優れた報連相を行うためには、その報告の内容をあらかじめ記しておく「メモ」が重要となる。その作り方、準備の仕方を、問題整理や報連相などのビジネススキルに関する講師やコンサルティングを行う大谷更生さんに聞いて紹介する。
報連相の前にメモを用意するメリット
報連相の前に、話す内容をメモにまとめる。そのメモの効用として大谷さんは次の2つを挙げる。
1.時間の節約になる
「例えば、報告している途中で上司から『これってどういうこと?』『あれはどうなってるの?』などと聞かれても、慌てずスムーズに受け答えをすることができます。メモを作って情報を整理していないと、その場で答えられず、何度も持ち帰って確認しなければならなかったり、伝えたいことが上手く伝わらないという状況に陥ってしまったりします。これを何度も繰り返してしまったら、上司から『仕事ができない奴』というレッテルを張られても仕方がありません」
2.相手にわかりやすい報連相ができる
「要点を整理してメモにまとめておくことで、短時間で的確な報連相をすることができます。もし上司が報連相を受ける時間がない場合でも、作っておいたメモを渡して時間があるときに見てもらうということも可能です。これにより、対面での報連相と同等の効果を得ることができます」
報連相メモの作り方
報連相に際して用意するメモは重要といえる。この報連相メモを作るときは、報告・連絡・相談で使い分けることがポイントだという。
●報告・連絡のメモ
「報告・連絡のメモは、5W1Hで作るのがおすすめです。誰が(Who:主語)、何を(What:目的)、いつ(When:日時)、どこで(Where:場所)、なぜ(Why:理由)、どうやって(How:手段)の5W1Hが網羅されているかを、報連相を行う前に必ず確認するようにしてください。とくに誰が(Who)、何を(What)、どうやって(How)の3つは、どんな場面でも必ず必要となるため、しっかりチェックしてください」
●相談のメモ
「相談のメモを作る際のおすすめは、PREP(プレップ)です。PREPとは、文書やプレゼンテーション資料などを作るときに使われる構成のひな型のことで、構成要素を表す単語の頭文字をとって名づけられました。
Point:要点、結論
Reason:理由
Example:具体例
Point:要点、結論
まずは相談したいテーマを明確にしてから、テーマに対して自分はどう考えるか(Point)、なぜそう考えるのか(Reason)、理由を裏付ける事例(Example)、最後に、自分はどう考えるか(Point)を繰り返します。
PREPを使うことで、相談したいテーマと何を相談したいのかを明確に相手に伝えることができます。もし可能であれば、Reason:理由とExample:具体例は1つだけでなく2つ以上用意できると、より相手が理解しやすく、スムーズに相談を進めることができるでしょう」