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人の話をよく聴くために必要な3つの「心」と3つの「コツ」

2019.06.28

人の話を聴く技術的なコツ3つ

人の話を聴く技術的なコツも気になるところ。宮崎さんに聞いてみた。

「日本人は一生懸命に聴こうと意識すると、石のように固まってしまう人が多くいます。そうではなく、話し手が話しながら聴き手のリアクションを目で見て、耳で聞いて、聴き手の思いを簡単に理解できるくらいのリアクションをとることが大切です。

こうした聴き方を実践するワークショップを行っていると、話し手の中には『話すつもりがなかったことをつい話してしまった!』と驚かれる方が現れてきます。これは聴き手がメンタル的に、そして技術的にどうすればいいかを学び、『よく聴くこと』が実践できた証拠といえます。

技術としては、『アクティブリスニングの3要素』というものがあります。これらは私のようなコーチやカウンセラーが使用しているテクニックの一部です。他にも話を聴く上で意識したいことはありますが、まずはこの3要素から意識するだけでも、会話の質は驚くほど変わりますよ」

1.うなずき

「最も簡単な『うなずき』は、意外と上手にできていない人は多いです。相手があなたに対して『うなずいている』と視覚的に理解できてこそ、うなずけたと言えます。最初は意識的に大きくうなずきましょう。うなずきが上手だと、相手は安心して話を続けることができます。会話の内容によりますが、楽しい話題なら、相手以上に笑顔で楽しそうにうなずくと盛り上がりますよ」

2.あいづち

「2つ目に大切なことが『あいづち』です。うなずきは視覚で、あいづちは聴覚で『聴いている』ことを知らせることができます。あいづちには、例えば、『わ~、へ~、ほ~、すごいですね、そうなんだ~、なるほど~』などがありますが、相手に興味関心が伝わる合いの手なら何でも大丈夫です。『うん』や『はい』だけでは、単調になりやすく、会話の盛り上がりに欠けてしまいがち。好きなあいづちを選び、無意識に出るくらいに練習しておくといいでしょう」

3.繰り返し/おうむ返し

「3つ目の『繰り返し/おうむ返し』は会話の質を深める上で、最も効果の高いテクニックです。相手の言葉をそのまま繰り返すだけです。繰り返す言葉は名詞、形容詞、動詞、何でも構いません。この繰り返しが持つパワーは大きく、繰り返しが生まれると、話の内容がより深まり、興味深いものになっていきます。

この最も効果の高い『繰り返し/おうむ返し』のテクニックは、実は最もむずかしいことでもあります。ワークショップを行っていても、皆さん、とても苦労されています。その一方で、自分が話し手になったときに、聴き手が自分の言葉を繰り返してくれたときに『関心を持って聴いてもらえた』とその効果を実感されるようです。会話の中で何度も自分の言葉を繰り返されることで得られるインパクトはとても大きいです。ワークの中で繰り返しがもたらす影響を自分自身で身をもって経験できるからこそ、相手にも同じように感じてもらいたいと励みになり、自分も聴き手になったときに相手の言葉を繰り返そうと、ワークに取り組まれています」

宮崎さんの行う研修やセミナーで学ぶ人は、最初は1分の話を聴くこともままならないという。しかし、練習すればするほど、上達もするのも早いそうだ。

「聴き上手になることができれば、ビジネスやプライベートで活かせる場面は多く、あらゆるチャンスは広がると思います」と宮崎さんは言う。ぜひ取り組んでみよう。

【取材協力】

宮崎香理さん
ワールドビジネスソムリエ合同会社 代表
MBAマーケティングコンサルタント
ビジネス界のマスターソムリエとして、マーケティング、コンサルティング、研修、コーチングなどから、最適なサービスを提供し、クライアントの価値を最大限にするお手伝いをしている。中でも、企業や親御さん向けのアクティブリスニングセミナーや絆を深める聴き方講座が好評で、今後は大人はもちろん、子どもたちを含むより多くの方々に傾聴を広め、日本人のさらなるコミュニケーション力アップに貢献していきたいと活動中。著書に「あなたをさらに高め、組織が変わるインナーリーダーシップ」がある。
http://kaorimiyazaki.com/

取材・文/石原亜香利

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