酒と肴とジャズを愛する呑兵衛漫画家・ラズウェル細木さんによる漫画と共に、宝酒造がこだわる焼酎の魅力を全5回でお届けする「おたからショーチュー・タイム」。
第1回は今年発売35周年を迎えた『タカラcanチューハイ』をご紹介。
メタリックシルバーの缶に「can CHU-HI」というロゴがシンプルながらも目を引く『タカラcanチューハイ』は、1984年に日本初の缶入りチューハイとして誕生。今年、35周年を記念して、復刻デザイン缶(写真下)が登場した。
復刻デザイン缶
※<レモン>・<グレープフルーツ>は、2019年12月まで販売。<プラム>・<プレーン>は数量限定により現在販売終了
この『タカラcanチューハイ』の開発には、宝酒造の焼酎に対する並々ならぬこだわりが背景にある。プロジェクトが発足した1983年当時、居酒屋などで焼酎を炭酸で割った焼酎ハイボール=酎ハイ(チューハイ)が大ブーム!
お店ごとに工夫を凝らしたチューハイが登場し、レモンやライム、グレープフルーツなどさまざまなフレーバーのチューハイが飲まれていた。
居酒屋のチューハイをもっと手軽に飲んでもらいたいと、缶入りチューハイを初めて発売したのが宝酒造である。その缶チューハイづくりにおいて宝酒造がもっともこだわったのはベースとなる“焼酎の味”だった。
焼酎にこだわり、チューハイの理想の味を求め、試行錯誤を繰り返した。
焼酎には宝酒造が誇る、味・香り・風味が異なる約85種類の樽貯蔵熟成酒を厳選して使用。これを幾通りにも組み合わせ、試作が重ねられた。
宮崎県にある宝酒造の焼酎蔵「黒壁蔵」(写真下)では約2万樽の樽貯蔵熟成酒が保有されており、宝酒造の甲類焼酎のほとんどが、この樽貯蔵熟成酒をブレンドすることで、異なった風味を実現しているのだ。
樽貯蔵熟成酒の中から厳選した11種類をブレンドし、ついに『タカラcanチューハイ』のベースとなる焼酎が完成した。香りや味、すっきり感、後味……すべてにおいて理想を追求した結果、発売以来35年も愛され続ける『タカラcanチューハイ』が誕生したのだ。
現在ではニーズの広がりにあわせて焼酎をベースにしていない缶チューハイも多い。
しかし、宝酒造では焼酎ベースであることを頑なに守り続けている。フレーバーによって樽貯蔵熟成酒のブレンド比率を微調整しているというから、そのこだわりは相当なモノだ。
当然、使用する水や果汁にもこだわっている。たとえば水は活性炭でろ過することでクリアな味わいとなり、焼酎や果汁の味を際立たせている。
一番人気のレモンで使用されるのはイタリアのシチリア産の手摘み、しかも最高品質と言われる冬期に収穫されたウィンターレモンのみを使用。これにより爽やかな酸味と香りを楽しめる。
この夏はぜひ氷を入れたグラスで『タカラcanチューハイ』を楽しんでみてほしい。炭酸が泡立つことで豊かな香りが立ち、氷とアルコールが馴染むと香りに加え風味も豊かになる。それも、樽貯蔵熟成酒を使用しているからこそ。
『タカラcanチューハイ』
現在発売中の「35周年記念復刻デザイン缶」終了後は従来のデザイン缶に切り替え。
<レモン>250ml・160円、350ml・210円、500ml・280円(消費税抜き)
フレーバーは他に、ドライ(ALC.9%)・グレープフルーツ(ALC.8%)・プレーン(ALC.8%)
次回は、『タカラcanチューハイ』にも使われている樽貯蔵熟成酒とそのブレンド技術についてご紹介予定。お楽しみに!
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マンガ/ラズウェル細木
1956年山形県出身の漫画家。
『酒のほそ道』『風流つまみ道場』など、酒とグルメを題材にしたマンガを多数手掛け、多くの読者に支持されている。ジャズにも造詣が深い。
文/内野智子