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就活でわざわざ苦労する選択をすべきでない理由

2019.07.23

■連載/あるあるビジネス処方箋

 ここ数回は就職活動をしている学生を意識し、書いている。私が特に問題視するのは、新卒(大卒)で中小企業に入社しようとする人たちだ。一部のメディアや識者の「活躍の場が多い」「実力主義の人事が行われている」といった根拠が曖昧で、無定見な言論に感化され、中小企業の採用試験を受けるならば極めて好ましくない。

 断言しておく。そのようなメディアや識者の約9割以上は、中小企業の内情や実態を正確には把握していない。わずかながらの取材経験やヒアリング(聞き取り調査)で知り得た一断面をわい曲や誇張をしたりして、「活躍の場が多い」「実力主義の人事が行われている」と伝えている可能性が高い。そのような雑誌や新聞のバックナンバーやテレビ番組の過去放送分をネットを使い、調べてみよう。実は、これまでに中小企業をほとんど扱っていないはずだ。つまり、取材やヒアリングは数えるほどしかしていない疑いがある。

 私は、自信をもってこう言いたい。「新卒で、中小企業を受験するべきではない。特に社員数が100人以下で、創業15年以上の会社にエントリーするのは絶対に避けよ」「騙されたと思い、中堅、大企業にエントリーしてみよう」「好景気で、深刻な人手不足の中、わざわざ、苦労をする選択はすべきではない。中小企業に新卒で就職すれば、永遠に報われない苦労をする」「30∼50代になり、リストラになった時に、いつでも中小企業には入れる」…。

 今回はなぜ、私がしつこいほどに疑問を呈するのかを伝えたい。結論から言えば、新卒時の就職活動はある意味で逆転が可能な、一大イベントであるからだ。特に入学難易度が低い大学の学生はハンディを克服する絶好のチャンスとも言えよう。

 あなたが、入学難易度が中位以下(偏差値60以下)の私立大学を卒業するとしよう。そして、業界上位3∼10社の大企業に入社したとする。このレベルならば、中位以下の大学の学生でも今の時代は入ることはできる。金融(メガバンク)や総合商社はともかく、メーカー、ITなどは十分に可能だろう。金融でも、地方銀行や信用金庫ならば大丈夫だろう。

 入社後、ある程度の経験を積み、27∼28歳になった時に、転職しようとするときっと驚くはずだ。あなたの労働市場の価値は、入学難易度が上位1割以内(偏差値60以上)の私立大学を卒業し、社員数100人以下で、創業15年以上の会社の同年齢の社員よりも、2∼3ランクは高く評価される可能性が高い。10社にエントリーすると、5∼8社はあなたのほうを採用するだろう。業界や職種にもよるが、語学力やITスキルが同世代の社員よりも3∼5ランク高いと、一段と上の評価を受ける機会が多くなるはずだ。ただし、20代後半までに2∼3回の転職をしていた場合はその例外である。

 中途採用の労働市場において、職歴は学生が想像できないほどに大切なのだ。新卒時は、企業からすると学歴ぐらいしか判断材料がないケースが多いから、「学歴フィルター」が存在するのかもしれない。しかし、20代後半ですでに「キャリア」「経験者」として判断されるのが、労働市場なのだ。

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