2.Atari Gastroteka
こちらも旧市街、教会の目の前にあるバルで、バルの中でも超人気店である。筆者も友人に「必ず行くように」と言われた一軒であり、昼間から開店している。
ヨーロッパの方たちは夕食の開始時間が20時以降と遅いので、18時過ぎに早めに入店したのだが、この店はすでに混雑していた。こちらもテーブルには基本的に座れないと思った方が良い。カウンターで空いているスペースを何とか二人分確保するのがやっとであったが、来る価値は十分にある。
ご覧いただきたい。Atariのピンチョスは、まるで芸術品だ。食べたいものを好きなだけ取っていくスタイルだが、まるで宝石や時計をディスプレイするかのような手の込んだ配置。
そして、目を奪われる鮮やかなピンチョスたち。一つひとつのピンチョスを作るまでに、非常に手間暇かかっていることが伺える。
味は言うまでもない。Atariのピンチョスは沢山の食材を一つのバゲットの上に乗せており、口の中で様々な食感や素材の旨味がハーモニーとなり、至福の境地に至る。ウニやサーモンなどの魚介も新鮮で臭みが全くない。
癖がありそうなブルーチーズも、チーズ好きには病みつきになりそうな美味しさであった。舌も心も幸せで満ちていく感覚を心行くまで味わうことができる。
また、Atariのバゲットはしっかりとトーストしてあり、硬めで食感が良い。噛むほどにパンの香ばしさも相まって更に食欲とお酒が進む。他店ではふんわりとしたトーストしていないパンの上に食材が乗っていることもあったが、Atariは使用するバゲットまで抜かりなく厳選しているように感じた。
スペインのスパークリングワインCAVAも並々とついでくれる。
Atari Gastroteka
Calle Mayor 18, 20003 San Sebastian-Donostia, Spain
(+34)943 44 07 92
海を見ているだけで癒される
街と隣接するラ・コンチャ海岸は人々の心を癒してくれる。1キロ余りの海岸は徒歩で横断することもでき、夏になるとビーチを楽しむ人たちでいっぱいになる。夜になると幻想的な雰囲気となり、灯りが美しく海に映える。
バルのお酒で火照った体が、夜の海岸沿いを心地よい風を受けながら歩くことで、ほどけるように癒されていく。昼と全く表情が違うラ・コンチャ海岸は常に沢山の観光客を魅了する