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「配置転換」が行なわれない会社への就職は慎重にすべき理由

2019.08.25

小さな会社の配置転換の実態            

 中小企業の一部では配置転換が行われている。しかし、私の取材を通じての観察では「数年ごとの定期異動」というよりも、社長などが思いついた時に突然、実施するケースのほうが多いように見える。そもそも、人事部がない場合がほとんどなのだ。採用や定着、育成といった仕組みが機能していない傾向がある。ふだんから全社で情報共有をしていないために、配置転換後に仕事の進め方などをめぐり、人間関係がぎくしゃくする場合もある。厚生労働省の調査でも、小さな会社ではパワハラやいじめが大企業に比べると多いことがわかっているが、杜撰な配置転換とも関係があるのだろうと私はみている。

 それでも、配置転換をするべきと思う。一時期は混乱が生じるだろうが、時間をかけながらも、情報共有が進むはずだ。個々の社員の仕事を互いに知るようになり、支え合う。皆で効率よく進めようとするために、平準化や規格化が進む。中小企業の致命的な弱点は、これらの仕組みがほとんどできていないことにある。平準化や規格化、標準化、マニュアル化をしないから、個々の社員が各自の判断で動く。それが、ムリ・ムダ・ムラの塊となる。これでは業績が少々増えても、賃金が増えない。このことに不満を持ち、次々と退職する。ここに、深刻な悪循環がある。

 就職活動や転職活動中の読者はおそらく、現在の職場に何らかの不満を持っているのだと思う。「隣の芝生は青い」の心理になり、他の会社の光の部分だけを見るのかもしれない。その思いはわからないでもないが、どうか、広い視野で見つめ直してほしい。

配置転換は社員の定着や育成を考えるうえで、極めて重要である。例えば、エントリーしようとする会社の社員たちをフェイスブックを通じて調べてみよう。配置転換について投稿がまったくない場合、さらに何らかの形で調べたほうがいい。面接試験で確認してもいいのかもしれない。面接官が「配置転換はしていない。今後もする考えはない」と明言した場合、入社するのは慎重に判断したほうがいいように私は思う。配置転換ができない理由や要因が、社内にあるからだ。それは、早いうちにきっとあなたを苦しめることになる。どうか、広い視野で、冷静に考えてほしい。就職活動や転職活動での幸運を祈っている。

文/吉田典史

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