小さく握れるよう形と重さを変更
2017年に発売した5種類はどれも、おにぎりの具としては斬新なものばかりで、注目を集めることになった。しかしその一方で、「なじみのあるものが欲しい」といった声も聞かれた。そのため、意外性のあるものを展開しつつ、親しみがあるものを使ったものも展開することにした。
同時に、ラインアップも拡大。当初は売れ筋を見極めながら入れ替えを進めていく計画だったが、「いろんな種類が欲しい」という声を受けて、増やすことにした。ユーザーが具体的に欲しいものの名前を挙げてリクエストしてくることもあり、今後も新しい味を提供していきたい考えだ。
また、発売当初から「おにぎりが大きくなってしまう」という声が聞かれた。発売当初はトレーから出しやすい半球で、ご飯で包み込んで握る際、自然と大きくなってしまった。そこで、2108年2月から形をマカロン状に変更。平べったくすることで、ご飯の量が少なくても握りやすいようになった。
同時に、具材の食べ応えや満足感はそのままに、1個当たりの重さも25gから20gに小さくし、手に取りやすい価格へと見直を図った。
取材からわかった『おにぎり丸』のヒット要因3
1.意外性がある
家庭でつくるおにぎりは、具が鮭や梅干しといった定番ものになりがちなことから、意外性のあるものを提案。飽きが来ないことから、高い支持を集めた。
2.栄養バランスがいい
今までのおにぎりは他におかずを摂らないと栄養バランスの良い食事にならないが、管理栄養士監修のもと栄養バランスを考えて開発。よく考えられており、「使いたい」と思わせるものだった。
3.マイナスイメージの払拭
冷凍食品は手軽ゆえに、手抜き料理というイメージが付きまとっていた。しかし、技術の進歩などにより昔に比べて味が向上。加えて『おにぎり丸』は、ご飯と一緒に握らないと完成しない。味の向上とひと手間かけないと完成しないことにより、手抜き感を払拭した。
冷凍食品のマイナスイメージを払拭するべく開発された『おにぎり丸』。普段、「美味しくない」「手抜き」など冷凍食品にマイナスイメージを持っている人にこそ、一度、『おにぎり丸』を使っておにぎりを握り、食べてはいかがだろうか。それまで冷凍食品に抱いていたマイナスイメージが180度変わるかもしれない。
製品情報
https://www.ffa.ajinomoto.com/onigirimaru
文/大沢裕司