「海外に赴任している」と聞くと、華やかで楽しげな生活を想像しがちだ。しかし慣れない異国での生活・仕事は多くの不安・ストレスをはらんでいるもので、それは体験した人にしかわからないだろう。
今回、そんな海外駐在員のリアルな実態が、海外駐在経験のある131人を対象にしたアンケート調査によって明らかになった。
海外駐在員が感じた赴任前に不安に思うこと
「海外赴任前の気持ち」のグラフを見ると、労働環境が42%、日常生活が40%と、いずれも不安を感じていたことがわかる(「不安があった」「やや不安があった」の合計値)。
また、30歳~44歳までは、海外での日常生活よりも、海外での労働環境に不安を覚える傾向が高いということが明らかに。赴任前には、「結果を出せるかどうか」「現地スタッフから受け入れてもらえるか、どのような立場・態度で接するのがよいか」「前任者がいないので自分が対応できるかどうか」など様々な不安な声が多いという。
海外赴任前サポートの有無について尋ねる調査が行われたところ、もっとも「サポートあり」の回答が多かったのは「引っ越し関連」。以降、「渡航先の方法提供」「集合型赴任前研修」と続く。
「海外赴任前サポートの満足度」について尋ねた結果を見てみると、もっとも満足度の高かった項目は「引っ越し関連」。一方、「渡航先の方法提供」と「eラーニング」は低い傾向に。
赴任前の不安な声に「言語」が多いが、「語学学習」サポートを実施している企業は少ない。
家族を帯同している6割以上の海外駐在員が赴任前に「帯同家族の語学力(英語以外の赴任先の言語)」と「子女教育」に不安を感じていることがわかった。
実際のところ、渡航前帯同家族向けサポートにおける「子女教育」の満足度は低い。