
何かとストレスが溜まりがちな現代社会。「会社を辞めてのんびり自給自足生活をしてみたい」と、スローライフに憧れる人もいるのではないだろうか。今回は自給自足に何が必要なのか、お金はどうなるのかなどを紹介しよう。
自給自足の生活にはどんな方法がある?
自給自足の方法を考える前に、まず「自分がどんな自給自足生活を目指すか」について具体的に考えてみよう。
本当の意味での自給自足をするなら、衣食住の全てを自分の手で賄うことになる。電気や水道、ガスといったライフラインも使わない、いわば文明生活との決別だ。しかし、このようなサバイバル生活をしたい人は、おそらく少数派のはず。
多くの人がイメージする自給自足生活というのは、畑などで作物を育てる自給がメインで、あとは可能な範囲で……という場合が多い。そこで今回は、食べ物を自給自足するスローライフを前提に考えていきたい。では、実際に食料は、どのように確保していけばよいのだろうか?
自給自足に必須なのは「農業」
日々の食べ物を自給自足するのに必須なのが「農業」だ。山菜を採るなどの方法もあるが、他人の敷地で勝手に山菜を採るなどの行為はできないし、どの山菜が食べられるかを見分ける知識も必要だ。仮に自分の敷地内だとしても、山菜が毎日採れるとも限らないので、農業が基本となるだろう。
自給自足生活で肉を手に入れる方法は?
肉が欲しい場合は家畜を飼う必要がある。おすすめは鶏だ。餌は野菜クズなどでも良い上に、交配させれば貴重な動物性タンパク質を含んでいる卵も手に入る。ただし肉として食べる場合は、食肉処理の知識と技術が必要だ。
自給自足生活にかかる生活費は?
食料面である程度は自給自足ができても生活費はゼロにはならない。ここでは自給自足生活の生活費について考えてみよう。
意外とかかる? 地方で暮らす場合の自給自足の生活費
地方での生活は物価が安くコストを抑えられるイメージだが、実際はどうなのだろうか?地方で生活する場合も都会と同じく、税金などに加えて、家や農地などの賃料や維持費も発生する。そして作物の種や農機具を買うなど、初期費用もかかる。
また、生活スタイルにもよるが、地方での生活は自動車がほぼ必須となるため、自動車の維持管理費も計算に入れておかなければならない。
公益財団法人生命保険文化センターによると、2人世帯で月にかかる平均の生活費は31.3万円。その内、食費は7.5万円だ。仮に自給自足をして食費が0円になり食費が浮けば、生活費は24万円前後となる。しかし食費を完全に0円とするのはかなり難しいため、実際には25万円以上かかると考えておいた方が良いだろう。
【参照】益財団法人生命保険文化センター
都会で暮らす場合にかかる自給自足生活の費用は?
都会でも自家農園できる土地があれば、自給自足生活ができないこともないだろう。加えて、買い物などは都会のほうが便利だ。ただ、都会は家や土地の賃料などが地方よりも高い傾向にあるので、都会での自給自足生活のほうが地方と比べて費用は高くなりそうだ。
都会の家賃は安くても5万円から6万円。また都会の場合、確保できる農地が狭くなるはずだ。したがって地方での自給自足生活以上に、食費がかかる可能性が高くなる。
半自給自足生活の生活費は?
上記を踏まえると現実的な自給自足生活とは、生活費は仕事をして稼ぎつつ、無理のない範囲で作物を育て、できる範囲で自給自足をしていく「半自給自足」だ。この場合は、仕事やアルバイトなどが見つけやすい都会のほうが有利かもしれない。
本格的に自給自足生活をしたい人には物足りないかもしれないが、農業もはじめのうちは上手くいくとは限らないので、徐々に自給自足の割合を増やしていくのも1つの方法だ。
自給自足生活でかかる税金は?
自給自足生活をしている場合でも固定資産税・消費税・住民税・国民健康保険税などが様々な税金が課されるはずだ。
自給自足生活でも税金関係の支出はそれなりの額になることを覚悟しておこう。
自給自足生活で収入を得る方法
収入を得る方法としては、できれば自分で作った作物が売れて現金収入が得られるのが理想的だ。しかし、売り物になるような味も見栄えもいい作物を作るのは難しい。現実的には、農業をしながら働きに出るか、自宅でも可能な仕事を探すことになるだろう。
そのほかのケースで考えられる自給自足生活の問題は?
ここでは、自給自足生活を成功させるうえで問題となり得る、そのほかの点について考えてみよう。
海外で自給自足生活をする時の問題
「日本よりも物価が安い海外でなら、自給自足生活もやりやすいのではないか」と考える人もいるかもしれない。確かに日本よりも物価が安い国では、日本である程度の貯蓄をしてから移住すれば、金銭面では生活しやすい国もあるだろう。
しかし、現地で自給自足をするのは、言葉の壁などもあり、日本で行う以上に困難かもしれない。現地に頼りになるツテがあるような場合を除けば、海外での自給自足生活は難しいのではないだろうか。
子供はどう育てるの? 自給自足生活の問題
子供がいる場合、学校に通える範囲の場所で自給自足生活を送ることが望ましい。自然が身近にある地方での暮らしは、都会ではなかなか体験できない学習や遊びもできるというメリットもある。
【参考】都会から移住した夫婦に聞く地方暮らしで子育てをするメリットとデメリット
体験から始めてみよう! 自給自足の生活を体験するには
自給自足生活というのは楽なものではない。実際にやってみると自分には向いていなかったと後悔することもある。そこで、自給自足生活に踏み切る前にできるだけ体験しておくことをおすすめしたい。
最近では農業やスローライフ、地方暮らしが体験できるツアーが色々ある。自給自足生活を未経験で始めるよりも現実的だ。また、移住者を募集している自治体の場合は、数か月単位で家賃を払わずに住める住居を提供してくれる場合もある。地方で自給自足生活をしたいという人は、まずはこれらの体験をしてみよう。
【参考】農園と別荘が合体!泊まりがけで楽しむ市民農園「クラインガルテン」の魅力
【参考】移住者は年間200人、うち7割が30代以下!長崎県五島市が若者の移住先として人気の理由
始める前によく調べることが自給自足生活の成功率を上げるコツ
自給自足生活には夢があるが、実際の生活は楽なものではないので、行動に移す前によく調べおこう。向き不向きはあるが、近年はシェアハウスのような形で仲間と一緒に自給自足をする人たちもいる。様々な形があるので、自分のできる範囲で理想とする生活を目指して、多角的に検討してみよう。
※データは2019年8月上旬時点での編集部調べ。
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文/ねこリセット
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