
LED電球を選ぶ際には、明るさやサイズと並んで、「電球の色」も重要なポイントになる。今回は、LED電球の色の種類や、使う場所に合わせたおすすめの色について紹介しよう。
LED電球の色は主に3種類
LED電球には赤や青といった単色の製品もあるが、照明用として使われるのは主に「電球色」「昼白色」「昼光色」の3種類だ。以下では、これら3つを中心に解説していく。
電球色・昼白色・昼光色、LED電球の3つの色合いを比較
先ほど述べたようにLED電球は、主な色合いに、「電球色」「昼白色」「昼光色」の3つがある。
■電球色:ややオレンジ色がかった温かみのある光色
■昼白色:自然光に近い色合いの光色
■昼光色:やや青色がかったクールな印象の光色
この3つが基本だが、「温白色」という電球色と昼白色の中間的な性質の光色もある。
LED電球の紹介でよく見る“色温度”とは?
LED電球のスペックには「色温度」という項目がある。色温度は、光源が放つ光の色を数値で表したもので、K(ケルビン)という単位を用いる。赤に近い色ほど色温度の数値は低く、青白い色に近くなるほど数値が高くなる。
製品によって数値に若干の差があるが、先ほど紹介した3色に対応させると、電球色は約3000K、昼白色は約5000K、昼光色は約6500Kとなる。
LED電球は使う場所に合わせたおすすめの色合いがある
上記のように主に3種類に分かれるLED電球の色合いだが、それぞれの色に適した使用場所がある。
リビングのLED照明には電球色がおすすめ
電球色の照明は、温かみがあり、空間をリラックスできる雰囲気にする効果がある。家族の団欒、やすらぎの場所であるリビングには電球色のLEDがおすすめだ。ただ、好みの問題もあるので、自然な色のほうが好ましいという人は、昼白色のLED電球を選ぶといい。
リビングでは電球色と昼光色を併用するのもアリ!
リビングの用途は、家族がくつろぐばかりではない。子供がリビングで勉強をするといった家庭の場合、リラックス効果がある電球色のLEDでは、作業が捗らないかもしれない。勉強や仕事に集中したい時は昼光色が向いている。こんな場合は、2種類の照明を併用したり、光色を切り替えできるLED電球を選ぶといい。
リビングのダウンライトに電球色のLEDを使う
リビングをくつろぎと集中の場面に適した照明にする方法の1つが、ダウンライトに電球色のLEDを使うことだ。
昼光色のシーリングライトやペンダントライトと併用すれば、シーンに応じて使う照明を切り替えられる。これなら、リビングをくつろぎの空間にも集中を高める空間にもできる。
リビングダイニングは電球色にすべき? 好みやライフスタイルに合わせればOK
電球色のもう1つの特徴に、料理が美味しそうに見える点がある。リビングとダイニングの仕切りがないリビングダイニングの場合、1つの色で統一するなら、リラックスできて料理も美味しく感じる電球色がおすすめだ。好みによっては、ダイニング側に電球色、リビング側に昼白色という組み合わせで使う方法もある。
キッチンに電球色は向いている?
先ほど、電球色には料理を美味しく見せる効果があることを説明した。それならキッチンにも電球色のLEDが向いていそうだが、実はキッチンには電球色はおすすめできない。これは電球色の特徴ある色味が、キッチンではデメリットになるからだ。
キッチンを電球色にすると、なぜ後悔するのか
キッチンにおいては、料理が美味しく見えることよりも、手元が明るく見えることや、自然に近い光色で食材の傷みを見分けやすいことが大切。これらが料理のしやすさに繋がる。特に肉を焼く場合、暖色である電球色だと火の通りが色で判別しにくい。生焼けを避けたい時などは、調理に神経を使うといった理由から、キッチンを電球色にすると後悔してしまうこともあるようだ。
家に着くとホッとするような玄関に! 電球色は玄関にもおすすめ
電球色は、温かみがあって気持ちを落ち着かせる色合いだ。玄関の照明を電球色にすると家に着いた安心感が得られる。
クルマの車内ライトをLEDの電球色に変更する
クルマの室内灯を換えると、手軽に車内の雰囲気を変えられる。
室内灯(ルームランプ)をLEDの電球色に換えて、車内をリラックス空間に
リビングの照明で説明したように、電球色の明かりにはリラックス効果がある。長時間の運転に疲れた時や、外回りの営業途中で休憩したい時には、車内はくつろげる空間であることが望ましい。電球色に室内灯を変更すると、リラックス効果が期待できる。
何かと便利! 光の色を切り替えられるLED電球
LED電球の中には、光の色を切り替えられる製品もある。シーンに合わせた色に使い分けできるので便利だ。
勉強時と食事時で色の切替ができる! パナソニックのLED電球 E17口金サイズ
パナソニック『LED電球LDA6GE17KUDNSW』
具体的な商品を1つ紹介しておこう。パナソニックのLED電球 光色切り替えタイプ(ダイニング向け)6.4W(昼光色/電球色)『LDA6GE17KUDNSW』だ。ダイニングテーブルで子供が勉強をする家庭向けに、集中力を高める昼光色と、食べ物が美味しく見える電球色を切り替えられるようになっている。
【参考】パナソニック詳細ページ
部屋の雰囲気が激変!人の肌、料理、花の色がより自然に美しく見えるようになるパナソニックのLED電球「プレミアX」
音楽に合わせて色が変わるLED電球
Philips『Hueスターターセット ホワイト&カラー』
もっと積極的に光色の変化を楽しめるLED電球もある。例えば、Philips(フィリップス)の『Hue』は、1600万色のカラーを設定できて、光の演出と音楽や映像をシンクロさせられる。
【参考】Philips詳細ページ
スマホやスマートスピーカーで調光できるPhilips「Hueシリーズ」からE17口金タイプのLED照明が登場
スマートLED照明『Hue』をコントロールするフィリップスの『モーションセンサー』が発売
フィルムを使ってLEDの電球色を変える
上記のような商品を使わなくても、LEDや照明器具にフィルムを貼って光の色を変えるやり方もある。巻きつけて光色を変えられるものも市販されている。
【参考】アルゴ『ルミネカラー』
マジックで色を塗る!? LED電球の色を変えるアイデア
上のようなフィルムは、球面の電球に貼るのは難しい。そこで、LED電球や照明器具にマジックなどを使って色を塗ってしまうやり方もある。しかしこの場合、ムラができたり望み通りの色を出すのは難しいし、塗ったあとは元に戻すのが困難なので、あまり積極的にはおすすめしない。
電球色と昼白色を混ぜる裏ワザ?
既存の電球色や昼白色のLED電球では満足できる色合いにならない時は、裏ワザ的な方法として、2種類の色の電球を混ぜて使うという方法がある。
複数のLED電球をセットできる照明器具を使うことが前提だが、4灯タイプに2灯ずつ電球色と昼白色を使うといった具合だ。点灯させる電球を選択できる製品なら、点灯のさせ方によって光色を調節できるので、光色切り替え式のLED電球と同じような使い方もできる。
意識をすることはあまりないが、人は光の色によって集中力が高まったり、リラックスしたりするなど、様々な影響を受けている。この記事を参考にして、光の色を上手に使い分け、より快適な空間を手に入れてほしい。
※データは2019年10月中旬時点での編集部調べ。
※情報は万全を期していますが、その内容の完全性・正確性を保証するものではありません。
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文/ねこリセット