小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

【リーダーはつらいよ】「患者は家族。もっと何かやれたのではと思うことも」聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院看護師長・武島絵美さん

2019.09.17

患者を家族のように接する

 患者と一緒に過ごす時間が長い内科病棟は、患者のことをゆっくりと考えられるし、家族ともじっくりと話ができる。部下たちはもうそろそろと、患者のお迎えも受容できる。

 ところが、「救命救急センターは違います」武島は話を続ける。彼女は新人から約10年間、救命に勤務し、幾つかの病棟を経て再び師長として救命に戻った。

 急患や事故で救命に搬送されるケースでは、亡くなる人も少なくない。「もっと何かやれたのではないか」そんな思いを師長に吐露する看護師もいる。特に辛いのは事故で亡くなるケースだ。「ご家族へのお声掛けは控えていいよ」、彼女は部下たちにそんなアドバイスをする時もある。部下たちは、雑然とした救命外来の施設の一角をカーテンで仕切り、椅子を出して家族が遺体と向き合い、手を握れる時間と空間を用意する。

 治療の際に、服はハサミで切られてしまう。だから、「タオルじゃなくて、ご遺体にはしっかり布団をかけてあげようよ」と、看護師に指示することもある。

「自分の家族がされたたら嫌だと思うことは避ける、そんな介護を提供しよう」と、機会があるごとに彼女は部下たちに声掛けしている。

 患者を家族のように扱う――それは医療に携わる武島の胸の内を占める心情である。「ですから、滅入りそうになったこともありましたよ」と、彼女はある体験を語りだす。

 背筋が伸びた師長から嗚咽が漏れ一瞬、武島は言葉に詰まった。

 さて、その体験とは――後編に続く。

取材・文/根岸康雄
http://根岸康雄.yokohama

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年4月16日(火) 発売

DIME最新号は「名探偵コナン」特集!進化を続ける人気作品の魅力、制作の舞台裏まで徹底取材!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。