今、日本でもっとも売れているクルマの上位5台はなんだろうか。実は、5台中、3台がスーパーハイト系と呼ばれる軽自動車である。2019年7月の国内新車販売台数を例に挙げれば、1位ホンダN BOX、3位ダイハツ・タント、5位スズキ・スペーシアとなる。
注目すべきは、7月9日にフルモデルチェンジしたばかりのダイハツ・タントがいきなり3位にランクインしていること。タイミング的にその中には旧型が含まれるものの、発売後1カ月の受注は、月販目標の12500台に対して、約37000台と、約3倍に達しているという人気ぶりで、多くのバックオーダーをかかえているという。
それもそのはず、今をときめくスーパーハイト系軽自動車のパイオニアこそ、2003年に初代がデビューしたダイハツ・タントなのである(初代はスイングドア)。そして2代目では、助手席側Bピラーレスのミラクルオープンドアを採用。乗降性、特に子育て世代の使い勝手を追求してきた経緯があり、軽自動車の大空間ファミリーカー、子育てカーとして、2003年以来、絶大なる支持を得てきたのである。新型に注目が集まって当然だ。
新プラットフォーム「DNGA」を採用した4代目の新型「タント」
4代目となる、”小は大を兼ねる”新型タントは、何よりもDNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)と呼ばれる完全新開発のプラットフォームを採用しているところがポイントだ。トヨタのTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)と呼び名は似ているが、ダイハツオリジナルの新世代車体構造の総称である(名付け親はトヨタの豊田章男社長)。
しかも、エンジン、サスペンション、スプリットギアを用いた新デュアルモードCVT、シートまで全面改良&刷新。軽量高剛性ボディーで最大約80kgの軽量化を果たし、ボディーの曲げ剛性は約30%UP。NAエンジンの加速度15%向上、ターボエンジンのトルクアップまで手が入っているのだから、本気のフルモデルチェンジと言えるだろう。ちなみにDNGAは今後、ダイハツのA、Bセグメントのクルマにも使われるというから、タントでは余裕たっぷりのプラットフォームと言っていい。