いかぶる社員が増えてくる。仕事力が低いにも関わらず、「仕事ができる」と思い込む。普通のレベルの仕事をしているのに「すごい仕事をしている」と信じ込む。そのことが事実関係として誤りであると悟らせる仕組みが社内にないから、ますます勘違いし、「優秀」と思ったりする。自らの考えや意見に反対されると興奮したり、時に暴言を吐いたり、挑発的な言動を繰り返す社員が増えてくる。上司から指導を受ける機会がほとんどないために、自らを振り返ることが少ない。

 本来は、こういう社員を淘汰しないといけないのだが、そんな仕組みはない。近いうちに、この中から管理職が生まれる。職場はどうなるか、察しがつくだろう。「淘汰」と聞くと、リストラを思い浮かべるかもしれないが、ふだんから正直者がバカをみない仕組みをつくることこそ、真っ先に取り組むべきではないだろうか。

文/吉田典史

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