人は見かけによらぬもの、と言う。確かに第一印象がすべてではなく、長く付き合うほどに魅力を掘り出せることもある。一方で英語には“Clothes make the man.(身なりでその人が分かる)”という諺がある。日本的には「馬子にも衣装」ということになるだろうか、「外見も結構大事だぜ」といった意味合いだ。
見た目のクセが強いハスクバーナのオンロードバイク、ヴィットピレン401を諺になぞらえるなら、“Exterior makes the motorcycle.”、つまり「外観でそのバイクがわかる」と言いたくなる。
異形である。れっきとしたメーカー製バイクとは思えないほど、ユニークなカスタム感に溢れている。それはつまり、全方位において万全を期する(=優等生になりがち)な一般的なメーカー製バイクに比べて、どことなく未完成な香りがするということだ。もっといえば、「やらかした感」がある。ハスクバーナのオンロードバイク、ヴィットピレン401は、めちゃくちゃ割り切った、「やっちまったデザイン」の持ち主だ。
ヘッドライト、ウインカー、テールランプなど灯火類はすべてLEDを採用。ヘッドライトはフラットなデザインで、オーセンティックさとモダンさをバランスさせている。
シンプルながら、フューエルリッドの高級感など手抜きは見られないコクピットまわり。トップブリッジ下にセットされたセパレートハンドルが、高めのシート高と相まってスパルタンな前傾姿勢をもたらす。
タンクカバーとサイドカバーが一体となった特徴的なデザイン。パーツリストには「スポイラー」と記されている。内部には平べったい形状の9.5リットル燃料タンクが収められている。
ローレット加工が施されたグリップにはハスクバーナのロゴが。もっと大きくロゴが記されている同社オフロードモデルに比べると、やや控えめ。
ストンと切り落とされたかのようなリヤまわり。かなり極端なデザインだ。シートは上質なヌバックレザーを使用。日本仕様はグラブバーも装備されているが、タンデムシートが相当にコンパクトなので2名でのライディングは困難だ。