バッテリーの持ちは?常時点灯で時刻も見やすくなった「Apple Watch Series 5」の実力をガチ検証!
2019.09.28■連載/石野純也のガチレビュー
スマートウォッチでは圧倒的なシェアを誇り、シリーズを重ねるたびに売れ行きを伸ばしているApple Watchに、待望の新モデルが登場した。Apple Watch Series 5が、それだ。同モデルでは、ついに文字盤の常時表示を実現。コンパスも内蔵し、マップなどのアプリの使い勝手もアップした。さらに最新のwatchOS 6では、単独でApp Storeが利用可能になったほか、騒音検知にも対応。もちろん、Apple Payや単体でのモバイルデータ通信といった機能も、引き続き搭載している。
Series 4ではラインアップされなかったセラミックが復活したほか、チタンのケースが加わり、デザインのバリエーションに広がりが出たのも、Series 5の特徴といえる。老舗ブランド・エルメスとのコラボレーションモデルであるApple Watch Hermesには、ケースからバンドまでを黒で統一したモデルも加わっている。では、常時表示に対応したApple Watch Series 5の使い勝手はどうか。発売前日から試用してきた、同モデルのインプレッションをお届けする。
デザインは踏襲ながら、常時表示で“時計らしさ”がアップ
Apple Watch Series 5のデザインは、Series 4をほぼ踏襲している。Series 4ではディスプレイサイズを拡大し、角の表示に丸みを持たせてデザインを刷新したが、Series 5もこれは同じだ。サイズは小が40mm、大が44mm。初代Apple Watchからバンドを取り付けるラグの部分は一貫しており、取り外しは簡単。従来からのApple Watchユーザーは、バンドを使い回すことも可能だ。誤解を恐れず言えば、文字盤を同じにしていると、Series 4と見分けをつけるのは難しいだろう。
側面のデザインにも変化はなく、一見しただけではSeries 4と見分けがつかないかもしれない
ただし、ディスプレイまで含めた意味でのデザインは大きく異なる。Apple Watch Series 5が、常時表示に対応したからだ。これまでのApple Watchは、各種通知を見たり、アプリを利用したりする時はもちろん、時刻を確認するだけでも、腕を上げてディスプレイを点灯させる必要があった。逆に言えば、通常は、真っ暗な状態のディスプレイが腕に巻き付いていることになる。これに対し、Apple Watch Series 5は、どの状態でも、常に文字盤が表示されている。どちらが“時計らしい”佇まいかは、言わずもがなだろう。
表示はやや暗くなるが、腕を上げなくても、文字盤がつねに表示される
デザイン的に時計らしくなっただけでなく、実用的なメリットも増した。従来までのApple Watchは、時刻を確認するためだけに手首を上げる必要があったが、シチュエーションによっては、それが難しいこともあった。例えば、電車やバスの吊革につかまっている時。元々腕を上げているため、通常の時計であれば、チラッと目配せするだけでよかったが、Apple Watchの場合、吊革ごと腕を動かすか、もう片方の手で画面をタッチし、ディスプレイ表示しなければならなかった。Apple Watch Series 5では、それが解消された格好だ。
会議中など、相手がいる場所で時刻を知りたい時にも、常時表示は重宝する。腕を動かすしぐさは、いかにも時間を確認しているように見え、いつ会議や打ち合わせが終わるかを気にしているような印象を与えてしまう。ありていに言えば、相手に対して失礼になるというわけだ。ディスプレイが常時表示されていれば、こうした問題も起きなくなる。