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小は大を兼ねる!乗ってわかったダイハツの4代目新型「タント X」の○と×

2019.08.12

燃費性能はJC08モードで27.2km/L

そんな新型タントの標準車、JC08モードで27.2km/Lの燃費性能を誇るNAモデル(FF)の走行性能は、加速度15%UPの恩恵もあって、出足から素晴らしくスムーズかつトルキーに発進、加速する。動力性能は平たん路なら市街地、高速道路でもストレスのない運転、ドライブが楽しめるレベルにあり、スッキリとしたパワーステアリングの操舵(そうだ)フィール、14インチタイヤによるフラットで心地良い乗り心地が大きな魅力。ターボモデルと比べ、大きく差がつくのは、登坂路、高速走行が主と言っていい。

しかも、全高1755mmものスーパーハイト系軽自動車にして、カーブでの前後左右の姿勢変化はクラス最小、というか最小限。前席のシートの掛け心地、サポート性の良さもあって、車体の基本的に安定感の高さと相まって、安心感たっぷりのコーナリング、車線変更が行えるのである。スーパーハイト系軽自動車のNAモデルとして、クラスベストの走りの上質感、しっかり感、曲がりやすさを備えていると言っていい。タントは歴代、子育てカー、走りは二の次・・・というイメージが強いものの、新型は走行性能面でも飛躍的な進化を遂げたと断言できる。

つまり、新型タントは標準車のNAモデルであっても、ミラクルウォークスルーパッケージによる抜群の使い勝手の良さ、走りやすさ、スマートアシストによる先進安全性能といった、すべての項目で高い評価を与えることができる。これで、NAモデルにもACCが装備できれば(ホンダN BOXは現時点で渋滞追従しないものの、ACCを含むホンダセンシングは全車標準装備)、鬼に金棒。ACCは全車との距離を一定に保ってくれるため、自動ブレーキが働く以前のプレ自動ブレーキ機能としても効果的で、商品性、安全性能は格段にアップすると思えるからだ。

お薦めグレードは標準車のNAモデルの場合、スマートアシストが標準のXに限られるが、Xターボとの価格差は9万円(税別)。エンジンのゆとり以外の装備面は同等だが、オプションのスマートクルーズパックとして、ACCとレーンキープ機能が付けられる(5万5000円/税別 運転席シートリフター、専用ディスプレー、本革巻きステアリング、ETCユニット含む)メリットがある。高速走行の機会が多いなら、9万円(税別)を払う価値は十二分にあるだろう。アウトホイールメーターの液晶メーター画面も、すべて表示されるわけで・・・。

なお、新型タントのカスタムターボRSについては、改めて試乗記をお届けしたい。

ダイハツ・タント
https://www.daihatsu.co.jp/lineup/tanto/

文/青山尚暉

モータージャーナリスト。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。自動車専門誌の編集を経て、現在、モータージャーナリスト、愛犬との快適安心なカーライフを提案するドッグライフプロデューサーのふたつの肩書を持つ。小学館PETomorrowでも「わんこと行くクルマ旅」を連載中。最新刊に「愛犬と乗るクルマ」がある。

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